博士課程に入ってから修了するまでの二年間、毎日のように辛さを噛みしめながら、どうにかこうにか踏ん張って生き延びてきました。
進学前、先生からは「博士課程は辛いぞ、覚悟しとけよ」と散々脅されたものです。覚悟していたつもりでしたが、実際に足を踏み入れてみると予想をはるかに上回る辛さで、胃に穴が開きそうな毎日を過ごしていました。ストレスを溜めてはガス抜きをし、新しい辛さを背負い込んではうめき声を漏らす生活が三年間続き、最後はよろよろしながら博士号を手に入れました。
この記事では、私が実際に試して効果を感じた4つの辛さ緩和法をご紹介します。今まさに研究室で胸が苦しくなっている大学院生さんと、これから博士課程へ進もうと腹を決めた勇者の方の、どちらにも参考になるはずです。
かめそれでは早速始めましょう!
論文を書く。研究に没頭する


博士課程で味わう辛さには色々な種類がありますが、中でも厄介なのが将来への不安から湧き上がってくる辛さです。三年できちんと修了できるのかとか、修了後に終身雇用のポストへ滑り込めるのかとか、正解の見えない問いと向き合ううちに、怖くなって眠れなくなります。
将来不安には論文執筆がよく効きます。論文を一本書き上げるごとに修了要件が一つずつ埋まりますし、業績が積み上がればポストの話も少しずつ現実味を帯びてくるでしょう。
何より、論文執筆はしんどいです。書いている間は将来を心配する余裕がありません。考察の組み立てを練っているうちに、夕方には頭がヘロヘロになって、夜はバタンキューで眠るほかなくなるのです。
将来への不安で眠れない方は、今すぐパソコンを起動して論文を書き始めてください。論文でなくとも、実験でも解析でも、研究に関することならたいていは効きます。人間は、暇な時間ができた瞬間にろくでもないことを考え始めますから、意識して忙しく過ごしていると悩みが減りますよ^ ^
趣味に興じて現実逃避する


博士課程で研究が上手くいかなくなると、心も体もかなり参ってきます。論文を書きたくても書けないほどのストレスが背中にのしかかってきて、下手をすると学位も取れないかもしれない….と本気で思い詰めるようになるのです。
私はD2の五月に研究が袋小路に入りました。論文のために仕込んでいた実験が前提からひっくり返って、全部やり直しになったのです。書きかけの論文を見るのも嫌になりましたね。毎朝毎晩、ベッドで一人「博士課程、辞めたい…」とうめいていました。本当にやめようかと思いました。
ストレスが限界を越えた段階では、現実逃避が効果的です。考えても分からないものをずっと考えたって仕方ありません。一度研究から距離を置いて、しっかり休んでしまいましょう。逃げ込む先は何でも構いません。ゲームでも読書でもランニングでも、研究から意識を離せる中身なら何でも効きます。
休んで心が回復してきたら、少しずつ研究へ戻りましょう。趣味に浸っている間、脳は水面下でちゃんと研究のことを考えてくれています。休憩明けに、思いもよらないアイディアが降ってくることが本当にあるのです。
私の場合、サッカー観戦に助けられました。スタンドで贔屓のチームを応援している最中に、実験を組み直すアイディアが頭に浮かんだのです。試合後、興奮冷めやらぬままメモ帳にリカバリー計画を書きなぐりました。翌日から実験を全速力で進めたところ、どうにか論文出版にこぎつけられました。スタジアムで得たひらめきが論文にまとまって、早期修了を目指す業績の土台になってくれたのです。
恋人を作って癒してもらう


辛いときは、誰かに癒してもらいましょう。ペットでもいいですが、できれば人間の方がいいです。「そうか、辛かったねぇ」と頭をなでなでしてくれる相手は、案外限られていますから。
ネコは甘えさせてくれません。こちらの機嫌を取ってもらうつもりで膝に乗せたはずが、なぜかこっちがネコ様のご機嫌伺いをする羽目になります。にゃんということでしょう。おまけに、たまに爪で引っ掻いてくる。打ちひしがれた博士学生の背中に、強烈なネコパンチがお見舞いされることも。
恋人のいる博士学生さんは、お相手を大切にしてください。在学中はとことん甘え、辛さを外へ吐き出しましょう。長期休暇に旅行するのも良い気晴らしになりますね。カップルで海や山へ行ってリフレッシュしてきてください。そうそう、旅先で大喧嘩して仏頂面で研究室へ帰ってこないよう、気をつけてくださいね笑。
博士課程を早期修了する


そもそも博士課程の辛さは、博士課程に在籍しているから発生するのです。在籍さえ終わらせてしまえば、辛さのほとんどは消えてくれます。
もし、辛さを味わう期間を縮められれば、辛さの累積も減ります。三年より二年、二年より一年と、期間が短ければ短いほど楽になる。
博士課程が辛くてたまらないという方は、早期修了を真面目に検討してみてください。二年も縮めるのは無茶ですが、半年から一年程度なら、努力と運次第で現実的に狙えます。
私自身、論文をコツコツ積み上げて、博士号を一年早くもぎ取りました。早期修了が決まった公聴会の夜は、二年間で一番深く眠れました。辛さへの一番確実な解決策は、結局のところ早期修了だったと感じています。

















コメント