研究室生活春夏秋冬vol.20 M1・10月 長い長い9週間のつくば出張と心の浮き沈みについて

こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。

M1・9月編で指導教員にD進を宣言し、その翌日から2か月・9週間に及ぶつくば出張へと旅立ちました。

研究室生活春夏秋冬M1シリーズ第七作目は、そのつくば滞在期間中の心の浮き沈みについて書いていきます。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

1~3週間目:まだ余裕。ゼミも授業もないので実験に全集中できた

9月中旬から始まったつくば出張の序盤は極めて快適でした。

ゼミや大学院の講義が10月初旬からの開講のため、第三週目までは目の前の実験のことだけに集中できたからですね。

ゼミや講義の何が嫌って、”それらがある”ことを忘れないでおくのに意識の何割かを割かねばならず、何もやってなくてもどこか疲労感を覚えるほど疲れてしまう所です。

例えば翌日の10時からゼミがあるとすると、

  • ゼミ前日から(明日のゼミを忘れないようにしなくちゃ)と記憶の片隅に”ゼミ”が居座り
  • ゼミ当日になると(今日は10時からゼミだから遅れないようにしなくちゃ)とゼミに意識を持って行かれるため他の作業が手につかず
  • ゼミ直前になると(パソコンは起動するかな?Wi-Fiにアクセスできるかな?Zoomにちゃんと入れるかな?)と絶えず心配事に煩わされ

このように、ありとあらゆる作業や頭脳労働の効率が著しく低下してしまうのです。

しかも、ゼミや講義が有益か?といっても、私自身には有益な時間だとはあまり思われませんでした。

その時間をどうにかして有意なものにしようと悪戦苦闘するよりは、自分一人で勉強内容を決めて粛々と進める方が何倍もマシだと思うのです。

4週目からゼミと講義が同時に襲来いたしますので、研究にフルコミットできる第三週までにできるだけ研究を進めました。

同時進行していた論文執筆のペースを少々抑え、我武者羅に実験を重ねて再現性のあるデータをたくさん得ることができました。

4~6週間目:辛くて辛くてたまらない。実験へ集中したいのに、ゼミや授業など、常に何かに追われて集中できなかった

頭を煩わしてやまないゼミと講義が第四週目から始まりました。

10・11月の講義は週2コマしかない(しかも両方とも出席を取らない♪)のでまだ負担は少なかったのですが、ゼミは火曜&木曜の午前9時半からスタートのため、大切な午前中の実験時間を週に二日も奪われてしまったのであります

大学の研究室とは違い、国研って土日は実験室に入室できないんですよ。

だからただでさえ平日に口から泡を吹くぐらい集中して実験しなくちゃ大学で得られるほどの進捗を得られないのに、それでもって週に2回、午前中に作業できないとなると、一週間で実質4日間分しか実験に使える時間が残っていなかったのです…

実験する気力は旺盛でした。実験をやりたくてやりたくて仕方がなかった。

ですが実験だけにはかまけておられず、”実験セルを作りながらゼミを聴く”という最終手段で凌いでいました。

この頃は常に何かに追われているような感じがして、全く心を休める暇がありませんでした。

あまりにストレスがたまりすぎて、アパートに帰宅後泣き出してしまうなど、情緒が不安定にもなっていました。

7週間目:辛さがピークに達する。研究室配属以来、初めて平日に研究所へ行かずサボってしまった

7月から書き始めた論文ですけれども、同年10月末になってもまだ全く完成していませんでした。

9月から論文のイントロダクション(導入部分)を作成し始め、ソコからは書いても書いても指導教員やつくばの共同研究者さんに突き返されてしまって微々たる進展しかありませんでした。

論文の考察パートで主張の誤りを指摘されるならまだ納得感があるのですよ。

しかし、イントロで「だめ、書き直し」と言われても何がおかしいやらサッパリだし、「何をどう直したらいいですか?」と聞いても”「もっとイントロっぽいイントロを書いて」とよく分からないアドバイスしか貰えなかったため、もはや(何が悪いんだよ…)とただ嘆くしかありませんでした。

論文執筆の息抜きとして実験をやり、亀のように進まない論文作成により生じたイライラを何とか発散させていました。

第七週目にはWordファイルを開くのが億劫になってしまっていました。

あまりに心がモヤモヤしすぎて、

かめ

無理!
もうやってられない!

