1/1 全体の行程
フェリーを乗り間違える
疲労で10時間ほどぐっすりと睡眠。10時ごろ起床。デスクワークを済ませて食事を摂り、少し落ち着いてから観光に繰り出した。地下鉄で港まで一直線。ちょうどあと数分で出航するフェリーに乗り遅れまいと慌てて飛び乗る。行き先がいつもと違うような気が。まぁ、いいや。対岸に着けば万事OKだ。
どうやら予感は正しかったらしい。思っていたのとは違う、2kmほど北の港に接岸してしまったようだ。正しい港まで歩いて進む。今日は特に忙しくないので乗り物を使わず自分の脚で行く。にしてもポカポカ暖かい。予報だと気温は15℃もあるよう。今ごろ札幌は-5℃。猛吹雪で大変なことになっているはず。暖かい場所に居られて良かった。今年の冬は楽に越せそうだ。
イスタンブール→ソフィア間の夜行列車チケットを購入
今日の仕事は一つだけ。1/3イスタンブール→1/4ソフィアの夜行寝台チケットを買うこと。イスタンブール・ハルカリを20時に出発。ブルガリアのソフィアには9時20分着の予定。ネットのブログ情報によると、この列車は到着が遅れるのがスタンダードらしい。1時間や2時間の遅延は普通。3時間以上の大幅な遅れも過去に何度かあったよう。私自身、ソフィアで特別何かやりたいことがあるわけでもない。到着が何時間遅れようが構わない。むしろ、時間つぶしのため、多少はソフィアに遅れて着くぐらいがちょうど良い。寝台列車を使わぬ理由がないほど私には最適な移動手段だった。
一応この列車はユーレイルパスが使える種別の列車。パスを使えば幾らか割引でチケットを購入できるだろう。駅で国際列車の乗車チケット売り場を発見。窓口のおばちゃんに「ソフィア行きの列車に乗りたいんですけど!」と声を掛けた。
いつの便?
明後日だよ。1/3!
今日?
いや、明後日!!
あぁ、明後日ね。3日にイスタンブールを出る便?
そうそう、それに乗りたいの!
んで、どのタイプの部屋にする?
一室に1ベッドあるヤツでお願い!
ワォ… €70ぐらいするけどいい?
1等車両に乗れるユーレイルパスを持っているんだけど割引は効かない?
ユーレイルパス?
なにそれ…?
えっ?!ユーレイルパスだよ!列車が乗り放題になるやつ!
この列車にそのパス、使えたっけ…
アプリでは“使える“って書いてあるよ。ほらほら
(とスマホの画面を見せる)
ホンマや。でもお兄ちゃん、ごめんな。ウチのパソコンじゃユーレイルパスを使った割引料金が出てこないわ
マジでっか… ほな、一室に二ベッドあるタイプの部屋にしようかな
それなら€41で乗れるよ
よし、ソレにするわ
分かった。パスポートとクレジットカードをちょうだい
OK!
とチケットを購入できた。
ユーレイルパスを使えなかったのは残念。使えぬことはないはずだけれど、お姉さんが頑として「無理」と言うから仕方なくパスを適用せずに購入。一泊分のホテル代と移動費コミで€41 (6,500円)なら安いだろう。相部屋は誰と一緒になるのか、はたまた一人で独占できるのか…?寝台列車は「ハルカリ駅」という少し郊外の駅から出る。間違って中心街の駅に向かわぬように気を付けなければならない。
100万トルコリラの夜景
この日唯一のタスクを終え、宿に帰ってのびのびと仮眠をとった。17時ごろに目を覚ます。何だか無性に夜景を見たくなってきた。スマホで夜景スポットを検索。200TL払えば昇れる電波塔がある。イスタンブール市街を一望できる高台・チャムルジャの丘を見つけられた。高台は無料。よし、こっちにしよう。高い所に昇るためにお金を払うのは何だかバカバカしく思えた。宿から地下鉄と電車を乗り継ぎ、降り立った駅から歩いて向かえる距離。一瞬“疲れたし明日にしようかなぁ…”と思ったが、明日は午後に雨が降るらしく、綺麗な夜景を見たけりゃ今から高台へ行くしかなかった。
駅を出た瞬間から登坂が開始。斜度10%、いや20%はあろうかと言わんばかりの激坂を歩いて登る。吾輩はウルトラマラソンランナー。坂道は練習で進み慣れている。たかがこの程度の坂道で息が上がっていては話にならぬ… いや、キツいぞ笑。何なんだ、この坂は。ゼーハー息を上げながらの登坂。
傾斜が穏やかになった所で少し目線を上にあげてみた。強風にはためくトルコ国旗が視界に入った。正直、怖かった。非常に不気味な印象を受けた。謎めいたエギゾチックな印象ではない。「今すぐココから逃げた方がいいんじゃないか…?」と恐怖の感情さえ覚えた。
大旗の左に視線を移す。ボスポラス海峡を挟み、燦然と輝くイスタンブール市街がお目見え。あぁ、美しい!鳥肌が立ってきた。一つ一つの灯りが揺らめいて見える。綺麗だなぁ… ずっと見ていられるわ。アジアと欧州の交差点にはまるで銀河かと見紛う新世界が。大都市を斜めに横切る大通りがまるで天の川のように颯爽と輝いていた。
海峡の北側ではロシアとウクライナが、南側ではハマスとイスラエルが戦争を繰り広げている。両紛争地点のおよそ中間に位置するイスタンブール。すごい所に来てしまったな。殺伐とした戦争の雰囲気など歩いていて微塵も感じられないのだけれども、大国のふとした気まぐれで火の粉が散って戦火に包まれる可能性もある。みんな、仲良くできないのかな。チャムルジャの丘に登ってこの夜景を見れば戦争する気などなくなるだろうに。
180度反転してアジア側の夜景も一応見ておこうか。ヨーロッパ側よりアジア側の方が灯りの数は多く見える。個人的にはヨーロッパ側の方が好み。アジア側は幾らか落ち着きすぎるようだ。観光するならヨーロッパ側。もしも住むならアジア側だ。
スマホのホーム画面の背景用に縦型の写真を一枚撮っておいた。明日から待ち受けはコレに決定だな。早速設定を変えておかなくっちゃ♪
丘の北の方には青白いモスクが見えた。お寺でも神社でも同じだと思うが、夜になると宗教施設が不気味に映るのは世界共通なのかな。イスタンブールの子供たちは「悪いことをしたら夜、モスクに置いていくぞ?!」と脅されて育てられているのだろうか?いや、道徳教育の行き届いている彼らはそもそも悪巧みをしないのかな。私は親から“墓場に置き去りにするぞ”と言われ、ビービー泣きべそをかきながら「ごめんなさいー( ノД`)」と散々謝っていた。家の外になら何百回も放り出された。夜空に響く私の鳴き声は団地の夏の風物詩だったらしい…笑 (笑えない)。
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