エンジニアの方からのご質問
エンジニアかめさん、こんにちは。エンジニアの○○です。いくつか質問したいんですけれども、まずかめさんはご自身の研究で『蓄電池のエネルギー密度向上』を狙っているんですよね。具体的にどれぐらいの数値のエネルギーまで向上させようと思っていらっしゃいますか?



(うわぁぁぁぁ、考えたことなかったわ… 確かにそうよな。「電池のエネルギー密度を上げます!」と言っているのだから、”どれぐらいまで上げたいの?”って気になっちゃうよなぁ)



すみません。具体的な数値まで考えたことがありませんでした。Li析出形態の謎解明にばかり頭を使いすぎて、ついついそうした実用面での数値の検討が疎かになってしまっていました…



そうですか笑!まぁ、大学の基礎研究ってそんなもんですよ。私の好奇心で質問しただけなので、深く気にしなくて構いません。入社後に勉強していただければ結構です



(ん?もしかしていま、内定フラグ立った?!)



あと、コレは聞くことになっている質問なんですけれども、



(そんなこと言っていいの笑?)



かめさんが研究で直面した困難、およびそれを乗り越えた方法を教えて下さい



(困難かぁ。毎日が困難だらけよ。何を言ったらえぇんやろか。つくば出張?実験の難しさ?それとも…せや、いいこと思い付いた!!)



私が研究で直面した困難は、そもそも何をどう研究するかを定めること、つまり『課題設定』です。
修士の段階でLiがなぜ凸凹に析出するのかを解明しました。今後、どうすれば平滑な析出に近付くかが肝心なのですが、その道筋は完全に真っ暗闇。何をどうすればいいかすら分かりませんでした



そこで私は大学図書館へ行き、自分の研究と関連のありそうな分野の入門書を次々と開いて読んでみたのです。関係があると思ったらなく、今度こそは!と開いた本も突破口を見出す糸口になりませんでした。ある日、めげずに図書館で本を開いて読んでいると、専門分野(電気化学)とかけ離れた分野である『流体力学』との間に親和性をふと感じました。電池内でのLi⁺の拡散現象も平たく見れば流体の運動。電池内部の電解液を”流体”と見立てれば更なる詳細な分析が可能ではないかと思ったのです。



私の直観は正しかったようです。電気化学と流体力学とを掛け合わせて拡散現象を整理して考えてみると、不透明だった拡散現象が突如、大変クリアなものに見えてきました。専門分野の範疇を飛び出したことで課題の再設定に成功しました。現在は新たに設定した課題を解決すべく、流体力学の勉強をしながら実験を重ね、理論計算も行っている所です



専門分野に異分野を融合させたことで新たな課題を設定できたのですね



仰る通りです。あまりカッコよくない、泥臭い作業でしたが、諦めずに調べ続けた結果、困難を乗り越えられました



よく分かりました。
ちなみにかめさん。あっ、話が前後しちゃってごめんなさい。



構いません



かめさんがやっているような研究って、ウチを含め、色々な企業が関心を持つんじゃないかと思うんですよ。これまでかめさんはどこか他の企業と共同研究をしてきましたか?



いえ、企業とは共同研究してきませんでした。ただその代わり、筑波の○○という国研と共同研究しております



あぁ、そうなんですか!
そこで一つ質問です。かめさんはどうやって○○さんとの共同研究を実現しましたか?



「この謎を解明したいから装置を貸して下さりませんか?」と頼み込みました。ただ頼まれても国研側は迷惑するでしょうから頼み方を工夫しました。「こんな実験をやったらあんなことが分かって、そうしたら別のあんな発見があるんじゃないかなと思います。その成果を論文にまとめて出版すれば、国研としても”ウチの研究所からこんな成果が出た!”と対外的にアピールできるのではありませんか?」といった形です。



国研を自身の研究に巻き込んだ結果、これまで国研の装置を使って何報も論文を書けるだけのデータを集めさせて頂いています。博士修了までだけでなく、御社へ入社してからも国研の共同研究者さんとは良好な関係を維持するつもりです



ぜひ、維持して下さい。
私からは以上です。色々と教えて下さりありがとうございました^ ^



こちらこそありがとうございましたっ^ ^
(二つ目の壁も乗り越えたな。あと一つ、頑張ろう!)



それでは最後に技術部長、よろしくお願いします



お願いします!


















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