ブルーモスクを見学
トルコ滞在は今日&明日でおしまい。明後日からはブルガリアやルーマニアなど、本格的な東欧観光に入る。トルコでやり残したことは無いか?…トルコ初日に外だけサラッと観て済ましたアヤ・ソフィアとブルーモスクが気になってきた。アヤ・ソフィアの入場は有料。1時間以上もの長蛇の列に並ばねばならぬのも嫌だった。反面、ブルーモスクの入場は無料。順番待ちはアヤ・ソフィアの半分以下で済みそうだから「よし、行こう!」と決断。
ボスポラス海峡をアジア側から横断中に遠目から見えるブルーモスク。近くで見ると、その驚異的な大きさには思わず“すごいな…”と畏怖の念を覚えた。これほど大きな建築物をクレーンや重機を何も使わず作っただなんて。宇宙人の仕業だろうか?はたまた超人?誰が作り上げたのだろうか?そもそも、こんな美しい装飾を思いついたデザイナーが偉大。
高さは30mほどもあろうか。天を下から突き上げんばかりに聳え立つモスクの下には幻想的な世界が。カラフルなステンドガラスからはある種、キリスト教の教会っぽさを感じる。見慣れない模様や読み慣れぬアラビア文字から“ココはモスクだ“と思い出させられた。様々な言語のコーランも置いてあった。コーランはアラビア語で読んでこそ預言者が発した言葉の真の意味を理解できるらしい。というのも、文章の節々で韻を踏んでいるみたいなのだ。まるでシェイクスピアのようでお洒落だ。何度もゆっくり読み込めばイスラム教の精神とアラビア語の素養を同時に磨けるワケだ。
日本を貫く国家神道には教典と呼ばれる本がない。神道は人として善く生きる方法を説くシンプルな教えである。昔の日本人は教典など無くても道徳的規範を保つことができた。しかし、神道が大東亜戦争に悪用された結果、特攻作戦や一億総玉砕戦術など精神的な戦略をとるようになった。結果、敗戦して国が壊れた。正しく用いればこれほど平和な教えは他にないと思うのだが、様々な人間の思惑や利権が複雑に絡み合う現代に平和的な利用は難しいのかもしれない。
激辛ケバブ
最後の晩は一人で外食へ。宿の目の前にあるケバブ屋さんに突撃してきた。天気は雨。お客さんはゼロ。店員のおじいちゃんがニコニコ笑顔で「おいでおいで~^ ^」と手招きしてくれた。
渡されたメニュー表を開いて見てみるも、ちょっと何が書いてあるのか分からない。辛うじて“ケバブ“だけは分かる。あとは何が書いてあるのか分からない。頑張って解読してみよう。…無理や。読み方さえ分からぬ文字が多数。「英語のメニューは無いですかねぇ?」『ksDhdVLISh (無いわ、ごめんね~m(__)m)』と申し訳なさそうな顔でのお返事。意を決し、店員さんへ「ケバブ!」と勢い良く注文。通じたようで、『スパイシー?orノンスパイシー?』「スパイシー、プリーズ!」とコミュニケーションが成立。
20分ほど待つと、手元に食べ物が運ばれてきた。手前がケバブ。奥が左から順に紫キャベツ、大根&辛子、そしてカット野菜のセットである。
ナンの下にお肉が潜んでいた。“包んで食べなさい”ってことなのかな?試しにひと口食べてみる。うん、美味い!ジューシーで、注文通りスパイシーだ。米と一緒に食べても美味。野菜と包んで摂っても美味しい。辛子と一緒に食べても… いや、辛い辛い辛い!!!あ~、涙が止まらない。
ナイアガラの滝の如く溢れ出た涙と鼻水を処理。上を見上げるとソコには大きなテレビが。羽田空港で炎上しているJALの機体が目に入った。トルコの国営放送でも大きく取り上げられていた。日本はいま、酷いことになっている。元旦には大地震、その翌日には飛行機の炎上。今年は今までにない激動の一年になりそう。緊急事態のオンパレードじゃないか。正直、(こんな所でぶらぶらしていて果たして良いのだろうか…) と不甲斐なくなった。何か役に立てることは無いのか?出来うることといっても…特に無いんだよな。健康に過ごして旅行しながら学術論文を書くぐらいしかできない。
店員さんがテレビを指して『ジャポン!ジャポン!』と叫んでいた。無言で“うん、うん…”と悲しい顔で応じた。トルコは大の親日国。自分の国がリラ安で崩壊寸前でも日本を丁寧に気遣ってくれる。優しいなぁ、みんな本当に優しい。帰国後、私もこの人たちの生活を豊かにできるよう研究を頑張ろう。
ケバブセットは320TL (1,600円)。メニューでは290TLとなっているが… まぁ、特に文句は言わないでおいた。
日本人大学生との会話
宿に帰って寝る用意をした。“さて、ベッドに横たわるか…”と倒れる瞬間、「もしかして日本人ですか?」と尋ねられた。今度は相手も日本人。日本語で会話のキャッチボールが弾む。ラウンジへ行って二人でお話。久々に日本人と話せるのは嬉しい。
彼は神奈川の大学3年生。大学の単位は既に取り切り、今はバイトで貯めたお金を使ってトルコをブラブラしている最中なのだそう。帰国予定は1月の中旬。のべ3週間ものトルコ滞在ということに。私が大学生の頃は海外など全く頭になかったな。趣味でやっているランニングのことばかり考えていた。バイトで貯めたお金はシューズや大会のエントリー代・遠征費で消えた。
『久々に日本人と喋りました^ ^!』と相手も笑顔。「3か月ぶりに日本語を使って対面で誰かと話しましたよ」と言ったら驚いていた。留学先での苦労を聴かせてあげた。彼も留学に申し込んでいるらしく、幾らか参考になる情報を届けられていたら幸いだ。『留学に行ってみて良かったですか?』「良かったと思う。日本ではできない体験ばかりでしたよ」『じゃあ僕も行ってみます!』「ぜひぜひ^ ^」若者よ、どんどん海外へと羽ばたいてくれ。
彼は『日本には一億人も人口がいるはずなのに、どうして海外で日本人をなかなか見かけないのでしょうねぇ』と首を傾げた。「きっと日本が良い国過ぎるからだよ。居心地最高の場所からわざわざ遠くへ行こうと思わないでしょ?」と言ったら『そんなもんかぁ…』と納得してくれた。私自身、留学する前は留学や海外旅行の必要性に幾らか疑問を感じていた。行ってみてようやく理解できたもの。【行ったら視野が劇的に広がるじゃん】と。
2時間近く話していると、あっという間に日付変更線を越えた。『そろそろお開きにしましょうか』「そうですね。今日は楽しい時間をありがとうございました^ ^」『こちらこそ♪』と気持ち良く別れて就寝。
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