【博士就活】通年採用のメリットとデメリット

こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。地元の某・大企業に内定し、来年度の4月から働くことになりました。就活を始めたのがD1の1/12。それからおよそ1か月間で内定を掴むに至った形。

博士修了見込みの人間は学士・修士卒とは採用形態が異なります。いつでも企業へ応募して面接に臨み、内定を得る権利があるのです。いわゆる【通年採用】というもの。修了時期が流動的な博士課程の形態に合わせて採用形式も流動的に。学士・修士が通年採用を利用して大企業へ行くには、現状、外資系企業への応募一択。それに対し、博士卒は外資/内資関係なく、いつでも何処へでも応募が可能。

このように書けば”通年採用って良いことばかりじゃん♪”と思ってしまいますよね。この記事では「本当に良いことばかりですか?」と疑義を呈すため、通年採用のメリットとデメリットをそれぞれ3つずつ書いていきます。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

通年採用のメリット

通年採用のメリットは以下の3つ⇩

  1. 就活スケジュールを自分に都合良く組立てられる
  2. 就活を少し早めに始めれば、仮に不採用となっても後で余裕で巻き返せる
  3. 内定先が早く決まれば、残りの時間、学生生活を思う存分満喫できる

以下で一つずつ解説します。

就活スケジュールを自分に都合良く組立てられる

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通年採用の良い点と言えば、やはり就活スケジュールを自分でほぼ全て決められる所。いつから始めていつ頃終えるか、政府や経団連の定めたルール通りに動かずとも構わないのです。3/1に号砲が鳴らされる就活生同士のかけっこを見、(どうして全員で同じ時期からスタートしなければならないのだろう…)と疑問を感じている方にピッタリ。別に9/1スタートでもOKだし、節分からでもゴールデンウィークからでも内定に向けて動き始められるのです。”大学卒業一年前から就活”という括りに縛られる必要さえない。卒業二年前に始めても良いのだし、卒業直前に次々年度入社へ向けて就活し始めても構いません。

博士課程の学生の場合、卒業が必ずしも『D3・3月』になるとは限らないでしょう。9月卒業や5月卒業など、人によって卒業時期はバラバラになってしまいがち。私のケースだと、博士修了を一年繰り上げて二年で早期修了しようとしています。D2・3月の修了なわけです。コレでは従来型の就活スケジュールで内定をもぎ取るのは難しい。その点、通年採用を利用できれば、卒業できそうな時期に合わせて就活を行い、内定を得られます就活開始時期に卒業するタイミングを合わせるのでなく、卒業するタイミングに就活開始時期を合わせられるのです。こんなに便利なことはありません。私も通年採用を有難く利用させていただき、自分の卒業時期に合わせて企業へ入社できるようになりました^ ^

就活を少し早めに始めれば、仮に不採用となっても後で余裕で巻き返せる

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私は偶然、博士就活を一社応募&一社内定の勝率100%で終えられました。しかし、世の中の人間が必ずしも勝率100%で終えられるとは限りません。中には面接を何度受けても不採用になってしまう不運な方が。面接ってコツがあるんです。ちょっとしたコツを掴むまでに面接で何度もやらかしてしまうおそれがあります。3/1から就活を始める場合、失敗に失敗を上塗りしていくうちにあっという間に時間切れに。内定を一つももぎ取れぬまま”無い”内定で翌年度を迎える悲しい結末が…

就活が通年採用に切り替わった場合、採用面接へ3/1以前から挑めるように変わります。面接が苦手な方や内定を取れるか心配な方は、少し早め(卒業前年度の9~12月)から求人に応募し始めると卒業までに十分な時間が取れるはず。仮に就活初期に失敗して何度か不採用を食らってしまったとしても、まだまだ時間が残されているから後で十分巻き返せます。そうした心の余裕とゆとりが面接での緊張を解き、内定へと繋がるのです。面接経験を重ねるにつれて喋るのが徐々に上手くなり、面接官との意思疎通がどんどん円滑になるでしょう。内定は最早、時間の問題。最後は運に身を任せ、己の将来が定まるのをじっくりと待ちましょう。

内定先が早く決まれば、残りの時間、学生生活を思う存分満喫できる

早期から就活を始めて早期に就活を終えられた幸運な方は、残りの時間、学生生活を思う存分満喫できます。研究や遊び、旅行に恋愛など、極めて自由に時間を使って青春の思い出を築けるのです。死ななければ、かつ法に触れさえしなければOK。どうせなら勉強したら良いじゃないかと思うけれども、当然それは各人の自由。お好きになさって下さい。私は最後の一年間、大学に悔いが残らないよう研究活動へフルコミットしてみます。趣味のランニングも本格化させたいですね。本も読みたい。本を書いてもみたい。やってみたいことが多すぎて時間が足りません。

