札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2) です。2017年3月、北大総合理系へ2位で合格しました。
これからの五記事では、大学受験突破にあたり、英語・数学・国語・理科・社会をどのように勉強したか話していきます。まずは英語。学年順位最下位層からトップまで駆け上がって京大模試偏差値65以上を獲得するに至った過程をご覧下さい。
それでは早速始めていきます。
中1~中2:学年順位260位から20位へ
小学生から中学生になり、授業科目へ新たに英語が追加されました。日本語以外の新たな言語体系を前にし、最初は何が何やらサッパリだったのです。いくら勉強しても英文法が分かるようになりません。日本語と英語とで語順が違いすぎて英作文や英文読解ができませんでした。おまけに英語の発音法にも苦戦。ローマ字読みではなく単語特有の読み方を一つずつ覚えていかねばなりません。暗記事項が多すぎて頭がパンクしてしまいました。もちろんテストは壊滅的。270人いる学年全体で260位と地を這うような成績。
英語の成績があまりに酷かったものだから、中一から中二に上がる直前、家で家族会議が開かれました。”英語力が低すぎるとコイツの将来が危ない。何とかしなくちゃ…”と両親は焦っていたようです。春休み、父親からマンツーマンレッスンを受け、英文法をゼロから仕込まれました。使用したテキストはくもんの中学英文法。学校のテキストさえ意味不明である以上、小学生レベルからやり直さざるを得ません。appleやeyeなど日常単語から暗記し直し。英文法や英単語の特殊な読み方など、考えても仕方のない部分は丸暗記して体へと刻み込む。3週間の春休みを全て英語力強化に充てました。
父親による手ほどきの結果、英語がスッキリと分かるようになりました。授業にもついていけるし、リスニングの音源が何を言っているのかも分かる。英語は【慣れ】が肝心だったみたい。慣れるのが早ければ早いほど理解できるようになる頃合いが早くなる。英語が分かるようになったのが嬉しくて、家で自主的にテキストの英文を音読するように。そうしたら知らないうちにテキストの英文を諳んじられるように。定期試験の問題はテキストの英文から出題されます。テキストの英文を全部覚えて臨めばテストで高得点を獲得可能。学年順位260位から一気に20番台へとジャンプアップ。英語に対する苦手意識が払拭され、英語が得意科目の一つになったのです。
中3:英単語暗記と高校英文法全網羅
中三あたりから大学受験のことを考え始めました。大学受験で如何に英語で高得点を獲得するか。数学は点数がなかなか安定しにくい科目らしい。英語は一度できるようになれば高水準で安定して得点可能。ならば、注力すべきは英語からだな。この一年で英語力を入試レベルにまで高めてみよう。とりあえず志望校を京都大学に設定。東大は雰囲気が合わなさそう。自由で個性的な京大なら気楽に過ごせるかも。
いきなり入試レベルの問題は解けません。第一、英単語を知らなさすぎます。単語を知らなければ読解は不可能。和訳も英訳も何もできないでしょう。何はともあれ英単語を暗記しなくては。学校で配られた速読英単語 (速単) 入門編、および書店で速単必修編を買って自主勉強。速単の勉強法は音読中心。最初は日本語訳と照らし合わせて単語の意味を確認しながら読む。単語を覚えたら今度は文章を覚える。何十回も音読し、目を瞑って最初から最後まで全文通して言えるようになったらOK。途中、音源を使ってシャドーイングを取り入れました。せっかく単語を覚えるならば、同時にリスニング力も強化できたらお得ですし。
速単の入門&必修編を夏休み前にコンプリート。せっかくだしと、高校で習う英文法も先取りしておくことに。夏休みに書店で文法書のForestを購入。中学範囲の英文法から復習し、高校範囲の英文法へじっくりと進む。参考書の中の文章を全て暗記&丸呑み。分詞構文や倒置法など複雑な箇所を除けばほとんど理解することか出来ました。中三の終わりに書店で京大の赤本をチラッと見てみました。訳せそうな所がチラホラあるけれども、到底歯が立たなさそうな所が大半… 三年後にこの問題を解けるようになるには何をすれば良いのだろう?英文和訳かな?高1では英文和訳に特化して頑張ってみよう。
学校の英語の順位は10~20位。英語力が上がっていったおかげか、特別な試験勉強などせずとも高得点を取れるようになりました
高1:英文解釈で構造分析力強化
英文和訳で点を取れるようになるには、英文がどのような構造を取っているのかを分析できなければなりません。単語だけじゃダメ。英文構造分析力が不可欠なのです。英文解釈にあたって、英語の型を大量にインプットしておく必要が。知らなければ訳せぬ構文を訳すため、知っている構文の数を増やす作戦。高一に入り、学校から構文集がプレゼントされました。英語の構文150という参考書。配布された当日から暗記を開始。構文は二か月ぐらいで、練習問題の英文を半年かけて全文暗記しました。
いよいよ英文解釈力強化へと乗り出しました。まずはポレポレ。和訳のコツや構造分析のコツをつかみました。それから英文読解の透視図。長くて複雑な入試レベルの英文を和訳して和訳力の徹底強化。ポレポレと透視図を高一の間にそれぞれ二周ずつ実施。再び書店で京大の赤本を立ち読みすると、入試の英文が一年前よりずいぶんと簡単に見えました。
