【課程博士】博士号を取得する5ステップ!200人にひとりの超レア人材になる方法

北大と国研で研究していた化学系大学院生かめです。博士課程を一年短縮して早期修了することが決まりました。

大学には3つの学位があります。学士号、修士号、そして博士号です。文系学生の大半は学士号だけを取って卒業します。一部の文系学生と大半の理系学生は修士号まで取得するでしょう。博士号を取る方はごく僅か。現状、日本では200人にひとり程度しか博士号ホルダーが居ないようです。

博士号を取るにはどうすればいいのでしょうか?お金で買う?先生に土下座する?それとも天から降ってくる?残念ながらどれも不正解。ちゃんとした取得方法があるのです。

この記事では、博士号を取る方法を5ステップでご紹介します。博士課程へ進学する方や博士号が欲しい方にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

【STEP1】大学院試験に合格する

博士号を取得できる所は大学院博士課程。博士課程で所定の手続きを経れば博士号を得られます。

博士課程へ入るには試験があります。日本の博士課程における試験倍率は1倍前後。不合格者が続出する大学入試のイメージとは異なるでしょう。博士課程は入試で選別しません。学生がふるいに掛けられるのは入学したあと。

だいたいの博士課程へは全入状態。出願して、試験本番に用紙へ名前を書いて出せば誰でもパスできるでしょう。肝心の試験も簡単です。私の所属元専攻では「研究計画の提出」と「口頭試問」だけでした。これらを乗り越えれば合格。あなたもめでたく博士候補生の仲間入りです。

【STEP2】大学院の講義で単位を取る

博士学生の第一の仕事は「研究」。後述する業績要件をクリアするために日夜研究へ励みます。しかし、研究だけしていればいいわけではありません。博士学生にも講義があるのです。学内の様々な研究科が設けている講義を履修して単位要件を満たす必要が。私の所属元専攻における必要単位数は『8』。D1で6単位、D2で2単位取得して要件をクリアしました。

最近の大学院ではオンライン講義が普及しています。いつでもどこでも受けられるようにオンデマンド形式へ移行しつつあるのです。実験で忙しい学生にとっては有難いですね。出張で大学をよく離れる学生にとっても単位を取りやすくなっています。自分自身、イギリス留学中に北大の単位を取りました。オンラインツールの普及に乾杯🍻です。

【STEP3】専攻別に定められた業績数を確保する

博士課程が「大変」とか「辛い」とか「地獄」とか言われている理由がコチラ。

博士課程を修了するには、専攻別に定められた業績数の確保が必要です。”業績”とは、学術論文の出版数や学会発表数のこと。アカデミアは、業績を挙げてようやく一人前として認められる世界。頑張っただけでは意味がない。頑張りを結果につなげることが強く求められます。私の所属元専攻では、「国際誌への査読付き筆頭論文二報以上の出版」が求められました。どれだけ少なくても二報。余裕があるなら三報、四報と次々出版する姿勢が必要です。

業績数を確保できれば何の問題もありません。そのまま学位審査へとお進みください。もしも業績数を稼げなければどうなるか。必要業績数を積み上げられるまで永遠に修了できません。土下座や義理人情が通用しない厳しい世界。業績を集めたくても集められずに満期退学する方が出てくるでしょう。四年目に突入してオーバードクターになる方もチラホラおられます。

【STEP4】三回ある学位審査会をパスする

学士課程には卒論発表会がありました。修士課程では中間報告会と修論発表会があったでしょう。博士課程にも学位審査会があります。博士の学位審査は計三回。一つ目が中間報告会。二つ目が予備審査会。そして三つ目が公開論文説明会(公聴会)。

博士号を得るには、三つの審査を全てパスする必要が。修士までと異なり、博士の学位審査はかなり厳しいです。

特に厳しいのがセミファイナル・予備審査会。学生を公聴会へ進ませるか否かを精査すべく、審査員が様々な角度から諮問してくるでしょう。予備審査へ臨んだ学生のほぼ全員がボコボコにされています。現に私もボコボコにされました。20分の予定だった質疑応答時間が60分まで伸びる大炎上劇を演じたのです。まるで目を開けながら悪夢を見せられているよう。辛すぎて貧血寸前になりました。倒れずに済んで本当に良かったです。

【STEP5】博士論文を仕上げて提出する

単位を取り切った。業績数を満たした。学位審査にも通った。これでオレも博士だ!名刺へPh.D.と書くぞ!! …残念ながらまだ仕事があります。博士学生最後の大仕事が我々を待ち受けているのです。

学士・修士時代にはそれぞれ卒論と修論を記してきたでしょう。博士課程でも同じように『博士論文(D論)』を記すのです。D論とは、博士課程の間に集めた研究成果をひとまとめにしたもの。多くの場合、D論は100ページを超えます。私はたっぷり204ページ書きました。

学術論文で特に大変なのがイントロの作成。研究成果全体の基礎になっている知見や理論を詳述するのです。学術雑誌に載っている文献レビューを記すようなものと思ってください。大変ですよ。なんせ、学術論文を何十報も引用しながら書いていくのだから。私の場合はイントロを38ページ記しました。製作期間は2か月強。頭を使い過ぎて吐きそうになりましたよ。

D論は主査と副査に査読されます。彼らから受けた助言を元にブラッシュアップしてめでたく完成。出来上がったD論は、PDF版がネットに公開されるでしょう。著作が全世界へ公開されます。人に見られて恥ずかしくない博士論文を作って下さい。そうそう、製本も忘れず行いましょうね。主査と副査への寄贈は必須。大切な人へも渡してあげればきっとすごく喜んでもらえます (*≧∀≦*)

最後に

博士号を取るための5ステップをご紹介しました。

日本では学位の頂点である博士号。その取得者は200人にひとりの希少な存在。博士号獲得までの道のりを振り返ると、決して容易ではありませんでした。

まず博士課程入試を突破する必要があります。倍率は1倍前後と厳しくありません。しかし、これは入学後の厳しさの前触れに過ぎません。次に講義での単位取得が求められます。オンライン化が進み、実験と両立しやすくなった点は現代の恩恵と言えるでしょう。

最大の難関は業績要件の達成です。私の専攻では国際誌への査読付き論文を最低二報求められました。この要件を満たせないと永遠に修了できません。情に訴える術はない。純粋に結果が求められる世界なのです。

学位審査は三段階あります。特に予備審査会は厳格です。私自身、予定の20分が60分まで延長される厳しい質疑応答を経験しました。貧血寸前になるほどの緊張感は今でも鮮明に覚えています。最後の関門は博士論文の執筆です。これら全てのプロセスを経て初めて博士号が手に入ります。

博士課程の厳しさは言うまでもありませんが、試練を乗り越えたときの喜びは計り知れないものがあります。博士課程進学を検討している方々には、覚悟と共に明確な目標を持って挑んでいただければ幸いです。苦しみを乗り越えた先にある達成感は、他では得難い貴重な経験となるでしょう。

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