夏季休暇中15コマ連続の集中講義を受けてきた感想|胸がときめきっぱなしな3日間

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1として国からお給料を頂いています。私の属する大学院では博士課程在籍中に8単位取らねばなりません。 (博士課程にも入ってまだ授業を受けなきゃいけないのか…)と思いつつ、修了要件を満たすために渋々講義を受けている次第。

この記事では、夏季休暇中に3日間・15コマ連続で集中講義を受けた感想を記します。私と同様、(授業受けたくねぇよ…)と全くモチベーションが上がらぬ方にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

今回受講したのは『ナノテクノロジー』系の集中講義。15コマそれぞれで別の講師 (大学教員)が話して下さるオムニバス形式で行われました。

目次

(研究者ってカッコいいな…)と改めて感じた

集中講義を受け始める前はモチベーションが低かった。そりゃそうです、貴重な夏季休暇の時間を費やしてまでどうして教室へ缶詰にされなきゃならぬのか。やる気ゼロを軽々乗り越え憤りすら覚えていた。(一コマ目の講義が面白くなかったら家に帰ってやろう)とさえ思っていたほど。

しかし、いざ一コマ目が始まると、講師の話にグイグイと引き込まれる自分がいるのに気が付きました。 (アレっ、思っていたのと違う。なんかオモろいんやけど) とすっかり前のめりになっちゃった。オムニバス形式の講義とあって、各講師が自分の専門の話を持ち寄って聞かせて下さるのです。専門と言えば情熱の源。講師自身も大好きな話だから喜々として楽しく語ってくれる。楽しそうな人の話は聞いている側も楽しいんです。(この人、この分野のことホンマ好きなんやろなぁ…^ ^) とコチラまで笑顔にさせて貰った。大学・大学院の6年間を通じ、内職せずに90分×15コマを過ごせた講義は今の指導教員の講義ぐらい。今回の集中講義はあまりに面白くて (内職するのは勿体ないな) と自然に思えた。

講師の皆さんの面白い話の裏側には壮絶な努力が潜んでいます。難しい概念を分かりやすく伝えるにはその概念に精通していなければならないし、勉学に捧げた時間を思えば想像に絶するものがある。博士課程へ居る今だからこそ研究者の凄さが良く分かる。論文執筆、予算獲得、その他様々な業務を抱え、なおかつ好きな研究をやり続けるのはとても人間業とは思えません。講義で話を聞かせて下さった講師がみなキラキラ輝いて見えました。カッコいい。素敵。本当に本当に魅力的でした。それと同時に、『こんな人みたいに自分もなりたい』と強く願う自分もいました。自分の好きな研究テーマを人へ面白く伝えられる人になりたい。もしかしたらいくら努力しても届かぬ峰かもしれません。それでもいい。せめて今よりもっと努力を重ねて一歩でも研究者に近づきたいです。

内容は何を言っているかほとんどよく分からなかったが、、、

正直言って講師の話す内容の30%さえ理解できませんでした。チョットどころじゃない、ほとんど何を言っているか分からなかった。最先端のお話は分野が変われば途端について行けなくなる。化学系の講師の話は”ウンウン”と頷いて聞けたけれども、物理系・生物系の方の話は口をポカーンと開けて前を見るのみ。

このように、内容自体はサッパリでした。いくら「面白い」と申し上げても分からぬものは分からない。ただ、分からないなりに聞いていると、自分の理解できる守備範囲内の話が節々で飛び出してきたのです。私の専門・電気化学の内容が出てきたときは (うわぁ、分かったぞ…)と鳥肌が走る。”電気化学”とは物理化学分野の一つ。化学反応に寄与する”電子”にフォーカスして世の中を見つめる学問になります。つながる世界は幅広い。自然科学のほぼ全学問分野と関わりがあるのではないでしょうか?[関連記事] 私が詳しいのは電気化学の中でも『物質移動論』というイチ領域。色付きのインクを真水へ滴下したら徐々に拡がっていく (拡散) ように、分子や化合物など物質が別の場所へ移動する現象にフォーカスを当てます。果たして『物質移動論』が別分野と如何なる繋がりを持つのか?私も集中講義を受ける前はイマイチピンと来ていなかったものの、

  • 物理系:熱伝導、半導体製造など
  • 生物系:光合成、細胞内外でのイオンの授受など

他にも様々な分野と『物質移動論』との繋がりを理解できたのです。

ココで私、閃きます。

かめ

自分の専門をもっと極めればこの人たちと共同研究できるんじゃないか?

と。自分の専門が数多の領域に関与する普遍的なモノだと分かった今、さらに研究して自身の武器とすれば他領域とのコラボレーションが可能ではないか?ゼロから物理や生物の難しい勉強を積み上げていくのは難しい。ゴチャゴチャよく分からない物理の数式を見たら吐き気がしてしまうし、まるで辞書のような生物の教科書を暗記して使いこなすほどの記憶力はない。しかし、何でもかんでも自分の力で解決しなくても構わない。分からない箇所は他の専門家の力を借りれば一挙に解決。他の研究者とコラボするには自分の強みを磨かねばならない。日本一、いや世界一レベルになって初めてコラボしてもらえる人材になれる。他領域と一緒に仕事をすれば今までにないものが確実に生まれる。そうして誕生した研究の成果物が世の中をより良くしていくんです。

3日間で21.5時間座り続けて下半身が痛くてたまらない

濃密な集中講義のおかげで楽しい3日間を過ごせました。あれほど心躍る講義を受けられ幸せだったと思います。もしこれから先、私の研究者人生が開けるならば、今回受けた集中講義に端を発することでしょう。本当に刺激的で面白い、成果のありまくりな3日間でした。

集中講義の代償として、お尻がとんでもなく痛くなりました。3日間で90分×15コマ・計21.5時間座り続けたから当然ですね。あまりにお尻が痛くて2日目からフカフカのクッションを持参しました。ソレを敷いて講義に臨むも痛みは微塵も緩和されない。血流が悪くなったせいか、まで痛くなり始めました。3日目の夜にはふくらはぎが痙攣し、あまりの痛さに深夜1時半にビクっ!と体を震わせたほど。高校生までは毎日フルコマでも体は大丈夫だったのですが、、、D1にもなると老化しますね。長時間にわたる講義は体によろしくないようです。あと、3日間、ずっと人の話を聞き続けてインプットを行い、(早くアウトプットしたい!!)と言葉を体外へ吐き出したい猛烈な衝動に駆られています。この記事もその勢いで書き上げました。まだまだ書き足りませんのでこれからドンドン記事を作ります。

最後に

夏季休暇中に3日間・15コマ連続で集中講義を受けた感想は以上です。授業嫌いの私でさえも本講義を受け本当に良かったと思っています。

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