【研究室生活】他人の研究内容を見て羨ましく思った時の対処法 (隣の芝は青い)

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1として国費から給料と研究費を頂いています。B4の4月に研究室配属された際、配属前にやりたかった研究テーマを担わせてもらえませんでした。与えられた別のテーマに熱を注ぐもなかなか面白みを見つけられず、自分のやりたかったテーマに喜々として取り組む同期を羨ましく思っていたのです。

この記事ではその経験を踏まえ、他人の研究テーマが羨ましく思えた時の対処法について解説します。

  • 研究が思い通りに進まない方
  • (アイツはいいなぁ…)と他者を羨ましく思った方

こうした方々にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

与えられた研究テーマに没頭すればいつの間にか好きになっていく

最近の自己啓発本やインフルエンサーは「好きなことに没頭しよう!」と言っていますね。まるで裏で打ち合わせでもしたかのように口を揃えて主張している。好きな事をしていれば”今この瞬間”がもの凄く充実してくるし、些細な悩み・漠然とした不安に惑わされず生きて行けます。私自身、趣味の読書に興じる時間ほど心の休まる時間はない。「好きなことに没頭しよう!」は成程確かに道理にかなう。しかし、【没頭したものを好きになる】のも人間の側面だと思うのです。最初は苦手意識のあったモノでも、やり方やマインドを変えてみれば印象がガラリと変わるケースも。

苦手・嫌いな研究テーマに没頭するのは難しい。没頭するのが難しいから好きになれないんですものね。そこでまずは少しでも楽しくしようとする”試行錯誤それ自体”に楽しみを見出してみて下さい。あーでもない、こーでもない…と悶え苦しむ行為自体を楽しむドM気質が重要なのです。苦しむ行為に専心する。難しく考えてはダメ、(あぁ、なんてしんどいんだろう…)とひたすら嘆きまくるのです。他人を羨望してしまうのは大抵、他人の方が順調に見える時。相手が派手な成果や成績を出し、自分の方がどうしようもなく劣って見える時。もしドM気質が心に育てば (そんな簡単に研究が進んで楽しいか?)と穿って捉えられるようになる。”自分の方が苦しんでいるのだから自分の方が充実しているじゃないか♪”というワケです。

試行錯誤には必ずゴールがある。考えに考え、また考えて、体力が尽きかかったまさにその瞬間、ポンっと最適解が降ってくる。苦しむ量が多ければ多いほど深い歓喜を味わえます。(あぁ、ここまで頑張ってきて良かったなぁ…)としみじみと実感するのです。テーマに愛着が湧いてくるのは一つ壁を乗り越えたとき。一緒に苦しんだ戦友として研究テーマが愛おしくなってくるでしょう。テーマを好きになるのはもはや時間が解決してくれる問題。その頃には他人のことなど視界に入らなくなっているはず。最初は”試行錯誤”や”苦しさ”に無理やり没頭していただきました。しかし気が付いたらアラ不思議、研究が大好きになっちゃいましたね♪

目に見える結果が出るまでひと踏ん張りしよう

与えられた研究テーマが好きになれない一因はひょっとすると、『まだ目に見えた成果が出ていないから』という理由かもしれない。成果が雨後のタケノコのように飛び出してくるならテーマを嫌いにはなりにくいし、(なんでアイツは成果出しているのに自分だけ…)と不満を抱くこともない。研究の何が難しいって、いつ成果が出るのか誰にも予言できない点です。成果が出るまで○か月とハッキリ分かるなら良いものの、そんなの分からないし、研究テーマによってバラバラだし、先に成果を出した人とついつい比較し劣等感を抱きがちに。前述のように、ゴールへの到達経験が一度でもあれば他人など気にならないでしょう。一度目のゴールに達するまでが (いつゴールするか目処が立たぬから)最も苦しいんですよ。目に見える成果が出るまで踏ん張る・やり抜くのが重要『簡単にうまくいくわけがない』とあらかじめ理解した上、成果の出るサインが見えるまでコツコツ努力し続けましょう

