【一日ルーティン】朝4時15分から始まる自己研鑽の朝の過ごし方

北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1として国からお給料を頂いています。

今回は、私の朝活ルーティンについてお話しします。以下のような方々にとって、特に参考になる内容です⇩

・研究室生活のイメージを具体的に掴みたい方
・充実した研究室生活のヒントを探している方

目次

夜明け前から始まる一日 ~4:15 起床~

北の大地で研究に励む者として、私の一日は多くの方が想像する以上に早くスタートします。夏は4時15分、冬は4時30分が起床時間なのです。夏季は既に顔を出している朝日が味方となり、スムーズな起床を後押ししてくれることも。調子が良い日などは3時30分頃に自然と目が覚めることさえあります。

しかし、本当の正念場は冬。日の出が6時台まで遅れ、カーテンを開けても一面の闇。時には降り積もる雪が太陽の光さえも遮ってしまいます。こんな厳しい環境下での早起きこそが、北大生としての真価を問われる瞬間といえるでしょう。4時30分の起床を実践できてこそ、その威厳を保てるというわけです。

起床後、真っ先に取り掛かるのが布団干し。床に布団を敷いて寝る生活スタイルのため、布団を畳まないと部屋の中での動きさえ制限されてしまいます。天候が余程悪くない限り、18時頃の帰宅時まで外気と太陽の光にさらすことにしているのです。

太陽の光を存分に浴びた布団で眠る心地よさは、言葉では言い表せないほど。干した日と干さなかった日では、布団から漂う香りさえも全く異なってきます。実は、B4までベッドのある下宿で生活していた頃は、布団干しどころか布団カバーの洗濯さえも半年に一度程度。その結果でしょうか、毎年夏になると胸や背中に蕁麻疹が出現していたのです。ところが、M1で引っ越し布団干しを始めてからは、蕁麻疹に悩まされることがなくなりました。この経験から、布団干しの重要性を痛感。現在では布団カバーも月に一度のペースでしっかりと洗濯するように心がけています。

心と頭を目覚めさせる ~4:20-4:50 音読タイム~

布団干しに要する時間はおよそ5分。その後すぐに勉強机に向かい、30分間の音読タイムが始まります。この習慣を本格的に取り入れたのは、M2の後期からのこと。きっかけは、2ヶ月に及ぶつくばでの出張期間中の経験でした。人との会話が極端に減った環境で精神的な不調を感じ始め、何でもいいから声を出したい一心で音読を試してみたのです。

その効果は絶大でした。たった30分の音読で、精神衛生が驚くほど改善したのです。人間には本能的に「誰かと話したい欲求」が備わっているのでしょう。本の著者との文章を通じた対話が、その欲求を満たしてくれたように思います。つくばでの2ヶ月を乗り越えられたのも、この音読のおかげだったかもしれません。

読むのは主に古典的作品。日本文学や偉人のエッセイに親しみ、心を潤しています。特に愛読しているのは、数学者・岡潔の『春宵十話』。科学に対する私の想いが、ほぼそのまま綴られているような共感を覚えるのです。また、黙読では読み通すのが難しそうな本も、まずは音読で挑戦しています。例えば、中勘助の『銀の匙』。一度は黙読で挫折したものの、音読で文章のリズムの素晴らしさに気づき、その後黙読でも完読できたという経験があります。

音読習慣がもたらす効果は、日常生活の様々な場面で実感できます。古典的で品格のある文章を毎日音読することで、ブログ執筆や普段の会話で使う語彙が自然と洗練されていくのです。さらに、研究発表での質疑応答においても、以前より遥かに流暢に自分の考えを述べられるようになりました。

かめ

質疑応答で上手く言葉が出てこない人に『音読』をオススメしたいです。音読で脳の言語野を刺激すれば言葉を紡ぎ出す速度が格段に上がります👍

思考力を研ぎ澄ます ~4:50-5:30 ナンプレ&資格学習~

音読で頭が覚醒してきたところで、今度は脳の「キレ」を磨いていきます。思考回路、直観力、そして認知能力全般の向上を図るため、ナンプレ(数独)に取り組むのです。超難問を全力で解き進めていく過程で、脳が驚くほど活性化されていきます。

このナンプレ、実は北大入学時のB1から今日に至るまで、一日も欠かさず続けています。帰省中も、旅行中も、はたまた恋人との宿泊デート翌朝でさえ、欠かさず取り組んできました。6年以上の継続の結果、盤面の一部しか見ていなくても全体を鳥瞰できる力が身についてきました。ナンプレは部分的な視点だけでは解けないパズル。全体を見通す力が養われたことで、途切れることなく次々と数字を埋められるようになったのです。