とついに限界が到来しました。

研究室配属以来、初めて平日に研究室へ行かず、公然とサボったわけであります。

サボった日の午前中は家でゴロゴロふて寝して、何もすることがなく暇を持て余した午後は巨大ショッピングモールの『イーアスつくば』でダラダラ歩いておりました。

研究は一日分進められませんでしたが、サボったおかげで心をリフレッシュでき、非常に良い精神状態で第八週目を迎えることができました。

8週間目:一周回って楽になった。実験データがすべて出揃い、論文執筆にコミットできた

長かったつくば滞在も残りあと2週間。(ギアチェンジするなら今だな)と思い、心身ともに本気モードへカチッと切り替えておきました。

この頃になると辛さを感じる感覚が完全に麻痺してしまっていて、辛さが一周回って心地良く思えるようにメンタルが変化(強化??)されていました。

また、

かめ

ゼミのせいで週4日分しか実験できないのは己の運命だから仕方がない。論文のイントロで何度も突き返されるのも何かの運命だからどうしようもない。

と自身の現状を達観することに決めました。

すると(こんな理不尽なことってあるんか笑)と私の今の状態が面白く感じられ、笑ったおかげで活力が湧き上がってめちゃくちゃ元気になってきました。

丁度良いタイミングで、今滞在期間中に欲しかった実験データを全て出し終えられました。

講義の方も最終レポートを出し終えて2週間ほど授業のない期間となり、私の目の前に立ちふさがるものはゼミと論文のイントロ執筆のみとなりました。

こうなったら今滞在期間中に論文も片付けたくなっちゃいます。そこで、全精力を論文にぶつけて”コレだ!”としっくりくるイントロを作りました。

ソレを共同研究者さんにお見せすると非常に良いリアクションを頂けまして、「ちょっと添削してみるね」とようやく引き取ってもらえたわけであります。

論文執筆から半年ぶりに解放された週末の日曜、”論文がアクセプトされますように”と、茨城は鹿嶋市にあります『鹿島神宮』へ参拝に行ってきました。

鹿島神宮は日本最強の勝利の神様として有名のため、神様の力を借りて論文をアクセプトまで持って行けるように誠心誠意お祈りしました。

鹿島神宮正面で撮影。当日は七五三のお祝いをする家族連れで境内が大賑わいでした。

9週間目:念願の休憩モードを堪能する。1週間後に雑誌会を控え、札幌へ帰りたくなくなってきた

論文のイントロの添削が思った以上に長引くらしく、第九週目が終わるまでに添削が終わらない旨を共同研究者さんから伝え聞きました。

”あまりにイントロの出来が悪すぎる”というより、”共同研究者さんが忙しすぎて添削になかなか時間を割けないから”という理由だったそうです。

実験も論文も授業もなかった私はついに憩いの時間を手に入れました。

何もしなくていい一週間なんて果たしていつぶりでしょうかね?まぁ、ゼミには出なくちゃいけなかったのですが、左耳から入った音声が左耳に抜けていくといった形でスピードラーニング状態でした。

コレはつくば出張あるあるですが、あれだけつくば滞在で辛い思いをしたはずなのに、滞在最終週になると

かめ

帰りたくないなぁ…

とつくばとの別れを寂しく思い始めるのです笑

そして、(人間関係の面倒臭い札幌の研究室に戻るの嫌だなぁ…)と、だんだん帰りたくなくなってくるんです。

しかも今回は帰札1週間後に雑誌会を控えており、その準備をまだ何もしていなかったので猶更帰りたくなかったです。

かめ

このままずっとつくばに居たいなぁ…

と何もないはずのつくばが愛おしくさえ感じました。

次回予告

研究室生活春夏秋冬M1・10月編はコレで以上となります。

次回のM1・11月編では

  • 準備期間1週間で迎えた雑誌会の明暗は如何に?
  • 雑誌会の1週間後に迎えた学会発表の明暗は如何に?
  • 突如舞い込んできた博士進学者対象の大学発フェローシップ参加申し込みの一件

これら3つの内容をお送りしたいと思っています。

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