博士課程の修了には何年かかる? 修了要件から標準年限・オーバードクターまで解説

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博士課程を修了するには

学士課程の修了には卒業単位と卒業論文が求められます。修士課程になると単位に加えて修士論文の提出や学会発表の実績も必要になってくるでしょう。

では、博士課程を修了するには、何が求められるのでしょうか。

まず、講義で単位を取る必要があります。北大の場合は8単位分の取得が義務づけられていました。研究の合間をぬって8単位分の講義を消化しなければならず、なかなか重たい負担です。近年はオンデマンド形式で受講できる講義も増えてきて、聴講時間や進行速度に縛られなくなり、ありがたい時代になりました。

次に、学術論文の出版が必要です。学術論文は卒業論文や修士論文とは別物で、国内外の学術雑誌に掲載される査読付きの論文を指します。専門家による内容精査を経て、アクセプトされたものだけが世に出る。私の所属専攻の場合、博士課程修了には最低二報の出版が求められていました。一報で済む専攻もあれば、三報以上を課すところもあるようです。

最後に、学位審査をパスしなければなりません。中間審査、予備審査、最終審査と段階を踏み、すべてクリアして初めて合格です。予備審査会では例外なくボコボコにされます。公開処刑です。博士号に値する人間かどうか、教授陣に容赦なく見定められるんですよ。最終審査に落ちたらゼロからやり直し。必要な数の学術論文をまた出版し直す地獄が待っています。

博士課程は何年で修了できる?

博士課程の修了年数について、3パターンに分けてお伝えします。

  • 標準修了年限は三年
  • 大量の業績があれば二年で早期修了可能
  • 業績を得られなければ三年以上

それぞれ詳しくお話ししていきましょう。

標準修了年限は三年

圧倒的多数の博士学生は三年で修了していきます。理由は人によって様々ですが、修了要件のクリアにちょうど三年かかるケースが最も多いでしょう。在学中に海外留学の時間を確保したい人もいますし、要件を満たしたけれど社会に出る前に少しゆっくりしたいから三年間フルに使う人もいます。

実際、博士課程を取り巻く制度そのものが三年前提で動いています。学振DC1やJSTフェローシップをはじめとする公的支援の援助期間は三年設定。民間企業や財団の奨学金もやはり三年設計です。

学振DC1のご褒美である研究奨励金特別手当(月3万円)は、最終年度のD3にならないと受け取れません。学会での就職リクルーティングさえ、D3修了後の就職を念頭に行われます。

このように、世の中全体が、博士課程修了に三年かかる前提で回っています。

大量の業績があれば二年で早期修了できる

私を含め、一部の学生は三年を待たずに早期修了します。いわゆる飛び級です。

早期修了のハードルが高く、修了要件を満たすのは当然として、倍近い論文出版歴が求められます。私の場合は五報を出版しました。指導教員から「五報書けば飛び級を認めるよ」と告げられまして。営業ノルマかと思いましたが、注文通り五報仕上げたことで早期修了が許可されたのです。

早期修了すれば、普通の修了者よりも早く社会に出られます。若いうちから企業や国立研究所でキャリアを積みたいなら、有力な選択肢になるでしょう。

私の場合、20代のうちに企業での実務経験を一年でも多く積むために早期修了を選びました。なるべく早く市場価値を高めて、チャレンジしたくなった時や会社が傾いた時にいつでも動けるようにしておこうと考えていたんです。研究テーマの将来性にも疑問を感じていて、あと一年同じ研究を続けるよりは会社で新しい仕事に取り組んだ方がよほど実のある時間を過ごせるんじゃないかと思いました。

もちろん、標準年限で修了するよりも研究はハードになります。就活の時期も一年前倒し。忙しい日々の中で判断を誤らず、適切に舵を切り続ける力が試されます。

業績が足りなければ三年以上かかる

一部の学生は、修了までに三年より長くかかります。いわゆるオーバードクターです。

オーバードクターに突入する要因は人それぞれ。病気で研究に手をつけられない期間があった方もいれば、実験を重ねても成果に結びつかなかった方もいます。指導教員の方針でハイグレードな雑誌にばかり投稿させられ、リジェクトが続いてしまうケースもある。博士号に値する力がまだ足りないと感じて、自ら在籍を延長する方もいるんですよ。ドMなんですかね。

学振や奨学金の支援は、三年できっちり途絶えます。四年目からは一切の援助がなくなり、貯金を取り崩しながらの学生生活に突入する。残高が減るたびに研究の持ち時間も削られていくわけで、お金が尽きたらその時点で終わりです。年次を重ねるほど精神的な負荷も大きくなりますし、心身を壊すリスクは決して低くありません。よほど強い意志がなければ、オーバードクターは乗り越えられないでしょう。

まとめ

博士課程を出るには、講義で単位を取り、学術論文を出版し、学位審査に合格しなければなりません。標準修了年限は三年。速ければ二年で早期修了も可能ですが、遅ければ三年を超えます。

修了する時期が人によって一年も二年もずれる課程は、やはり博士課程くらいのものです。

進学を考えている方は、慎重に判断してください。博士号がキャリアに必要な方や、どうしても博士課程へ進まなければならない理由がある方は、ぜひ検討してみてください。

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