こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。
研究室生活春夏秋冬シリーズの九作目は、B4の11月にあったつくば出張をめぐるアレコレについてです。
それでは早速始めましょう!
急遽二度目のつくば出張が決定
あの瞬間は本当に何の前触れもなく唐突に私の元へ訪れました。
研究室で先月末までのつくば生活にて蓄積したデータを整理していた時のこと。突然指導教員のA先生が学生部屋に入ってきて、「ちょっと話がある」と私を呼び出したのです。
(何かやらかしちゃったかな…?)とちょっと考えてみたものの、思い当たる節が全くありませんでした。
そこで(何やろうなぁ…)と疑問に思いながらA先生の居室へと向かいました。
部屋に入るや否や、A先生から「まぁ、座りなさい」と厳かに着席を促されました。
”コレ、何かやらかしたヤツやん!”とツッコミたくなってしまったものの、先生があまりに真剣な顔をしているのでツッコもうにも何も言えませんでした。
着席後、先生が何も言い出さないので「どうしたんですか?」と質問してみました。
すると先生は笑顔になり、「ねぇねぇ、論文書いてみる気ない^^?」と急にノリノリになってきました。
何か私の不手際を指摘されるのではないかと思っていただけにめちゃくちゃ緊張していたのですが、先生の弾けんばかりの笑顔を見て緊張の糸が切れてしまい、私までなんだかノリノリになって楽しくなってきちゃいました。
私の返事はYes!!です。「はい、喜んで!」と居酒屋店員の如く答えました。
すると先生は大喜びです。「マジで!いいの?!」と発狂寸前のテンションで盛り上がっておられました。
どうやら、某海外雑誌が4か月後に特集号を発行するらしく、その発刊のタイミングで論文を投稿すれば高確率でアクセプトされるらしいのです。
”ならばその機会を逃さず論文を出してやろう!”とのことで、急遽4か月後の論文出版目指してデータ集めをすることとなりました。
一口に「データを集める」と申しましても、私の実験は装置の都合上、つくばへ行かなくちゃ何も進められません。
そこでつくば出張の日取りを打ち合わせ、論文を書くことが決まった2週間後の月曜から出張することとなりました。
期間はおよそ3週間。中だるみするほどは長くなく、かといって何も成果を出せないほど短くもありません。
よっしゃ!絶対成果出して論文書くぞ!
とめちゃくちゃ気合を入れてつくば出張に臨みました。
つくばでの地獄の三週間
つくばでの3週間は本当に波乱万丈な時間でした。
先月までの滞在と違い、第一週目からそれっぽい実験データが得られたのです。
第二週目はさらに精度の高いデータが得られ、指導教員に見せても(コレなら論文書けるね👍)とGOサインが点灯しました。
しかし、第三週目の水曜朝に悲劇が起こってしまいました。なんと、集めた全データが使えないデータだと分かったのです。
①実験セルの作り方を間違えてしまっていたこと
②測定にあたり参考にしていた理論値の計算方法が悪かったこと
この2つのミスが重なったせいで『誤った実験値』と『誤った理論値』が偶然一致してしまっており、その結果、本滞在期間中にこれまで測定したありとあらゆるデータが取り直しになってしまったのです。
滞在期間終了の金曜夜まであと2日半しかありません。その中で結果を出さねば論文に投稿できなくなります。
諦めれば楽だったとは思いますが、(論文を書きたい!自分の名前を世界に知らしめたい!)という思いが勝って勝負続行を選びました。
そこからは本気のフルスパートをかまし、怒涛の勢いで実験セルを作成しました。
新しい作成法で作った実験セルから得られたデータは計算し直した理論値とよく一致しており、(最初からこうやって実験すればよかった…)とかなり後悔いたしました。
最終的には滞在可能時間の30分前まで実験をやり続けました。
どうにか所望のデータをすべて揃えられ、
あぁ、良かった…
とホッと一息つけました。
実験後に食べたラーメンは体の芯まで染みて美味しかったです。
滞在期間中の出来事の詳細につきましては以下の記事をご覧ください。
次回予告
研究室生活春夏秋冬B4・11月編についてはコレで以上となります。
次回、B4・12月編では
- 全速力での論文執筆
- 卒論作成
- 中間報告
これ等3つについてお送りします。
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