理工系博士学生の就活は楽勝!博士号を携えて就活するメリットとは?

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大化学系大学院生のかめ (D2)です。就活開始からおよそ1か月間で某大企業に内定しました。

博士学生として就活に挑むにあたり、(本当に就職できるかなぁ…)と不安しかありませんでした。SNSを見ても「修士から博士に上がった途端に就職の受け口が激減する」とネガティヴなコメントが見受けられ、就活前の私の不安はかなり大きなものがあったのです。しかし、実際に就活をしてみて”アレっ、もしかして楽勝…?!”と意外な手ごたえを得られました。この記事では実体験を元に、博士号を携えて就活するメリットを記します。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

専門性を活かした就活が可能

学士や修士までは人事の方から”最低限の専門知識を持つ人材”という目でしか見てもらえません。いくら懸命に研究へ打ち込んだとしても、たかが1年 (学士)、あるいは3年 (修士)で培われる専門性など知れているからです。私自身、M1の冬を思い返してみると、専門知識や論理的思考力が今よりも遥かに劣っています。(こんなひよっ子でよくもまぁ、採用面接で「○○を専門として学んできました!」と恥ずかしげもなく言えたなぁ…)とおぞましい思いがするほど。何か専門性を培うためには、最低4~5年もの修行時間が必要不可欠。それよりも短ければ、上辺だけの薄っぺらい言説しか紡ぎ出せません。

博士課程まで進学したら、無数の実験や修羅場、限界に絶望感などを否応なく経験するでしょう。難局を一つずつ乗り越えていくたび、修士の時とは比べ物にならぬほど研究力を総合的に著しく高められるのです。ジェネラリストだった修士時代からスペシャリストへと生まれ変わります。博士課程の最終年次になってようやく「自分の研究分野ぐらいは”専門家”と言っても良いのかなぁ…?」といった感覚に。大企業がいま渇望しているのは兵隊 (ジェネラリスト)ではなく指揮官 (スペシャリスト)の方。企業内でイノベーションを起こすために他所から専門家を引っ張り込みたくて仕方がないのです。企業自身が自社社員を博士課程に通わせるのは時間とお金があまりにもかかりすぎてしまいます。その点、博士卒として就活に挑めば専門家として評価してもらえるし、企業が最も欲しがっている人材としてアッチからもコッチからも「ぜひウチに来て下さい!」と引く手数多なのです。

専門性と企業のニーズが合致したらあっという間に内定に至る

専門家に求められるのは文字通り、スペシャルな能力です。それは専門知識かもしれないし、専門技術、もしくは長年の実務で培われた豊富な経験かもしれません。いずれにしても、企業はその人を雇う利点があるわけです。雇えば会社の利益に繋がる。企業の拡張や存続、利益率の向上に直結するというメリットがあります。学士や修士へ学術的にスペシャルな能力はさほど期待できません。それを期待するには研究室での活動期間があまりに短すぎるためです。しかし、博士へなら多少は期待可能。博士号獲得に向けて執念を燃やして行われた研究や勉強は大変高密度なもので、企業に入社後、ほぼ即戦力として現場で活躍していける力が培われます。

企業が欲している人材像と自分の専門性が合致すればあっという間に内定を貰えます。私の場合は就活が一か月で終了。人事の方に履歴書と研究概要を送るといきなり最終面接に呼ばれ、何が何だかよく分からぬうちにあっけなく内々定にまで至りました。自分の専門性を慎重に見定め、どの分野の企業なら自分を欲していそうかを分析しましょう。どこの業界を攻めれば有利に戦えそうか、激しい競争に巻き込まれずに済みそうかを研究して下さい。内定を”他の応募者との競争”と捉えるのは学士・修士の就活まで。博士就活は【自分の強みを分析し、なるべく競争を避け、自分が最も専門性を発揮できるフィールドで伸び伸びと戦う】がスローガン。

通年採用&知能テスト(SPI・玉手箱)を受けずに済む

博士就活は学士・修士と違い、いわゆる中途採用の枠で採用試験を受けられます。新卒の枠組みで博士を募集する企業も多くありますけれども、私の応募・内定した企業だと私は中途採用扱いのようです。

新卒就活と大きく違うのは次の2点;一年中いつでも応募可能、および知能テストを受けずに済む、です。修了時期の流動的な博士学生にとって、いつでも内定を掴める可能性があるのは大助かり。就活開始時期に修了時期を合わせるのでなく、修了できそうな時期を予想して就活を開始できるフレキシブルさがあります。また個人的には、SPIや玉手箱などといった知能テストを受けなくて済むのが地味に有難い。修士のころ知能テストをやったのですが、意外と頭を使う難しい問題が多くてなかなか対策が大変だったんですよね。我々博士学生の知能を信頼して知能テストを省いてくれているのでしょう。正直、国立大の入試を突破してきた人間の知能をわざわざ試す必要もないかと存じますが…

【入社後】初任給が高い。博士専用の昇給ルートに乗れるかも

上場企業の求人票を見ると、大学院卒、特に博士卒の初任給が全体で最も高いことに気付かされるでしょう。修士の方とは月2~3万円、企業によっては5万円~10万円ほどの大きな差がある場合も。修士卒が入社4年目に貰える給与が博士卒の初任給の目安。会社によっては博士専用の給与テーブルが設けられており、同世代の他の方よりも多くの給与をいただけるケースが有るようです(*ウチの会社はどうだか分かりません)。どちらにしても、学振特別研究員として貰っている給与額 (月20万円)とは雲泥の差。基本給だけでも高いのに、コレにボーナスや福利厚生がついて来るんですよ。まるで殿上人のようじゃないですか。極貧生活を卒業し、別次元の裕福な生活水準に切り替わる日が待ち遠しくてたまりません。

小耳にはさんだ情報によると、博士号を持っていれば企業で役職に就ける可能性が高まるようです。部署の部長やリーダーになるには博士号を持っていることが必須要件な企業もあるみたい。企業では役職に就いた途端、基本給が一気に跳ね上がります。博士号をお持ち/取得見込の方には大変嬉しいお知らせですね♪

最後に

博士卒、および修了見込者として就活に挑むメリットは以上です。

就職できるか怖くて博士進学を尻込みしている方もいらっしゃるかと存じます。ちゃんと真面目に研究していれば意外とすんなり内定が決まるのでどうぞご安心下さい^ ^

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