通年採用のデメリット

通年採用のデメリットは以下の3つ⇩

  1. 自分より格上相手との椅子取り合戦になる
  2. 就活に関する情報を自分ひとりで集める必要がある
  3. 誰からも就活開始圧力を掛けてもらえない

以下で一つずつ解説します。

自分より格上の相手との競争になる

通年採用で企業が求めているのは新卒ではありません、『即戦力』です。入社後、1~2か月程度の研修を経たら直ちに現場に出て活躍できる人材。会社が我々を全くのゼロから鍛え上げてくれる訳じゃない。通年採用とは「年中門戸を開放しておくから、”能力のある人”はどんどん応募してきてよ♪」という会社からのメッセージ。会社が求める能力を有さぬ人はお呼びじゃありません。他所で働くか、能力が身に着くまでどこかの教育機関で修業してからまたお越し下さい。

応募してくる人材は我々と同じ学生だけとは限りません。企業で何年か務めていた人、博士号を取ってから海外で研究員をし、帰国後の就職先に企業を選んだ人など、です。企業の内定を得るためには、様々な属性を持つ方との争いに打ち勝たねばなりません。それは大変熾烈な競争。血で血を洗う戦争になるでしょう。学振DC1採用を巡る争いどころの厳しさではありません。魑魅魍魎がうごめく倍率二桁、時に三桁の選考を突破する覚悟が求められるのが通年採用。

かめ

通年採用って実は、学部生は学部生だけ、修士は修士だけで競争している今のシステムがぬるま湯に思えるほど苛烈なんです。インフルエンサーがサラっと言っている「就活時期なんて自由化したらいいじゃん」というのは、弱者の就職先を根こそぎ奪ってしまいかねない大変厳しいご意見なのです…

就活に関する情報を自分ひとりで集める必要がある

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通年採用はスケジュールが流動的なため、就活を開始する時期も当然、十人十色の様相を呈します。講義中、自分の周囲に座る人全員の就活スケジュールがバラバラな可能性も。周囲との情報交換が難しくなるでしょう。知り合いに就活に関する話を聞こうと思っても、「オレ?就活は半年後から始めるけど…」となかなか情報を集められません。したがって、就活にまつわる情報を自分ひとりで集めなければならなくなります。業界研究や自己分析法、面接のテクニックや適性試験の攻略法を一人で頑張って編み出さねばなりません。せめて同時期に就活を始める仲間さえ作れたら良いのですが、人それぞれバラバラに動くのでそれもちょっと難しいかもしれません。

このように、通年採用が当たり前になると、就活の負担が今以上に増加する懸念があります。大学側から「就活システムを元に戻してくれ!!!」と悲鳴が上がってきそうな予感が…

誰からも就活開始圧力を掛けてもらえない

”3/1から採用活動スタート”って実は結構良いルールなのかもしれません。いくらやる気のない人間でも「もう3月か。そろそろ始めないとな…」と就活に取り組む契機になりますから。日本が通年採用に変わった場合、世間からの就活生に対する”就活開始圧力”が消滅します。やる気のない人は「いつ始めてもOKなんでしょ?」と就活を後回しにし、結局いつまでも始めません。各々の自主性・自立心が今よりも一層求められることになりそう。何をするにも自己責任。ますます厳しい世の中になっていきますね。

最後に

通年採用のメリットとデメリットをそれぞれ記していきました。個人的には通年採用に賛成です。

  • 博士早期修了のため、今までの枠組みにとらわれない就活をせねばならなかったから
  • 博士課程で『電池材料研究』を専門分野にし、通年採用で戦う魑魅魍魎に負けぬほどの競争力を得られたから
  • 自分に就活をさせられるだけのある程度強い自主性があるから

この3つが主な理由になります。

ただ、世の中には従来型のルールの方が都合が良い方も多いのではないかなぁ、と。全企業一律で通年採用にガラッと切り替えるのは反対。あくまでも部分的な適用が理想。通年採用”も”やっています、ぐらいのスタンスだと就活生全員が幸せになれるのではないでしょうか?

かめ

以下の動画もオススメです。このチャンネルを一年間見続ければ、就活に関する基本知識を抜け漏れなく全て揃えられます♪

Fラン大学就職チャンネル

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