ゼミの論文紹介や雑誌会が近づくと、人は誰しも現実逃避を始めます。Netflix、YouTube、急に部屋の掃除を始める、なぜか普段読まない積読を崩し始めるなど、発表前の大学院生が見せるクリエイティビティは本当にすさまじいものがあります。アインシュタインも顔負けなのではないでしょうか。
ここで見せる情熱を論文執筆に向けてくれれば指導教員も泣いて喜ぶでしょう。しかし、人間とはそういう生き物ではないのです。
とはいえ、いくら逃げ回ったところで、発表日は律儀にやってきます。英語論文を頭から読んで、内容を理解して、スライドを作って、質疑応答の対策をして……と正攻法で挑めば、一週間は確実にかかるでしょう。かつての私も真面目に対策して、貴重な週末を論文紹介に捧げてスライドを仕上げていました。
皆さん、おめでとうございます。今は2025年です。我々には『AI』という最強の味方がいます。人類がうっかり生み出してしまった最強のツールを使えば、ゼミ準備がものの数時間で終わるでしょう。
今回は、AIを駆使してゼミ発表を最短かつ完璧に乗り越える方法をご紹介します。使うツールはNotebookLMとClaudeの二刀流です。ゼミ準備時間を少しでも抑えたい学生にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
かめそれでは早速始めましょう!
使うのは、NotebookLMとClaude
まず、今回の主役を紹介させてください。
一人目はGoogleが提供するNotebookLMです。NotebookLMの最大の強みは、アップロードした資料の情報だけに基づいて回答してくれる点にあります。外部の情報を勝手に混ぜ込まないので、ハルシネーションが極めて少なく、論文の内容について高精度で答えを返してくれるのです。
二人目はAnthropic社が開発したClaude。ChatGPTやGeminiと同じ、いわゆる生成AIの一種です。数あるAIの中でなぜClaudeを推すのかといえば、ネット検索の精度が高く、実在の文献からきちんと情報を引っ張ってきてくれるからです。架空の論文をでっち上げて堂々と引用してくる某AIとは大違いです。
正直なところ、ChatGPT、あらためチャッピーを使っても構いません。ただ、個人的にはClaudeの方が好みなんですよね。Claudeの方が文体が真面目ですし、こちらに媚びへつらうことなくフラットに接してくれます。チャッピーはことあるごとに褒めてくるのですが、何でもかんでも「それ、正解」と褒めてくるものだから、しまいには「コイツ、真面目に仕事しているのか…?」と信頼できなくなってきます。Claudeはそういう余計な愛想が皆無です。淡々と的確な答えを返してくれる実務家のようなAIなので、ゼミ準備に用いるにはClaudeの方が良いと思います。
NotebookLMで論文の概要と要点を把握する
ゼミで扱う論文を決めたら、まずはNotebookLMに論文のPDFをアップロードしましょう。ものの10秒でAIが内容を理解し、何でも質問できる体制が整います。人間が10秒で理解できるのはせいぜいコンビニのレシートくらいですから、テクノロジーの進歩には素直に感謝すべきでしょう。
準備ができたら、まずは論文の全体像を聞いてみてください。NotebookLMは文献を隅々まで読み込んだうえで、アブストラクトや結論の単純な和訳ではなく、論文全体の流れをふまえた回答を返してくれます。
もちろん、AIの回答を読んでも「ちょっと何を言っているか分からない」ということはあるでしょう。安心してください、それ、正解です(チャッピー風)。もし分からなければ、分かるまで何度でも聞き返してください。AIは嫌な顔ひとつしません。人間の指導教員にはなかなか6回も7回も同じことを聞けないでしょう。しかし、AIなら100回聞いても怒られません。遠慮なく質問を繰り返しましょう。
概要が掴めたら、次は各論に入っていきます。研究背景や実験方法、各図表についての著者らの考察など、セクションごとにNotebook LMに尋ねていきましょう。いきなり頭から論文を読み下していくよりも、LMでステップバイステップに理解していく方が確実ですし、それでいて圧倒的に速いんですよね。
Claudeで不明点や質問されそうなところを各個撃破する
NotebookLMは大変優秀なAIですが、ひとつ明確な弱点があります。アップロードした資料に書かれた情報からしか回答を返せないという点です。
もし、実験装置の動作原理や分野の基礎的な背景知識を知りたいとするじゃないですか。該当事項について論文中に記載があれば教えてくれます。でも、記載が無ければ、LMくんはお手上げ。木から落ちたサルよりも役に立ちません。守備範囲の中では完璧な応答を見せるLMくんも、守備範囲外外のこととなると、「申し訳ありません、分かりません」といかにも申し訳なさそうに返事してきます。
論文って、専門家が読む前提で記されている媒体なんですよ。あまりに基礎的な事柄は、読者が知っている前提で進むため、懇切丁寧に記されていないことが大半です。つまり、学生が確認しておきたい情報の多くは、論文に書いていないことが多いのです。
論文に不記載の情報を補うために、ここでClaudeに登場していただきましょう。Claudeにはネット検索機能がついていますので、検索を活用しながら不明点をひとつずつ潰していってください。その際、Claudeの最上位モデルを使って、より正確で網羅的に情報を得るよう心掛けましょう。
分からないことを分からないまま放置するのは、ゼミ発表において最も危険な行為です。先生がたや先輩たちは、発表者が理解の浅いところをピンポイント爆撃してきますから。あれは一種の超能力だと私は思っています。
疑問点の解消がひと通り済んだら、次はいよいよ質疑応答対策です。Claudeに論文を読ませたうえで、「もしこの論文をプレゼン発表するとして、質問されそうなところを教えて」と指示してみてください。Claudeが想定質問とその回答案を一生懸命考えてくれます。一度の応答では網羅しきれないことが多いので、何度か繰り返し指摘を求めるのがコツです。ここで想定質問を徹底的に潰しておけば、本番での安心感が格段に違いますよ。
Claudeでスライドを作成し、微修正して完成させる
最近のAIは本当にすごくて、なんとスライド作成までやってくれます。特にClaudeは、資料の内容を網羅した図解付きのpptxファイルを出力してくれます。もはや何でも屋です。パワポ職人が駆逐される未来は、すぐそこまで迫っているでしょう。
さて、Claudeにゼミ用スライドの作成を依頼してみましょう。スライドの配色やスタイルについてはご自身の好みで指定してください。数分待てば、発表用のpptxファイルが出来上がります。ただし、ここでひとつ正直に申し上げると、AI作成のスライドをそのまま本番に使うのは現時点ではまだおすすめできません。レイアウトに粗さが残りますし、何より、論文中の図表は自らの手で埋め込む必要があります。
完成度ゼロから70%までをAIにお願いして、自らの手でClaude作成のたたき台を90点まで仕上げる感覚ですね。Claudeが作ったスライドを骨格として、論文中の図やグラフを貼り付けながら発表用の資料に仕上げていきましょう。発表原稿が必要な方は、これもClaudeに頼めば数分で作成してくれます。
ここまで準備すれば、ゼミ発表はもう怖くありません。と言いたいところですが、教授の質問が想定の斜め上から飛んでくる可能性だけは、どれだけ優秀なAIにも予測できません。そこだけは、皆さんの日頃の勉強と度胸でなんとか乗り切ってください。
皆さんの健闘をお祈り申し上げます。




















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