ミソフォニア(音嫌悪症)とは?辛さは?治るの?ミソフォニア歴11年の私が解説

札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。『ミソフォニア (音嫌悪症)』という病気を患っています。ミソフォニアとは、【音】にまつわる病気。鼻をすする音や咳払いの音などといった特定の音が耳に入った際、それを雑音として受け流すことができず、悲しくなったりイライラしてしまったりします。ミソフォニアは高校二年次あたりから発症。歳を重ねるにつれ症状が悪化していき、大学院博士課程二年次現在、毎日やっとの思いで暮らしています。

この記事では、私が11年間苦しめられているミソフォニアに関するアレコレを話します。

  • ミソフォニアとは?
  • ミソフォニアになると何が辛いの?
  • ミソフォニアって治るの?どうやったら楽になるの?

こうした疑問を解消できる記事になっているので是非最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めていきます

目次

ミソフォニアとは?ミソフォニアを患った有名人は?

ミソフォニアとは”音嫌悪症”のこと。ある特定の音を常人より過敏に気にしてしまったり、憎しみを抱いたり悲しくなったりと意図せず感情が強く揺さぶられるのが特徴。

耳から入る全ての音を嫌いになってしまうわけではありません。私の場合は鼻をすする音、ある人の場合は咳払いの音、また別の方なら咀嚼音などによって症状が引き起こされます。つまり、発作を引き起こすトリガー音が人それぞれ異なるのです。症状の程度も異なります。不快感を覚える程度の人もいれば、心臓の拍動が止まって息苦しくなるほどの発作が引き起こされる方も。ミソフォニアへ”ミソフォニア”と専門用語が付けられたのは2003年のこと。ミソフォニアに苦しめられていた人はおそらく昔から居たのでしょうが、わざわざ医学的な名前を付けるほどには存在が認知されちなかったのかもしれません。

ミソフォニアの罹患者として特に有名なのが、チェコの文豪・フランツ=カフカ。『城』や『変身』を始めとする奇抜で独創的な世界観が特徴。「執筆活動をするには【死人のような孤独】が必要だ」と仰ったよう。雑音の無い、完全なる静寂を強く求めておられました。あ~、めちゃくちゃ分かるなぁ、この気持ち。私自身、症状に悩まされるたびに音のしない世界へ飛び立ちたくなります。他にも、イギリスの科学者・チャールズ=ダーウィン、フランスの詩人・マルセル=プルーストなどがミソフォニアを患った有名人のようです[ミソフォニアだった可能性がある、世界的な偉人・有名人。音に敏感なことと創造性にはどんな関連性があった?]。明らかになっていない方を含めたらおそらくまだまだ居るでしょう。

ミソフォニアの辛さとは?

ミソフォニアの特に辛い所は、家を出た瞬間から帰ってくるまで音に怯え続けねばならない所。(いつ周りから嫌な音を出されるか…) と常時警戒モードを保つがゆえに消耗します。学校や乗り物の中では全く安らかに寛げません。場合によると、極度の緊張状態は家の中でさえ続く可能性が。私の場合、母親が頻繁に鼻をスンスンすするタイプでした。大学受験勉強の際、一日の大半を家で過ごしていた期間は音に悩まされっぱなし。「すするのを止めて!鼻をかんで…」とどれだけ懇願しても『寛容になりなさい』のひと言。ミソフォニアではない人に対して我々の感じている辛さは伝わりにくいみたい。

ミソフォニアになると、人の輪に交じって他人と一緒に何かを共同で行うのが難しくなります。嫌な音を発されるのが怖いがあまり、人との物理的な接近が極度に怖くなってしまうのです。別にその人のことが嫌いなわけではありません。音だけが嫌い。嫌な音さえ発さなければ好きなのに、トリガー音を至近距離で発されて苦しい思いをさせられるから接触を避けねばならなくなります。人との距離を縮めたくても縮められないのがもどかしくてたまりません。どうして自分だけ音が苦手なんだろう。どうして音なんかに人間関係を制限されなきゃいけないのか…

ミソフォニアって治るの?楽に生きるにはどうすればいい?

2024年8月現在、ミソフォニアの根本的な治療法は見つかっていません。症状を抑えたり緩和したりする薬も未だ開発されていない状態。症状を訴える人があまりに少ないせいか、そもそもミソフォニアが生じる機序さえほとんど明らかになっていないのです。研究者界隈でミソフォニアの存在が広く認知されているかどうかさえ微妙。辛さをやり過ごす手段は対処療法のほか無いようです。

  • 嫌な音をかき消すような雑音を混ぜて音をごまかす
  • 耳栓やノイズキャンセリングイヤホン/ヘッドホンを装着する

など、物理的に耳から音をブロックするのが効果的。私自身、大学受験生時代はイヤホンで音楽を聴きながら勉強していました。クラシックの音楽、特にモーツァルトのヴァイオリンを好んで聴いていた記憶が。ヴァイオリンを始め、高周波数の音を聴けば癒されるんですよね^ ^ 音でたまったストレスが頭からすっかり抜け落ちて行くのが感じられました。

最後に

ミソフォニア (音嫌悪症)に関するアレコレは以上になります。正体が未だ明らかになっていないミソフォニアについて知るための参考になれば幸いです。

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