英語論文を週に一報、2年間音読し続けたらどうなったか

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。研究室配属以来、論文を毎日最低一報、3年間読み続ける生活を続けてきました[関連記事]。論文を黙って読むだけでなく、声に出して口で読むのも継続的にやってきました。この記事では、英語論文を週に一報、2年間音読し続けた成果について記していこうと思います。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

英文を読む速度が尋常じゃないほどアップした

まず英文を読むのがとてつもなく速くなりました。2年前 (修士進学時)と比較して体感的に1.5倍速ぐらいにまで上がったのではないでしょうか?M1の段階で英文を和訳せずとも意味を把握できる状態でした (当方、英検準一級ホルダーです)。わざわざ返し読みする必要は無く、分速150~180単語のペースで英文から必要な情報を抽出できた。けれども、ゴリゴリ音読をし続けたら日本語と同様、流し読みするだけで意味がスーッと入ってくるように!いち単語ずつ区切って視野に入れるのではなく、文節、さらには文章単位で視野へ入れ、英語のニュアンスをコンマ数秒で感じ取れるようになったのです。文章読解のスピードに強弱をつけられるようにもなりましたね。左程重要ではない些末な情報はサラっとテキトーに読み、ディスコースマーカーの後など重要なポイントは集中力を高めてじっくり読み込む。音読のおかげで英語が自身にとって『外国語』ではなくなりました。さすがに日本語と同程度に使いこなすことはまだ出来ないけれども、文章を読むのに関してはほぼほぼ日本語と同じレベルでこなせます。

国際学会で海外の学者と英語で話し合えるようになった

英文音読の成果はスピーキングにも顕れました。国際会議で海外の研究者と英語で会話できたのです。

M1の9月に語圏の国際学会にてオンラインポスター発表を行いました。使用言語はもちろん英語。今まで人と1分以上英語で話した経験がありませんでしたから、参加する前は (ホンマに大丈夫やろうか…)と胸が不安でいっぱいでした。リスニングについてはある程度自信があった。普段からYouTubeでFOXやBBCなど英語圏のニュースを聞いていたから、余程なまった英語以外ならば聴き取られると確信していた。しかし、聴き取れても返答できなきゃコミュニケーションになりません。出川Englishでも何でも良いから言葉を返す必要がある。

ポスター発表はZoomでの実施。2時間のポスターセッションのうち最初の1時間半は誰も自分のブレイクアウトルームへ来ませんでしたが、残り30分を切った所で一人のアジア系研究者さん (“Aさん”とします)が私の部屋を訪れました。Aさん、ノリノリで「研究内容を教えてよ♪」と英語で捲し立ててきます。「OK, OK. I will explain it!!」と冷や汗に溺れながらお答えし、そこからは事前に用意していた英語のカンペを10分ぐらい淡々と音読しました。その後、Aさんから質問を投げかけられました。研究の核心を突いたクリティカルな質問だった記憶があります。緊張のあまり5秒ほどフリーズ。(やべぇ、言葉が出てこないじゃん…)と一時は固まりかけてしまいました。しかし次に口を開いた瞬間、自分の口が勝手に英語をペラペラ話し始めたのです!いやもうビックリしたのなんのって。まるで自分の口じゃないみたいでした。気が付いたらセッション終了時刻までAさんと楽しく談笑し、自身初の国際学会は無事に閉幕したのであります。

英文を大量に音読すれば英語のスピーキングに必要な回路が脳内に少しずつ構築されます。音読すればするほど回路の円滑性が高まり、脳内で英文を作ったり相手へ応答したりする速度が徐々に上がって来るのです。英語論文音読と同時並行で進めた【瞬間英作文】トレーニングもかなり効果的だったでしょう。私のような海外経験のない純ジャパでも英語を話せるようになりますから、英語論文の音読は是非やって貰いたいなと思います。

英語論文執筆時に英語の専門用語を的確に扱えるようになった

英語論文を音読すると英語論文を書きやすくなりました。日本語原稿を英語へ翻訳する際、”その文脈で使うべき”専門用語を的確に扱えるようになったのです。私の場合、英語翻訳時にDeepLへベッタリ頼っている状態。日本語を放り込めばそれなりに正確な英文を作ってくれるから論文執筆には欠かせない相棒であります。ただDeepLも専門用語を100%自在には扱えない。論文内で用いるには相応しくない語彙でもって日本語を英語化する場合があります。そうした英文を修正するとき、音読で培った語彙力が火を噴くわけです。DeepLの文章に変な箇所があれば声に出して読んだ瞬間に (あっ、なんか変だな)と分かりますし、修正案も感覚的にパッといくつか出てきます。質の高い研究をするチームは研究論文の英語の質もかなり高め。良質な英語教材を音読すれば英作文にも役立つのです。

【盲点】喉や呼吸器が強くなり、ゼミ発表で喉が枯れなくなった

2年間英語論文を音読し続けると喉がめちゃくちゃ強くなりました。20~30分程度連続で発声しても喉がガラガラにならなくなった。さらには呼吸器まで鍛えられた。息を大きく吸い込む際には肺活量が強化され、限られた吸気量で声を絞り出す訓練をして最大酸素摂取量 (VO2 max)が増したのです。そのおかげで雑誌会や中間報告会などゼミ発表で喉が全く枯れなくなった。B4の頃は雑誌会の終盤で文字通り息絶え絶えになっていたものの、M2の後期には余裕でゼミを乗り越え喉のダメージもほぼほぼゼロ👍 私は幼稚園に入るまで気管支炎を患っていました。もともと呼吸器全般が弱めの体質だったのですが、英語の音読により体質を無理やり変えられたような気がします。

最後に

英語論文を週に一報、2年間音読し続けた成果はコレで以上となります。音読が厳しいという方はせめて週に一報でも論文を黙読するのが宜しいかと。

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