学部から大学院まで北海道大学に8年通いました。材料科学分野で研究に励み、博士号を取って卒業したのです。8年もいると北大への愛着はもはや信仰に近く、キャンパスの芝生の匂いまで鮮明に思い出せます。
この八年間、学会や共同研究を通じて他大学の研究者や学生とも随分関わりました。京大の研究室に出向いて圧倒されたこともあれば、早稲田のマンパワーに度肝を抜かれたことも。大学ごとに文化も空気もまるで違っていて、よそを知るたびに北大の良さを再確認しました。結局のところ、比較すればするほど北大が好きになるのです。
今回は、学生生活八年間で抱いた各大学への印象を、好き放題に語ります。北海道大学が圧倒的No.1である揺るぎない事実を前提に、主観と偏見を全力でぶつけていく所存です。公平性は期待しないでください。
本記事では東日本の大学を扱います。西日本編は別記事でお届けしますので、京大や阪大の話を楽しみにしている方はもう少々お待ちください。
かめそれでは早速始めましょう!
北海道大学


誰に何を言われようが、圧倒的No.1です。
キャンパスは広く、緑は豊かで、大学のある札幌は都市としての利便性も抜群。札幌駅から徒歩圏内にこれほどの自然が広がっているのは、もはや都市計画のバグではないでしょうか。秋のイチョウ並木なんて、観光客がわざわざ見に来るレベルです。大学ですよ、ここ? 国立公園のような扱いです。
構内を歩けば、いかにも賢そうな学生たちとすれ違います。北大の中を歩くたび、日本はまだしばらく安泰だなと思います。みんな揃って大志を抱いている。世界征服とか、石油王とか、馬主とか、おのおの壮大な夢を抱いている。クラーク博士の名言は、100年以上経った今もしっかり効いているわけです。
北大生は競争意識が薄いです。誰かを蹴落とそうなんてギラギラした空気感がなく、ジンギスカンを焼いてはスープカレーをすすり、海鮮丼に舌鼓を打ちながら穏やかに暮らしています。学問はごはんの合間にやるものなのです。私はこのゆるさがたまらなく好きでした。北大に居るとね、肩の力がスーっと抜けるんです。
もし生まれ変わりがあるならば、また北大に行きたいなと思います。次の人生があるなら、また工学部の門をくぐるでしょう。いや、次は水産学部もいいかもしれません。函館キャンパスで海を眺めながらイルカの研究をしてみたいです。
東北大学


研究レベルは国内屈指。素材系研究は世界トップレベルで、材料科学分野で東北大を知らない研究者はまずいません。
東北大生の食生活は、ずんだもちと牛タンで構成されているようです。朝はずんだもちでエネルギー補給。昼は牛タン定食でたんぱく質摂取。夜はずんだもちに松島の牡蠣を添えていただく。なかなか美味しそうですね。仙台の牛タンはレベルが違いますから。
東北大の青葉山キャンパスは、名前のとおり山の中にあります。自転車で通う学生もいれば、地下鉄で大学の地下まで乗り付ける学生もいます。いずれにせよ、構内は坂がハンパない。毎日あの坂を登っていたら、学位を取るころには足腰がアスリート並みに仕上がっているでしょう。研究で頭脳を鍛え、坂道で下半身を鍛える。東北大生は文武両道を突き進んでいます。
世間的には北大より格上だと扱われがちですが、北大生としては納得していません。していないのですが、研究業績を突きつけられると、やっぱりすごいなと認めざるを得ない。リスペクトしています。
筑波大学


悠仁殿下が通われているロイヤルスクールです。
キャンパスは緑が暴力的で、さすがの北大もやや見劣りするほど。林の中に大学があるのが北大なら、ジャングルの中に大学があるのが筑波大です。しかもキャンパス面積は北大より広く、ちょっと悔しいです。でもまぁ、筑波大には立地で勝っているので、総合的には北大の勝ちでしょう。圧勝。
唯一にして最大の弱点が立地です。筑波には何もない。大学と国研とラーメン屋とショッピングモールと田んぼと、また田んぼしかありません。学問に集中するには最高でしょうが、娯楽が必要な学生には物足らないかもしれません。ちなみに大学周りの二郎系ラーメンは本当に美味しいです。オススメは「俺の生きる道」。
もし、つくばエクスプレスが筑波大学まで延伸したら、志願者数は倍増するのではないでしょうか。あの研究環境に都心アクセスまで加わったら鬼に金棒です。国にはぜひ頑張ってもらいたい。
東京大学


