研究室生活春夏秋冬vol.58 D2・12月|誕生日を絶景で祝う。株価と学位審査会での気分乱高下にメリークルシミマス

目次

中山美穂さんがお亡くなりになった

歌手で女優の中山美穂さんがお亡くなりになった。54歳。自分の母親よりも若い。前日までは元気だったとのこと。コンサート開演予定もあったらしい。本当に突然の絶命だった。大変痛ましい出来事である。お悔やみを申し上げたい。

中山美穂さんといえば、「世界中の誰よりきっと」。緩やかなテンポのこのラブソングにはことあるごとに癒されてきた。

学部四年次での失恋ショックはこの歌を聴いて克服した。優しすぎる歌声に救いを求めて来る日も来る日も聴き続けた。以降、恋人の出来そうな予兆すらない。M2からD1にかけてマッチングアプリをやってみたものの、誰一人マッチングせずに本気で絶望した。今後の人生は、過去の甘い記憶を反芻して耐え凌ぐしかないのだろう。残りの人生があと何年か知らないけれども、異性とのラブロマンスなど期待したって仕方がないだろう。自分にとって「世界中の誰よりきっと」は、高校・大学時代の恋愛記憶を美化する助触媒。年月とともに加速する過去の再装飾を助太刀し、余生を虚しく生きる中で唯一の慰めである過去を煌びやかに飾ってくれた。

D1後期のイギリス留学中にも中山美穂さんの歌を毎日聴いていた。研究をしに行ったにもかかわらず、研究設備が壊滅的だったオックスフォード大学。一人の友達もできずに帰国した。やるせなさと悲しさと悔しさとで頭が混乱して喀血までした。節約してせっせとお金を貯め、英語の勉強を継続してきた準備期間を強く踏みにじられた。頑張った挙句にこのような仕打ちを受けるのなら、いっそ、何も頑張らない方が良かったのではないか。イギリスで自暴自棄になりそうだった自分を中山さんの歌声が支えてくれた。海外就職の夢は砕け散った。「世界中の誰よりきっと」は、情熱を注ぎ込むだけの価値のある夢をまた探してみようという気にさせてくれた。

「世界中の誰よりきっと」のおかげで博士課程早期修了目前までたどり着けた。この歌には感謝してもしきれない。中山さんには、せめて私が博士修了するまでは生きていてもらいたかった。この歌はこれからもずっと大切に聴き続けていく。季節を越え、いつでも、いつまでも忘れないよう何度だって再生したい。中山美穂さん。素晴らしい歌を遺してくれてありがとうございます。ごゆっくりお休みください。自分が三途の川を渡って対岸へ行ったときは、どうか生で歌声を聴かせて下さい。

総合旅行業務取扱管理者試験、合格

今年の10月に受験した国家試験の結果が届いた。無事に合格できていたようで安心した。マークミスしていなかったらしい。マークの確認をせずに試験を終えた。ミスしていないかな、大丈夫かな、、と思っていたが杞憂だったようだ。

国家試験の最中、通路を挟んで隣に座った年齢不詳のBBAお姉さんがずっとブツブツ呟いていた。知らない知識を問われる問題に出くわしたのか、「こんなの習ってないんだけど…!」と小声でささやく。それを聞かされる身にもなってくれよ。吹き出しそうになるのを堪えるので必死だった。腹筋を使いすぎて痙攣寸前。非常に効果的な体幹トレーニングになった。

そのBBAお姉さんの受験番号は、残念ながら掲示板に見つからなかった。落ちるならせめて静かに落ちてくれよ。騒音をそこら中へまき散らした落とし前を付けるべくキッチリ合格してもらわないと。「こんなの習ってないんだけど…!」←知らんがな。次はもっと勉強してから来て下さい。頑丈で絶対に破れないガムテープを口へ何重にも巻いてから会場へご入場願います。

この資格に興味を抱いたのはB1のころ。旅行好きの私にとって、”旅行”と付く国家資格を見たら嫌でも血が騒ぐ。それから七年かけてついに栄冠をつかんだ。本当に長かったな。これまでに何度も挫折した。けれども、そのたびに這い上がって頑張った。やっと合格まで辿り着いた。何かのエキスパートになるのってこれほどまでに大変なんだな。やはり、法律を覚えるのは苦手。条文暗記よりも理科系の問題を考えたりゴリゴリ解いたりする方が楽しい。今後、また資格を取るとしたら理科系のモノだろう。文科系の勉強はしばらくお預け。

