皆さんはMBTI診断をやってみたことはありますか?やってみた方!結果は何と出ましたか? 私はINFJと出ました。
INFJとは、提唱者のこと。優しく思いやりがあって物静かなタイプ。外交的というより内向的。現実志向というより理想志向。論理よりも感情型。柔軟性よりも計画性を重視する。”ただの性格診断でしょ”と侮るなかれ。一度やってみれば、自身の性格をうまく言語化されて驚くと思います。
さて、INFJ(提唱者)の私は、自身の性格を利用して博士課程を乗り切ってやろうと考えました。自身の性格には良くも悪くもクセがあります。クセを利用して研究推進剤にできれば博士課程をスムーズに超えられるのではないでしょうか。実際、INFJ特有の性質を利用して博士課程を修了できました。しかも、一年間短縮修了というオマケつきでの修了だったのです。
この記事では、提唱者専用の博士課程攻略法をご紹介します。D進者には理想主義者が多く、提唱者が多いのではないでしょうか。僭越ながら、博士課程を修了した私から、いくつかアドバイスをお送りさせていただけると幸いです。
かめそれでは早速始めましょう!
自分の直感を信じて深掘りする


提唱者の強みは何でしょうか。他でもない、直感の鋭さです。物事の本質を見抜くのが得意な提唱者には、大衆の眺める景色の裏に眠るお宝をすぐ見つけてしまいます。
研究には独創性が必要です。実験手法、解析機器、提案するコンセプトなど、何らかのオリジナリティーがあってこそ論文になります。多くの博士学生は、自身の研究へ独創性を付与するのに苦労するでしょう。他の人と似たようなことしか思いつきません。そのため、”自身の研究に価値はあるのか”と悶々とさせられるのです。
その点、提唱者はオリジナリティーの観点で心配を抱える必要はありません。なぜなら、提唱者が着想するアイディアの多くは真新しいものだからです。提唱者は、他の人と異なる角度から物事を眺めるのを常とします。提唱者は思考もアウトプットもオリジナルなものばかり。世界観からして独創的。自分自身、学生時代に思い付いた実験アイディアの7割が未だ研究例のないものでした。
提唱者の皆さんは、「やってみたら面白いんじゃないか?」という自身の直感を信じ、意欲的に研究を深掘りしてみましょう。やればやるほど道が開けていき、気付けば世界で自分ひとりだけのビクトリーロードを驀進しています。
完璧主義を手放し、小さな成功を積み上げる


提唱者は完璧主義者。頭の中に確固たる理想像があって、それを現実へ具現化させるべく日々奔走しています。
完璧主義が良い方向へ働く場面はあるでしょう。実験条件の検討。論文執筆時の考察。To Doリストの入念な確認。自身の仕事を完璧にやり遂げたいという気持ちが奏功する場面は多いです。
しかし、完璧主義を貫くと、やがて息苦しくなってしまいます。
不可抗力でシナリオが崩壊したら、頭をかきむしってイライラするでしょう。ストレスが脳の働きを悪化させる。思考回路が滞ると仕事のパフォーマンスが落ち、完璧な仕事が出来なくなって余計に不満を募らせる結果に。過度な完璧主義は、周りの人にも迷惑をかけかねません。自分と接する相手の人へ過度にプレッシャーを与えてしまうのです。
提唱者の皆さんは、完璧主義を意識的に手放してみるのをオススメします。完璧でなくても構いません。70~80%の出来で十分でしょう。小さな成功を積み重ねていってください。深呼吸して肩の力を抜き、自身の仕事ぶりへ満足しつつ着実に成果を挙げていくのです。
私が博士課程で取り入れたのは「最善主義」。
博士課程では、自分の描いたシナリオ通りに事が運ぶことは稀です。論文出版計画はリジェクトでアッサリ覆ってしまいます。就活だって学位審査だってどうなることやら分かりません。
そこで、「その場その場で最善を尽くそう」と決めました。完璧な結果を残すのは難しいでしょう。ただし、自身の100%の力を発揮するのならいつだってできますよね。完璧主義から最善主義に変えた瞬間、肩の荷が下りて楽になりました。おかげで以前よりもかえって研究ペースが上がる好影響があったのです。
しっかり休んで内省の時間をとる


