指導教員の執筆論文を全部読んだらどうなったか?得られた3つの収穫について解説します

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。研究室配属当初から今日まで毎日、論文を最低一報以上読み続けてきました[関連記事]。日々の論文読みの一環として、指導教員が過去に出した論文を全て読み切りました。この記事では指導教員の執筆論文を全部読んだらどうなったか?について書いていきたいと思います。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

指導教員の保有スキルをおおよそ把握することができた

指導教員の論文を全部読み、指導教員の有するテクニックや知識を大体把握できました。”この人が何の専門家なのか”がおおよそ分かったということです。研究室に入るまでは何となく (凄そうな人だなぁ…)としか思えなかった。しかし論文を全作読んでみて、”○○と△△について無茶苦茶詳しいんだな”と具体的に理解しました。いくら大学教員とはいえ万物に精通している訳じゃない。実験設計は得意だが理論計算は分からん…という人もいるし、電気化学は分かるけど有機化学や量子化学は門外漢だ…という場合だってある。偉大なるびっぐぼす・指導教員の脳内を垣間見られたのがまず第一の収穫です。先生の正体を知ることで (何についてなら頼れるのだろうか?)と判断する材料を得られました

指導教員と全く同じ研究をしていては論文として出版できない。かといって指導教員が守備範囲外の研究を立ち上げるケースも教員に頼れず一人で苦しむ。博士課程ではこの両者の間の絶妙なラインを攻めて研究に新規性を持たせなくてはならない。後者 (新規研究立ち上げ) 側へ攻めれば攻めるほど真新しい研究となる一方、少しでも攻め間違えるとドツボにハマって時間と体力が空費されます。”どこまで攻められそうか”と慎重に見極める際、教員の守備範囲について詳細に知っておくのが肝要。論文を全部読めば”攻め度合い”の判断を誤らない程度にまで教員のスキルを理解できます。

指導教員の人間性をより深く知ることができた

指導教員の著作を全て読むのは教員自身を知るに等しい。論文には筆者の生き様がまざまざと写し出されるから先生の人間性を知るのと同じ。

論文を書くのはもの凄くハード。脳が「もう勘弁してくれよ」と弱音を漏らすほど考えに考えてまた考える。あまりに考えすぎて論文の悪夢にうなされる時も。そんな極限状態で作った論文には人間性が否応なく投影される。論文を読めばその人の”人となり”が何となく分かってしまいます。考察然り、図表然り、そのデザインもまた然り…注意深く観察すれば目の前に著者の像がフワフワっと浮かび上ががってくる。几帳面な性格の研究者は論文の組立ても緻密です。その一方、私のような少々大雑把な人間の論文ですと、一つか二つ欠けているピースがあってどこか物足らなく感じられます (自戒を込めて)。我が指導教員の論文は丁寧。図表は直感的な理解が可能なデザイン。実物 (といっては失礼ですが笑)も研究に関しては超誠実ですね。ただ胡散臭い宇宙人の話を突然することがあり、折角の良い印象が台無しになってしまいます…苦笑

(センセってやっぱ凄いなぁ…)とリスペクトの感情が湧いてきた

ウチの先生は博士課程時代から今日に至るまで論文を書き続けています。様々な組織を転々としつつもハイペースで論文を出している。私の場合、拠点を一か所に固定しなくちゃ落ち着いて作業できません。周囲との人間関係や気候など、様々な要素へ適用するのに大きな労力を要するからです。一番厄介だと思うのは、拠点を変えると自分がこれまで使用してきた実験装置を使えなくなってしまう点。測定機器は大掛かりで簡単に外へ持ち出せないから、新天地へ行く際、これまで使っていた装置と別れを告げ、新しいand/or 別種類の装置の使い方を都度ゼロから覚えねばならぬのです。先生の論文を読んでいると、研究をゼロから立ち上げた生々しい痕跡が様々な論文にて見受けられる。前述の通り、ゼロからの立ち上げって本当に難しくて大変なので、吐きそうになる険しい修羅場を何度も潜り抜けてきたことになります。活躍の場所は国内だけにとどまりません。母国語の通じない欧州の地でも研究員として論文を出されている。そう思えば (センセってすごいなぁ…)とリスペクトの感情が湧き上がってくるんですよね。自分に果たして同じことが出来るだろうか?いや、今のままでは厳しいと思う。博士課程の残り1年半、指導教員のすごい所を見習い目一杯吸収したい。いつ追い付けるか皆目見当はつきませんが、センセが死ぬまでにセンセを追い越し「でかした」と褒めて貰いたいです (*≧∀≦*)。

最後に

指導教員の執筆論文を全部読んで得られた成果は以上になります。まとめると、

  1. 指導教員の保有スキルをおおよそ把握することができた
  2. 指導教員の人間性をより深く知る事ができた
  3. (センセってやっぱ凄いなぁ…)とリスペクトの感情が湧いてきた

このような形になります。

指導教員の論文は研究室見学や先行研究調査の際にチラッと読むかもしれません。私のようにガッツリ読んでみればひと味違う世界が見えてきます👍

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

カテゴリー

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次