北大に次ぐ日本屈指の総合大学です。赤門をくぐった先の本郷キャンパスには知の重みが漂っています。歩いているだけで背筋が伸びる。北大を歩いているときに伸びるのは背筋ではなくあくびなので、ここだけはまるで違います。やっぱり、偉大。
東大生はガリ勉集団だと思われがちですが、実際に会うとまるで違いますからね。頭がキレるのは当然として、人格的にも成熟しているし、なんならルックスまで整っている人がゴロゴロいる。才色兼備を地で行く人間の密度が異常です。
どうやら、天は人に二物も三物も与えたもうたようです。不公平にもほどがあるのではないでしょうか。東大生の皆さんには、せいぜい進振りで存分に苦しんでいただきたい。あるいは、インド哲学科に行って、世界の真理を見つけてきてもらいたい。南無南無、アーメン。
東京科学大学(サイエンストーキョー)
東工大と東京医科歯科大が合併して誕生した大学です。
てっきり東京医科歯科工科大学みたいな名前になるのだろうと思っていたら、まさかのサイエンストーキョー。誰ですか、この名前を考えたのは。めちゃめちゃファンタスティックじゃないですか。
名前はさておき、工学と医学の融合にはポテンシャルを感じます。ただ、大学の看板を掛け替えた瞬間に化学反応が起きるかどうかは分かりません。組織文化も異なれば、キャンパスも離れていますから。
数年後の研究成果を楽しみにしつつ、外野から静かに見守ります。名前には一生慣れない気がしますが。なんせ、サイエンストーキョーですからね。
一橋大学
もっと有名になってほしい大学No.1。
社会科学系の実力は国内トップクラスなのに、知名度では東大と早慶の陰に埋もれています。地味にもほどがありますよ。国立で静かに学問を極めている姿は格好いいのですが、実力があるのにアピールしないのは、美徳を通り越してもったいないです。
最近、ソーシャル・データサイエンス学部が新設されました。正直に言うと、どこかの新設私大みたいな響きで、一橋らしい品格がやや薄い。商学部や経済学部の重厚さと比べると、急にカタカナが増えて浮いて見えるのです。伝統校にはふさわしい重厚さを保ってほしい。とにかく頑張ってほしい大学です。
早稲田大学


チャラすぎ。第一、キャンパスがオシャレすぎます。ボロボロの研究棟で冬の寒さに震えながら実験していた身としては、羨ましいことこの上ありません。北大なんて、冬になると窓から雪が吹き込んでくるんですから。ラボの片隅に雪が積もるんですよ。思い切って雪だるまを作りましたよ。ボスに本気で怒られましたけれども。
ただ、早稲田の理工系キャンパスに通うかと聞かれたら、話は全く別でして。西早稲田のあれは大学ではなくオフィスビル群です。北大のキャンパスに慣れた身としては、窓の外に緑がないから落ち着きません。
研究面ではマンパワーが圧倒的。特に化学系は強く、私も共同研究でお世話になりました。国立大学が少数精鋭でじっくり攻めるところを、早稲田は人海戦術で一気に制圧してくる。あの突破力には脱帽です。ありがとうございます。
慶應義塾大学


早稲田よりさらにチャラい。もっと勉強した方がいい。
特に気になるのが、大学受験に合格した直後からNoteで勉強法を売り始める人たちです。合格の余韻に浸る暇もなくマネタイズに走る行動力は大したものですが、まだ大学の授業を一コマも受けていない段階で勉強法に値段をつけるのは、さすがに順番が逆ではないでしょうか。諭吉先生が泣いていますよ。
テニスサークルにも一言申し上げたい。慶應のテニサーはテニスコートで飲み会を開催し、ラケットケースにはビールが入っていると聞きます。ラケットケースはラケットを入れるためのケースです。ビールケースではありません。どうか、真面目にテニスをしていただけないでしょうか。
研究面では早稲田と同じくマンパワーで押すスタイルで、化学系は層が厚い。チャラいチャラいと散々言いましたが、やるときはやる大学です。このギャップがまた憎い。
東京理科大学
尊敬する大学No.1です。
理科大の留年率は1割にも及ぶといいます。大学に入った瞬間から勉強漬けになり、大学院に進めばさらに密度が上がる。受験を乗り越えたと思ったら、もっと過酷な勉強が待ち構えている。ラスボスを倒した直後に裏ボスが現れるRPGです。恐ろしいですよね。
つくづく思います。理科大の学生たちはいつ遊んでいるのでしょうか。息抜きの方法が微積分だったりしませんか。北大生がジンギスカンを焼いてのんびりしている間に、理科大生は演習問題を解いているのではないでしょうか。理科大の皆さん、札幌へジンギスカンをやりに来ませんか。大歓迎です。
企業の研究開発部門でも、理科大卒の方は基礎力が高く、堅実な仕事ぶりが際立っています。華やかさよりも実力で勝負するその姿には頭が下がります。かっこいい。
最後に
好き放題に語ってきましたが、こうして書いてみると改めて思います。やっぱり北大が一番です。これだけは譲れない。
北大への進学を迷っている方がいたら、迷わず来てください。後悔はさせません。ごはんも美味しいです。
西日本編では京大や阪大をはじめ、また好き放題に語ります。お楽しみに。





















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