あとは単語力が解決してくれる問題。少しでもアドバンストな英単語を頭に叩き込み、知らなければ訳せない英単語の数を減らしておかねばなりません。文脈で単語の意味を推測するにも限度というものがあります。暗記で済ませられるものは暗記で済ました方が手っ取り早い。新たにシステム英単語を購入。全ての単語にフレーズ式が付されてあったおかげで暗記が捗りました。
学年順位は1~5位。帰国子女にテストで勝ったときは本当に嬉しかったです
高2:英字新聞で読解力強化
高一で受験英語の勉強をほぼやり尽くしてしまった感が。英語はさして力を入れずとも得点できる科目になっていました。英語の勉強は程々にし、他の科目の得点力アップに注力すべき。英語ばかりやっていても受からない。英語以外の科目で点を取れるようになって初めて合格が見える。高一の頃から勉強時間を1/3に減らしました。英語力向上よりも英語力の維持に専念。毎日英語に触れ、英語の感覚を失ってしまわぬように。これまで丸暗記してきた速単や構文集、和訳集などを流し読み。
復習するだけでは面白くありません。新しい英文も読みたくなってきました。そこで、書店で学生用の英字新聞 Japan Times ST を毎週購入して読むように。何が書いてあるやらチンプンカンプン。見慣れない英単語が多く、まだまだ知らないことだらけなんだな…と愕然。これを単語力強化の絶好機と捉え、分からない単語を辞書で一つずつ調べて進みました。辞書にはLongmanの英英辞典を使用。”単語の概念を学ぶ所でも英語力を強化できないかな”と考えて英英辞典を採用。
これだけたくさん英文を読んでいれば、模試の長文読解パートでしっかり点をもぎ取れます。一方で、四択の文法問題が苦手でした。断片的な文章だけ与えられても気持ちが悪い。問題の形式に慣れていないせいでどうしても得点できなかったのです。文法問題は模試に限らず、センター試験 (現:共通テスト) にも出題されます。いつまでも不得手なままではいけない。文法問題の苦手を克服しなくては。後期に学校で配布されたNext Stageを使って集中的に勉強。少なくとも苦手ではないレベルにまでは到達できました。
全統模試の成績は偏差値65前後。センター試験の同日受験では約8割の得点率でした
高3:過去問演習
夏休みの終わりまではこれまでの復習がメイン。新たな問題には手を出さず、昔読んだり覚えたりした文章に触れて英語力の維持に努める形。夏の京大模試では英語で偏差値60、秋には偏差値65を獲得。英文和訳に特化した勉強のおかげで京大レベルの英文をスラスラ訳せました。英作文の出来はいま一つ。仕方がない。英作文の勉強などしていなかったのだから。私の受験生時代にはChatGPTがなく、ネット上で英文添削などしてもらえませんでした。Google翻訳は頓珍漢な英文ばかり出力するし、DeepLのような優秀な翻訳ツールも存在しなかった。英作文は己のセンスで乗り越えるしかなかったのです。何とかなる、いや、何とかするしかない。
12月からセンター試験の過去問に着手。書店でセンター25か年分の過去問を仕入れ、毎日時間を図って演習。最初の五年分は時間いっぱい使い、問題の形式に頭を慣れさせることに集中。残り20年分は制限時間マイナス20分で回答して英文処理能力の向上を図る。解き終えるたびに丸付けし、不正答箇所の分析。なぜ間違えたか、どう読めば正解できたか、次はどうすれば間違えずに済むかを考え、最後に全文音読しておしまい。センター本番は緊張で文章が頭に入りませんでした。リーディングとリスニングを合わせて180/250の惨敗。
京大の二次試験までは過去問演習。京大英語25カ年を用いて英文和訳力に磨きをかけていく。ただ和訳するだけではなく、なるべく流暢な日本語訳を作るよう意識。訳文らしからぬ滑らかな文章でもって採点者に高得点をつけさせる作戦。和文英訳に関してはほぼノータッチ。どのような問題が出るのかを確認し、試しに数年分を解いてみた程度。京大本試では英語で115/200。合格者平均点レベルの得点があったものの、数学が足を引っ張って不合格に。
一浪:ストレス発散の英文音読のみ
英語力が既に合格者レベルに達している以上、英語力を新たに上積みする必要がありません。力を落とさぬよう気を付けるだけでOK。これまで使ってきた参考書のほか、速単上級編を使って申し訳程度に単語力の強化。浪人生活のストレス発散に英文音読はうってつけでした。また、英作文の得点力が上がったらいいなぁと、作文で使えそうな英文を大量に覚えてみることに。使用したのは新・基本英文700選。速単と同様、ストレス発散がてら音読に用いました。
浪人生活を通じて英語はほとんど勉強しませんでした。成績は上がりもせず、下がりもせず、横ばいで推移しました。もう少しちゃんと勉強すれば得点源にできたかもしれません。でも、しませんでした。いや、できなかったのです。浪人のストレスがあまりにも大きすぎました。ストレス発散程度の音読で精一杯。英文読解へ本格的に取り掛かると体が壊れてしまうおそれがあったから。
センター英語は無難に九割越え [236/250]。浪人生活を通して取り組んだ音読が読解精度を高めてくれたようです。志望校を北大に変えて臨んだ二次試験は109/150と七割越え。120分の制限時間を20~30分余らせてのフィニッシュでした。もう少し英作文をちゃんと勉強していれば八割を超えられたのかも。受験を通じて英作文はほぼノータッチ。誰かに英文添削してもらえる環境になかったから仕方がないとはいえ、もうちょっと何か対策ができなかったのかな。
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