また、仮に成果が出たとしても、(コレが何の役に立つか分からない…)とやり甲斐に直結しない場合も。私自身がまさにコレで、ポンポン成果は出てくるものの (この成果で社会がどう良くなるんだ…?)とサッパリ見当がつかなかった。コレに関しても対処法は同じで、役に立つ成果が出るまで試行錯誤し続けるしかない(根性論っぽくて御免なさい)。成果のアプリケーションをハッキリと意識し、研究のやり方・論文の読み方を日々マイナーチェンジするのみです。私の場合、周りに言われるがまま基礎研究している間は面白くなかった。成果が海外のビッグジャーナルに掲載されたのとは裏腹、(いったいどこが楽しいんだよ…)とやり甲斐などこれっぽっちもありません。そこで、研究のベクトルを基礎から応用方面に少し転換してみたのです。電池が充放電され使われているから、実験も充放電を意識したものに変えてみました。すると研究の面白さが100倍も上昇。「こんなに面白くなるのか笑」と吹き出してしまうほどガラリと景色が変わりました。あまりに研究が面白くってアホみたいに実験をガンガンやりまくった所、ビッグジャーナルへの投稿を狙えそうなデータがなんと2セットも揃いました!その成果を論文化して投稿すれば博士課程の短期修了が目論めます^ ^

研究が”役に立たなければいけない”と決まっている訳ではありません。どのような研究にも何かしらの価値があるもので、自分がその価値を”価値”だと思えるか否かがココでは大切になってきます。

自分の芝(研究テーマ)を青く(面白く)できるのはこの世で自分ただ一人

隣の芝が青く見えたとき、他人を羨ましがっているばかりでは事態は何も解決しません。周囲の足を引っ張り相対的に自分の芝を青くしたって全く意味ない。『自分の芝を青くできるのは自分ただ一人だ』と心得ましょう。己の手で研究テーマを育てていくしかないのです。このように書くと (厳しいことを言うなぁ…)とお思いになるかもしれません。しかし別の角度から考えてみれば、”自分の創意工夫次第でいくらでも研究を面白くすることができる”ってことに。自己責任な研究の世界は太平洋の如く自由で広大。どこへどのように舵を切ろうと誰もとやかく言いはしません (尤も、指導教員次第ではありますが…)。知的フロンティアを切り拓いた末に人類未踏の境地へ行けるかもしれない。そこへ行くまでの過程、行ってからの歩み、これら全てが”芝”を育てる養分になります。

今は自分の芝をまだ誇らしく思えないかもしれません。私自身、研究室配属時から2年半以上も隣の芝が青く見えたから、他人のことを羨む気持ちが本当に良く分かるんです。もし羨ましくてたまらなくなった時は、「この研究テーマを他人から羨ましがられるほど育ててやるぞ!」と気持ちを切り替えてみて下さい。面白くないテーマを面白くできれば正真正銘の大偉業。成功の暁には大きな達成感を味わえるのに加え、”自分でテーマをここまで育てたんだ”と多少の矜持をも得られるでしょう。面白い研究テーマを最初からあてがってもらった人には得られない感慨を楽しめるのです。

最後に

他人の研究テーマが羨ましく思えた時の対処法はコレで以上になります。まとめると、

  1. 与えられた研究テーマに没頭しよう。人間は没頭したものを好きになる習性がある
  2. 目に見える成果が出るまでひと踏ん張りしよう。”簡単に成果が出るわけじゃない”と認識した上でコツコツ試行錯誤すること
  3. 自分の研究テーマを面白くできるのはこの世で自分ただ一人。面白くないものを面白くできたらめちゃくちゃ凄いから頑張ってみて♪

このような形になります。

自分の芝を青くできた成功体験は自分の生涯をも下支えします。この記事が皆さんの研究室生活、果ては今後の人生を上向かせる端緒となれば幸いです。

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