【ミソフォニア・HSP】感覚が敏感な人へ授ける研究室生活のマインドセット

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。人より感覚が敏感なうえ、特定の音を正常に処理できない『ミソフォニア (音嫌悪症)』という病気と闘いながら研究室で過ごしています。

この記事では、私と同様に敏感な方へ研究室ライフのサバイバル術を授けたいと思います。

  • 鈍感な人との付き合い方を知りたい感覚が敏感な方
  • (自分、めっちゃ感覚が敏感だなぁ…) と一度は自覚したことのある方

こうした方々にピッタリな内容なので是非最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

【人間関係】あらゆる人間と分かり合おうとしても無理。距離を置くか最低限の関わりで留めておこう

世の中の人間全員と分かり合おうとするのなんてまず不可能。相手を攻撃しよう、いじめてやろうと決めている人の気持ちを良い方向に動かすのは困難。下手に近付けば火傷します。コチラの善意を逆手に取られてチューチュー搾取され続けるのです。敏感な方なら鈍感な方との付き合い方にも困っているはず。”なんでこんなことを平気でやっちゃうんだ…”と毎日ヘトヘトになるまで気疲れさせられているでしょう。

距離を置いても構わない人間とはなるべく距離を置いてください。決して敵意を見せることなく、刺激しないよう注意しゆっくりと相手の目の前からフェードアウトするのです。山の中で熊と出会った場面をイメージしてください。背中を見せず、ゆっくりと後ずさりするあの後退の仕方を真似ましょう。相手に何かを理解してもらおうとして説得したって逆効果。火に油を注ぐだけの結果に終わって後悔します。

そうはいっても研究室の中は狭いからなかなか距離を取りづらい。物理的にも精神的にも相手が近くに居るからです。そんな方へオススメなのが、挨拶や事務連絡など最低限の関わりだけを保つ作戦。両者とも感情的にならずに済む範囲内でのコミュニケーション。もし相手が少しでも自分のパーソナルエリアに入ってきたらゆっくり退却。相手の言葉の拳が届かぬ一定の距離を取り続けるのが重要。私の場合、この作戦を使って研究室にいる相性の悪い大学教員との関係をどうにか保っています。敵に回さず味方にもせず中立的なスタンスで接して問題を回避しているのです。

【精神面】頑張っちゃダメ。巡航可能な安定速度でコツコツ積み上げるのが重要

私を含め、敏感な人間はただ研究室で過ごしているだけで消耗します。誰かが叱られる声を聴くだけで自分まで苦しくなってくるし、自分の抱えるTo Doリストからやるべきことが無くならないと気が狂いそうになります。私の場合、趣味でランニングをやっているためか、無理の効く体質が祟ってストレスを抱えすぎてしまう傾向が。適切なストレス発散方法を見つけられないまま『頑張り』を重ねてしまい、M2の8月、家のトイレで喀血してとうとう頑張れなくなりました。

研究室生活では頑張っちゃダメ。100%、時に120%の力を常に発揮したらすぐ消耗します。42.195kmをダッシュで駆け抜けられる選手は世界のどこにもいません。巡航可能な最低限度での安定した強度で作業をすべきです。オリンピックのマラソン競技でも選手は各自の50~60%程度のペースで巡航しています。序盤で相手を引き離そうと80%の出力を発揮した選手は30km過ぎで力尽きて後続の選手に吸収されてしまうのです。研究室生活でも事情は同じ。結局、ゆっくりでもコツコツ毎日積み重ねた方が強い。

注意点が一つだけ。遅すぎてもその遅さがかえってストレスになりかねないということ。私自身、喀血ののち自身の最大出力の30%程度で研究を進めていたものの、逆にイライラを募らせてしまい60%まで速度を上げました。どれぐらいのペースが適切なのかは個人差の大きな所。ご自身で色々お試しになり、ストレスをためずに安定して巡行できる強度を見つけてみて下さい。なお、そもそも100%がどれぐらいなのかが分からない場合があるでしょう。一日だけ本気で作業してみて自分の限界を探ってみましょう。

かめ

限界に挑戦し続けることで昔の100%が60%になるといった進歩も見られるでしょう。ただ、コツコツ60%程度で頑張っていても最大値は少しずつ高まってくるので、敏感な方は無理せず安定速度を維持して研究を続けて下さい^ ^

【気力・体力】意識して休む!刺激を受けにくい生活スタイルを模索しよう

敏感な方には『休養』の重要性を声を大にして訴えたい。無理せず休め!倒れる前に休む勇気を持とう。疲れを感じた後に休養し始めても少しだけ手遅れだから怖い。心身に少なからずストレスがたまって後々身体に響いてきます。意識して休む。疲れていなくても休む

  • 1時間作業したら10分休む
  • 30分頭を使ったら5分休憩する

など、休みのマイルールを定め、徹底して遵守するのが重要です。ちゃんと休まないと私みたいに血を吐いて倒れる羽目に陥りますよ。人の目など気にすることなくしっかり休みを取って下さい。

【感覚の荒波】をなるべく立たせないようにすべく、外部からの刺激を受けにくいライフスタイルを模索しましょう。先に述べた『分かり合えない人間と距離を置く』のはもちろんですが、コアタイムがない研究室なら在室時間を変えてみる、聴覚を刺激しないようノイズキャンセリングイヤホン/ヘッドホンを装着してみるなど、工夫を凝らせばストレスを大幅に低下させ楽に過ごしていけます👍

注意:繊細ヤクザにはならぬように…

繊細な皆さんは「なんで自分だけこんな辛い思いをしなきゃいけないんだ…」と日々ネガティヴな感情を抱きながら研究室を後にすることでしょう。誰にも辛さを理解してもらえないから己の中で鬱憤が溜まっていく一方。とはいえ、そのイライラを一方的に他人にぶつけちゃ絶対にダメですよ。不必要にひねくれ「貴方はいいですね、羨ましい」と謝罪や過剰な配慮を求めるのはアウト。このように被害者ムーブメントを取る人間をネットでは『繊細ヤクザ』と云うそうです。繊細ヤクザ、X (旧:Twitter)でよく見かけますが、扱いが難しい人ということでかなり嫌われています。相手は決して加害者じゃないし、自分も被害者なわけじゃない。弱者の立場を利用して強者に優越する権利はないはずなのです。

私を含めた繊細人間は『自分は他人と少し違った人間なんだ』とよくよく自認しておきましょう。自分の感覚は普通じゃない。自分の感覚では異常だと思っても社会の大多数の人間からすれば普通。たとえば私、鼻水をかまずにすすり続けられる人の神経が信じられない。すする行為自体が気持ち悪いし、すする音もおぞましく聞こえる。でも社会全体を見渡してみたら、悪気無くすする人が半数以上を占めているんです。そんな中で「鼻水をすするなんて気持ち悪い!」と訴えたが最後、 (何あの人、ちょっとおかしいんじゃない…?)と変人扱いされ避けられるのが道理。

被害を訴える前に”この応対、大げさすぎないかなぁ…?”と一呼吸おいて考えるクセを付けなければいけません。体質的・道義的にどうしても耐えられない場合に限り、相手に配慮を求める正当な権利を有していると考えて下さい。相手からの真っ当な指摘は誹謗中傷ではありません。イチイチ「傷つけられた!」と訴えていたらやがて周りから人が居なくなってしまいますから。

最後に

繊細な方に送りたい研究室ライフのサバイバル術はコレで以上です。皆さんの研究室での日々が少しでも良くなってくれると信じて記事を締めくくります。

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