就活四季報で平均年収をチェック

今年度版の就職四季報が出た。早速購入して弊社の平均年収をチェック。昨年のデータより平均年収が80万円も上がっている。景気が良いんだな。喜ばしいことだ。ネットで調べてみたら初任給が5,000円上がっていた。たしか、春闘のベースアップは16,000円だったはず。さすがに一年目の給与をそこまでは上げないわな。満額まで上げてしまったら中堅社員が「どうなってんねん!!」と怒鳴りこんでくる。新入社員よりもベテラン社員を大切にする会社は素晴らしい。天下のパナソニックはいま、新入社員の方が二年目社員より給与が高くて大変らしい。広島のこの会社を選んでよかった。転職など考えず、できるだけ長く在籍したい所。

よせばいいのに、就職するM2の内定先の平均年収もチェックしてみた。なんと、二社とも弊社より400万円以上高かった。二人は共に素材系のメーカーへと進む。私と同じ業種でも天と地ほどの差があるらしい。おまけに、彼らの会社の福利厚生は弊社よりも遥かに充実している。我が社には家賃補助や社宅制度がない。彼らの会社にはそれらがある。福利厚生を含めれば、額面で平均年収500万円ぐらいの差があるのではないか?ほとんど同じ業務量で貰える額が500万円違うっていったいどういうことなんだ。一応、我が社も彼らと同じ日経225採用銘柄。日本トップ企業の中でも給料にはとんでもない格差があるらしい。三菱商事は2000万円貰えると聞く。本当に嫌な世の中になったものだ。

就職四季報だなんて見なけりゃよかった。隣の芝は青い。こんな情報を知ってしまったら羨ましくて仕方がなくなる。100万や200万程度の違いなら甘んじて受け入れる。500万円も違ったらさすがに思う所はある。彼らの会社が多すぎるのか?いや、弊社が少なすぎるだけだろう。人材獲得競争の激しい昨今、提示年収はなるべく高く積んでおかねばならない。転職市場の人材の眼はシビア。人材は貰える賃金の多い所へと次々流れ込んでいく。平均年収の低い企業は、お金以外の訴求ポイントが必要だ。金銭面での福利厚生が壊滅的な弊社に何か訴求ポイントはあるのだろうか。

自分は広島に帰りたかったから弊社に就職した。我が社とは栄枯盛衰を共にする覚悟を固めている。弊社の社員は広島にゆかりのある人間ばかり。広島出身、広島大学出身、むかし広島に住んでいた、など。広島は転出超過数が全国ナンバーワンの自治体。入ってくる人間よりも出ていく人間の方が圧倒的に多い。統計からは「地域としての魅力が欠けている」ということが言える。地元民以外にとっては住み心地の悪い街なのかもしれない。おまけに広島企業の給与は総じて低い。福利厚生は微妙。日本での業界成長性もイマイチ。広島企業の将来は大丈夫なのだろうか。弊社もいつまで広島に、いや、日本国内に本拠地を構えていられるか分からないな。

自分の会社員としての目標は明確。弊社の業績を爆上げして福利厚生を充実させ、魅力ある会社にすることでもって広島へ人を呼び戻す。ハナから魅力的な会社へ入るのは一般人。自分は、福利厚生の壊滅的な会社を魅力的にする困難な道を選んだ。トップ企業へ行く力量はあったと思う。M2らと同様、30代で1000万円を超える年収を貰える企業に入れていただろう。快適な道を選ぶのはつまらない。あえて厳しい方を選び、危機感で己を駆り立てて自己成長を促す作戦だ。

自分の力で会社の魅力度を高めたい。カッコいい製品を次々と作り、それらをバンバン売って営業利益を上げたい。給料を増やし、上司と部下と同僚の全員で喜びを分かち合いたい。北大では読書とランニングから武士道精神を培った。苦しんで困っている地元の会社を見捨てて高給な会社へ行くだなんて出来なかった。地元がどんどん衰退していくなら、それを食い止めるのが地元出身の人間の使命。広島人の底力とリバウンドメンタリティーを発揮して全力で業務に邁進したい。

1 2 3 4 5

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

カテゴリー

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次