これは、一流のサッカー選手が持つという視野の広さにも通じるものがあります。グラウンド上で全体を見渡せるからこそ、絶妙なキラーパスやスムーズなビルドアップが可能になる。そんな感覚に近いものを、ナンプレを通じて体験できているのかもしれません。以前は詰将棋にも挑戦していました。ナンプレの方が遥かに魅力的で、今では生活に欠かせない存在となっています。

ナンプレの後は、資格勉強の時間です。M2の3月までは「日商簿記2級」に、D1の9月までは「国内旅行業務取扱管理者試験」、その翌年は「総合旅行業務取扱管理者試験」と、着実にステップアップを重ねてきました。現在は英検一級合格に向けて勉学に励んでいるところです。

一般的に暗記学習は夜間が適していると言われます。ただ、頭が冴えわたる早朝も意外と効率が良いものです。この資格勉強は、研究室生活における重要な気分転換として位置づけています。研究室では徹底的な思考を要求される一方、家では機械的な暗記学習に没頭することで、絶妙なメリハリが生まれているのです。正直、研究よりも資格勉強の方に熱中できます。私はもしかしたら”研究”よりも”勉強”が好きなのかもしれません。

心身を解放する至福の時間 ~6:00-7:30 早朝ランニング~

私の日課を語る上で、欠かすことのできないのがランニング。北大入学後、部活やサークルに入れなかった寂しさから、パジャマ姿で外を走り始めたのがこの習慣の始まり。走り出すと呼吸が荒くなり、心拍が上がり、全身から大粒の汗が噴き出してきます。その苦しさと辛さの中にありながら、確かな生命の躍動を感じられる。この何とも言えない充実感に魅了され続けているのです。B1の5月から走り始めて、今やラン歴8年目。運動部での経験が皆無だった私が、いつしかマラソンを2時間42分で、100kmを9時間1分で走破できるまでに成長しました。

早朝の静寂の中、愛するランニングにじっくりと時間を費やします。平日は最長2時間程度、週末ともなれば3時間連続で走ることも。走行中は基本的に無心。ただひたすらに足を前に運び続けます。すると時として、研究に関する素晴らしいアイディアが突如降ってくるのです。そんな予感のする日は、メモ用紙を忍ばせて走り出します。

私がこれほど長くランニングを続けられているのは、その単純さゆえかもしれません。複雑なルールや制約がなく、ただ前に進むだけ。この純粋な営みだからこそ、6年以上も継続できているのでしょう。サッカーや野球など、ルールの多いスポーツであればおそらく1年も続かなかったはず。観戦は楽しめても、実践となると、ルールという制約に窮屈さを感じてしまいそうです。

朝日を浴びて真っ黒に日焼けした体で「あ~、スッキリした!」と帰宅。服を脱いで体重計に乗り、記録をつけてから、風呂場で汗を流します。ちなみに体重は57~59kg(身長175cm)を維持。オフシーズンは60kg前後まで増えますが、本格的な走り込みで体が絞れてくると57kgほどまで落ちてきます。

心地よい疲労感に浸る朝の締めくくり ~7:30-9:00~

ランニング後のシャワーは、何物にも代え難い爽快感をもたらしてくれます。火照った体に冷水をバシャッとかぶり、思わず「ウヒョー!」と叫びたくなる。これが毎朝のランニングルーティーンの締めくくり。冷水シャワーは、おそらく体に良くないでしょう。血管の急激な収縮は、いつか心臓に負担をかけるかもしれません。でも構いません。元々普通ではない私のこと、心臓まで変調をきたしても特に問題がありません。

水を拭い、浴室から出ると、扇風機の前でクールダウン。まだポカポカと温かい体を、30分ほど上半身裸で過ごしながら冷まします。この間、ストレッチや筋膜リリースで体のケアも忘れません。ランニングでのケガを防ぐには、練習後のケアが不可欠なのです。

9時までの残り時間は、体を冷やしながら再び勉強に励みます。資格の学習や読書が中心です。午前中にゼミがある日は手短に資格勉強を済ませ、比較的時間に余裕のある日は古典を読んで教養を深めています。今の私は、おそらく大学受験生時代と同じくらい、いや、それ以上に熱心に勉強に取り組んでいるかもしれません。自ら選んで始めた学びだからこそ、高いモチベーションを保てているのでしょう。

最後に

以上が、化学系研究室に所属する一博士課程大学院生の朝の過ごし方です。次回は、研究室での一日の様子についてお話ししたいと思います。どうぞお楽しみに。

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