研究室内恋愛はアリかナシか

北大博士課程の早期修了が決まった化学系大学院生かめです。本日は、アカデミアの密室で繰り広げられる、あの微妙な空気感について論じてみたいと思います。そう、研究室内恋愛です。

「禁断の恋!」「考えたこともない」「あんな怪物と誰が…(失礼)」など、皆様それぞれのご意見があろうかと存じます。しかしながら、同じ空間で日々顔を合わせる研究室という環境は、ある意味で最高の出会いの場なのかもしれません。単純接触効果という心理学用語がありますが、まさにその通り、頻繁に顔を合わせているうちに相手の良さを感じられてくるものなのです。

もし恋が芽生えれば、それはまさに天国。好きな人と毎日顔を合わせられる上、実験という共同作業を通じて自然な会話も生まれる。「この反応、うまくいきましたか?」なんて会話から始まって、いつの間にか「キャッキャ」な雰囲気に。…などと妄想が膨らみます。私ですか?いえいえ、経験はございません。好きな人はいましたが、研究室の雰囲気を壊さぬために黙って修了しました。潔い男だと褒めていただいて結構です。

この記事では、研究室内恋愛はアリかナシかについて私見を展開していきます。研究室で密かに想いを寄せる相手がいらっしゃる方、明日こそは!と決意を固めていらっしゃる方へ特にお届けしたい内容です。どうか最後までお付き合いください。

それでは早速始めましょう!

アリ。カップルを見ているだけで元気をもらえるから

個人的には恋愛許容派。周りで恋愛してもらう分には好きなだけしていただいて構いません。

他人の恋愛は、見ているだけで心が温まる素晴らしいエンターテインメント。若い研究者たちが互いに頬を染めあう様子は、まるで春の訪れを告げる桜のよう。「あぁ~、羨ましい~!!」と身もだえしながら、その幸せのオーラに浴することができます。想像するだけで元気が湧いてきます。ありがとうございます。誰に言うてんねん。

実は博士課程時代、毎週日曜の午後に札幌駅ビルを徘徊していたものです。カップルが放つ幸せオーラのおこぼれにあずかるべく。博士学生生活は過酷。楽しいことなんてほとんどありません。博士課程はあまりに辛いため、シュノーケル無しのダイビングであるとか、お湯張りのない真冬の露天風呂だとか言われています。辛くて辛くて辛くて辛い。駅ビルの散策だけが息抜きだったのです。

もしも研究室内にカップルが誕生していれば、このような特殊任務も不要だったはず。実験の合間に垣間見える幸せな瞬間が、疲れた心を癒やしてくれたことでしょう。嬉しいことに拝観料は無料。これ以上の贅沢があるでしょうか。皆様、どうかご遠慮なく恋愛してください。皆様の幸せは、周囲の活力となるのです。アチアチな関係性が深まれば深まるほど、我々取り巻きの元気も増していくことでしょう。

とはいえ、自分自身は研究室内恋愛を避けました。仮に卒業間際であれば…という思いはありましたが。

なぜなら、同じ研究室に好きな人がいたら、とても研究に集中できる状態ではなかったでしょうから。パソコンに向かっているときも彼女の横顔が気になって、キーボードを打つ代わりに手を握りたくなる。そんな状態で博士号が取得できるはずもなく。オーバードクターになれば、お互いにとって最悪のシナリオです。結果として、好きな人も私もガッカリした表情を浮かべることになるでしょう。…まあ、そもそも告白が実を結ぶ確率も低かったでしょうが。

研究室内恋愛否定派のご意見

ここまでやや恋愛至上主義的な論調でしたので、反対派の方々のご意見も拝聴してみましょう。

周りが気を遣うからナシ

まずは、東京都にお住まいの20代男性から寄せられたご意見です。サイエンストウキョウの方ですかね。ありがとうございます。

ウチの研究室内にもカップルがいるんだけど、雰囲気を損ねないよう結構気を遣うんだよね~
(”サイエンストウキョウ”って言うな!!)

やさし~。思い切り邪魔してあげればいいのに。

カップルに対して遠慮は無用。冷やかしたり冷やかしたり野次ったり告げ口したり、やりたい放題に何でもして構いません。なんせ、相手はカップルなのだから。実は、日本国憲法の冊子にブラックライトを当てると、条文の最後に「ただし、全ての法律は婚姻前の若人には適用されず」という一文が現れるそうです。つまり、カップルは法的にも特別な存在なのです(全部ウソ)

恋人っていうのはね、数多の試練を乗り越えながら絆を強くしていくものです(←何様?)。辛い出来事を二人四脚で乗り越えてこそ真のカップルというものです(←脚が一本多いんじゃないか?)。周りからの些細な茶々で崩れる程度の関係性なら早晩別れます。皆さん、遠慮せずちょっかいをかけて下さい。何も遠慮はいりません。楽しみましょう。

話は逸れてしまいますが、大岡山にあるサイエンストウキョウには女性がいらっしゃるんですね。あそこ、ずっと男子校だと思っていました。申し訳ありません。謹んでお詫び申し上げます。

喧嘩別れする可能性があるならナシ

もう一つは、茨城県牛久市にお住いの大仏様 (30代) から寄せられたご意見です。JAXAにお勤めの研究者さんですかね。ありがとうございます。来月、帰省で月の裏側に行かれるそうで。無事のフライトを心よりお祈り申し上げます。

研究室の中でイチャイチャするのはいいけど、ケンカして別れた後が面倒なんだよな。雰囲気悪いし、どちらかに肩入れするわけにもいかないし…

大仏様は、ラボ内恋愛破局目撃者なのでしょうか。生々しい体験談をありがとうございます。

大仏様と同意見です。カップルは、仲の良い間に限って利用価値がある生命体。イチャイチャしている時は近くへにじり寄って幸せのおこぼれにあずかれる。別れた瞬間から利用価値の減価償却が始まり、少しでも触れようものなら大爆発する地雷に変わってしまうでしょう。研究室の中へピリピリムードを持ち込まないで欲しいですよね。ただでさえ過酷な研究生活に、さらなるストレス要因は持ち込まないでいただきたい。

ラボ内恋愛をご検討中の皆さん、公私混同はくれぐれも勘弁してくださいね。ケンカするなら研究室の外で、そして別れた後も普段通りの態度を心がけましょう。

最後に

研究室内恋愛に関する持論展開は以上です。

正直なところ、一度くらいは経験してみたかった研究室内恋愛。学生時代に出会えないと、一体いつ出会えるのか。
ちなみに、M2後期からD1前期にかけて某マッチングアプリを使用しましたが、驚くべきことにマッチング数は見事なまでの0件。この場を借りて、せめて1件くらいマッチングをください、とお願い申し上げたい。なお、もし私が「彼女ができました!」と嬉しそうに報告している場合は、どうか「コイツ、美人局に引っかかったな」とご察知ください。巨額の借金を背負う5秒前である可能性が極めて高いことをお約束いたします。

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