提唱者の皆さんに一つ質問です。誰かと一緒に喋っている時間と一人で居る時間とではどちらが好きですか?
私は一人の時間の方が好き。一人で自分自身を相手に延々と自己対話しています。いわゆる『内省』をしているのです。日々の振り返りをすることもあれば、今までの人生で別の選択をしていたらどうなっていたかなどを考える場合もありましたね。
提唱者には内省の時間が欠かせません。内省タイムは心へ豊かな栄養を届けてくれるのです。内省すればするほど元気になるでしょう。自身の過去の足取りに納得感を抱きつつ、安心して未来に向かって一歩を踏み出せるようになります。誰かと喋ったら、むしろ疲れません? 複数人でのグループディスカッションなんて、終わった途端にグッタリしますよ。
博士課程が佳境に差しかかると、内省の時間を取れぬ場面が訪れます。研究と博士論文のことで頭がいっぱいいっぱい。忙しすぎて自身を顧みる余裕がない。こういう時、提唱者は日に日にやつれていくでしょう。心に栄養を届ける内省を行えず、辛くてたまらなくなっていくのです。拒食症になって痩せていく人もいれば、過食症になって太っていく方も。私はしっかりと痩せました。博士課程の二年間で体重が3kgも減りました。
提唱者の皆さんには、博士課程在籍中もしっかりお休みいただきたい。休めないのは分かっています。忙しいもんね。重々承知しています。それでもちゃんと休んでください。休んだ方が良い研究ができますから。
私は博士課程在籍中に土日返上でずっと研究室に通っていました。毎日通って作業時間を確保しなければ早期修了を達成できないと思っていたから。しかし、休まず毎日研究室へ行った結果、着想するアイディアがどんどん低品質になりました。アイディアの質が低ければ、どれだけ頑張って働いても良いアウトプットを得られません。
コレはまずいなと感じました。そこで、日曜の午後だけは研究室を離れ、家や本屋の中で過ごして内省する時間を取るように。すぐにアイディアの質が戻りましたよ。自分にとって内省の時間が不可欠なのだなと感じた瞬間でした。会社員になってからも、土日のどちらかは勉強や自己研鑽を完全オフにし、自分との対話を重ねる時間を設けています。
長期的視野を持ち、戦略的に行動する


提唱者の強みは『直感力』と述べました。直感力が強いおかげで、思考が意図せずオリジナルなものになるでしょう。
提唱者にはもう一つ強みがあります。それは「計画性の高さ」。提唱者は場当たり的なふるまいをしません。今の努力が未来へどうつながるか。自分がどう動けば未来はよりよくなっていくか。何事にも長期的視野でもって挑めるのが提唱者なのです。
いくら博士学生といえども、その力は、修士学生に毛が生えた程度。思考の深度も早さも質も、修士学生と大差ないでしょう。何も考えずに過ごせば、修士修了時からほとんど成長できずに終わるかもしれませんね。
自分が将来どうなっていたいのか。この研究をどう完結させるのか。博士課程の三年間で、自身のパラメータのどの部分を強化していくのか。戦略的に動いていかない限り、博士課程に進んでも飛躍的な成長は望めません。
幸い、提唱者の皆さんは「戦略的思考」を強みとしています。しかも想像力豊かで、全体像を見渡すのも得意ときた。
提唱者の方は自身の性格を活かし、博士課程二~三年間のグランドデザインをしてみましょう。どう転んでも学位取得に至る研究計画を立てるのです。余裕があればライフプラン全体のデザインもしてください。ご自身の人生において博士課程をどう位置付けるか。博士号の価値をどこに見出すか。自分の出した結論に応じて、博士課程での過ごし方も変わってくるのではないでしょうか。





















コメント