研究室配属されたB4から修了するD2まで五年間、英語論文を毎日最低一報は読んできました。調子の良い日はフルペーパーを10報読み通したこともあります。
研究室時代、週に一報は音読で読み通してきました。スピーキング力向上と語彙力アップのために声に出して読んできたのです。黙読・音読で読み通した論文の総数はカウントしていませんが、どれだけ少なくとも3,000報は超えているのではないでしょうか。五年間で3,000報。一年換算だと600報。
研究生活の命運を握るのは、これら既読論文の扱い方です。果たして、読みっぱなしで放置していていいものでしょうか。あるいは、どこかへ保管しておくべきでしょうか。
この記事では、一度読んだ論文の扱い方についてご紹介します。空いた時間に論文を読む勉強熱心な方にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。
かめそれでは早速始めましょう!
文献管理ソフトに入れておく


私はB4からM2までの三年間、論文を紙へ印刷して読んできました。印刷物で机の上がグチャグチャになって以降、スクリーン上で読むようになったのです。
D進する前と後とで変わらず続けていたことがあります。それは、【読んだ論文を文献管理ソフトに保管しておく】というひと手間です。読みっぱなしにせず、逐一保存。面白かった論文と面白くなかった論文を別ファイルに分けてアーカイブしていました。
論文を再読したいタイミングがあります。自身の論文執筆時や実験時など、先行文献をもう一度読み直す必要に迫られる場面が訪れる。その際、文献を保管していれば、所望の文献をすぐに読めるでしょう。保管していなければGoogle Scholarで再検索せざるを得ません。「あのとき読んだ論文、どれだったっけなぁ…」と、労力を費やして探し、時間を無駄にしてしまいます。
文献保存には、それ専用の文献管理ソフトを使いましょう。おすすめはZotero。当記事の巻末にZotero紹介記事を貼っておきますので、後でぜひご覧ください。
特に重要な文献は印刷して保管する


D1以降は論文を画面越しで読むようになりました。個人的には、紙でもスクリーンでも、文章の理解度にさほど差は生じませんでした。
基本的に論文は印刷せずに読みます。しかし、ときどき印刷して読むケースがあるのです。それは、読んだ論文が自分の研究にとってすごく重要そうだなと直感した場合。自分と似たような研究をしていて参考になる論文。難しいけど面白い、何回読み返してでも理解したい論文。実験手法をコピーして自身の研究に取り入れてしまいたい論文。こうした論文と出会った際、パソコン上で目を通したあと、すぐ印刷して物理的に保存しているのです。
印刷して保管するのにはメリットがあります。それは、パソコンの電源を付けなくても読める点です。
文献管理ソフトはクラウド上での保存。ソフト内に収められた論文を読むには、パソコンの電源を付け、文献アプリを開き、フォルダ内から所望の文献を探す必要があります。正直言って、かなり面倒臭いですよ。やる気がそこまで高くない日に、わざわざ文献ソフトを開いてまで読む気にはならないでしょう。
その点、論文の印刷保存は楽です。論文を読みたくなったとき、棚から論文をすぐ取り出して読むことができます。これなら、論文を読むまでに越えるべき活性化エネルギーを大幅に下げられるでしょう。
頭の片隅に留めておく。必要な場面ですぐ思い出せるように


読んだ論文の総数が千報にも満たないM1前期までの間、自身が読んだ論文の題名と内容をだいたい覚えていられました。
私、もともと記憶力は良い方なんです。ちょっとした写真記憶を使えます。いくら写真記憶の持ち主といえども、千報以上となると正確には覚えていられません。そこで、文献管理ソフトと印刷の手助けを得て、知識ストックを増やしていったのです。
読んだ論文の内容を完全には覚えていなくとも、断片的にはうっすら覚えていられるものです。どんな図表が載っていたか。どこを読んで面白いなと感じたのか。自分にとってどのような内容が重要そうだなと感じたのか。他の些末な情報は忘れてしまって、こうした情報だけ覚えておくと良いでしょう。
本当に重要な論文を読めば、その内容が頭の中へ深く刻み込まれます。それを読んだのが何年前であったとしても、思い出したいタイミングで内容を鮮明に思い出せるでしょう。論文を読むのは、いつでもすぐ内容を思い出せる文献を一報でも多く脳へストックするため。参照すべき文献がノータイムで頭へ浮かぶ。これができるようになれば、研究を爆速で進められるようになります。
私は博士課程を一年短縮修了しました。大学院を飛び級できたのは、研究効率を上げるための努力を惜しまなかったから。もちろん、運が良かったのもあるでしょう。運に加えて「時間」をも味方につけられたから飛び級できたのです。
最後に
以上、既読論文の扱い方についてご紹介しました。
論文の扱い方を変えるだけで研究が劇的に進捗するようになるでしょう。リードタイムを極限まで削減できたら、大学院の飛び級修了まで視野に入れられますよ^ ^






















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