研究室生活春夏秋冬vol.56 D2・10月|内定式で会社の一員に。最後の雑誌会で初の試み。初雪からの紅葉。国家試験に一発合格

目次

18日:年末調整(リア幸50)

特別研究員が税金を取り戻せる唯一の機会が年末調整。研究遂行経費では抑えきれなかった所得額をさらに抑える大チャンスが到来。

昨年のこの時期はオックスフォードへ留学中。なのに、国民年金保険料の支払い証明書が札幌の下宿へ届いてしまった。年末調整には証明書の原本が必要。イギリスからでは下宿に届いた証明書をJSPSへ送れない。原本がない限り、年末調整による国民年金保険料の控除を受けられない。ということで、昨年度の年末調整では保険料の申請を行えなかった。D1の4月から12月までに148,680円 (16,520円×9か月分)支払った。およそ15万円分だけ所得額を抑えるチャンスをみすみす取り逃してしまったわけだ。

今年はちゃんと保険料の支払額を申告した。国民年金だけでなく、国民健康保険料の支払額も申告した。二つで合わせて28万円。特別研究員の年間所得240万円の12 %に相当する大金。社会保険料よ、ちと高すぎやしないか?せめて半分ぐらいに収めてくれれば生活が随分と楽になるのだけれども。今後、ジジババの人数が増えていくにつれ、社会保険料がますます増額されることが予想される。現役世代からお金をむしり取るんじゃなくて、高齢世代の自己負担率を3割に引き上げて対応してくれないかな。政治家の票田は高齢者。高齢者を敵に回すような政策はとれない。政治が変わるのを見込めない以上、現役世代の側が自衛するしかない。さっさと大金を稼いでFIREして社会保険料をほとんど支払わずに済む態勢を構築するのが最適解か。

20日:初雪(リア幸60)

下宿の天井をパラパラと叩く妙な音に目を覚まさせられた。何だろうと思って部屋のカーテンを開けた所、米粒大のあられが降っているのを視認した。今シーズン初めての雪。遠くに見える手稲山が山頂で白く雪化粧しているのが伺えた。そういえば、二週間前から雪虫が飛び回っていた。例年、雪虫が出てきた2~3週間後に初雪が観測される。今シーズンも初雪の時期をピシャリと当てた雪虫は天気予報士。ウェザーニューズでゲラゲラ笑っているお天気キャスターのお姉さんよりもアテになる。

大学進学で札幌に移住する前までは冬が一番好きな季節だった。地元は広島。温暖な瀬戸内海沿岸では年に一度か二度しか雪が降らない。雪が降ると大喜びで雪だるまを作る。翌日、気温が上がって跡形もなくなってしまうまでが風物詩。札幌に移住して以降、夏が一番好きになった。カラッとして冷涼なサマーシーズンは最高に過ごしやすくて気持ちがいい。冬はダメだ。あまりに寒すぎて外に出る気が失せる。大好きな雪も毎日ドサッと降られてしまっては堪らない。一晩に50 cmも積もられた日には天の神様へ恨み言を漏らしたくなるほど。

今年も冬がやってきた。アレっ、秋は…?来週は北大の銀杏並木を見に行って四季の移ろいを味わいたい。

24日:秋の風物詩・イチョウ並木 (リア幸60)

長くて暑い夏を乗り越えられれば、涼しくカラッとして過ごしやすく、でもすぐに終わりの訪れる秋が来る。食欲の秋。スポーツの秋。読書の秋。勉学の秋… 秋は何かにつけて言い訳に用いられる。人間は言い訳がなければ動けない生き物。何でも秋のせいにしておけば自身の自堕落ぶりを見事にごまかしてしまえる。四年前、コロナ騒動が起こったとき、世間で『コロナ太り』という信じられない言葉が生み出された。コロナに人間を太らせる作用はない。太ったのは己の不摂生のせいに他ならない。コロナのせいにしておけば万事解決♪と言わんばかりにコロナが言い訳に用いられた。コロナの側に同情してしまう。我々人間は万物の霊長。季節や自然界における他の生物へ自己弁護の材料を求めてはならぬ。コロナ太りなんて言っているヤツには武士道精神が欠如している。最寄りの書店で新渡戸稲造の武士道を買ってしっかり読んだ方がいい。

今年の秋も例年の如く、夏と冬のせめぎ合いの中であわやもみ消されてしまいそうに。季節の移ろいを愛でる楽しみを奪われてしまっては辛い。北大の北13条門にあるイチョウ並木は初雪や嵐をどうにか堪えてくれた。黄色、橙色、紅色、茶色など、色彩豊かな葉々が195万人都市の秋空に華やぐ。研究室へ配属されて以来、イチョウ並木の紅葉を初めて見られた。B4の時はなんやかんやで忙しくて見に行けなかった。M1とM2のときは共に筑波滞在期間中だった。D1に至ってはイギリスへ留学中。オックスフォードで街を歩きながらイギリスの色褪せた街路樹を眺めた。北大構内で紅葉を見たのは五年ぶり。こんなに綺麗なイチョウ並木が自分のキャンパス内にあることへ鼻高々。北大は春夏秋冬を満喫できる大学。京大へ落ちて行けずに辛かったけれども、四季を間近で感じ続けられたこの八年間はかけがえのない宝物だ。

1 2 3 4

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

カテゴリー

目次