研究室生活で病まないためのマインドセット

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大化学系大学院生のかめ (M2)です。研究室配属直後からガンガン飛ばして実験した結果、M2の8月に一度燃え尽き抜け殻状態となりました。そこでようやく”今までのペース配分が間違っていたんだ”と気付かされたわけです。しかし、メンタルは一度壊れるとなかなか復活しないため、今でもモチベーションを生み出すのに苦労させられています。

この記事では、私の苦い経験を踏まえ、研究室生活で気を病まないためのマインドセットについて解説します。

  • 燃え尽き症候群を防ぐ方法
  • 研究室生活を順調に進められるメンタルとは?

これらについて説明するので、メンタルについてお悩み中の学生さんは是非最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

燃え尽き症候群を防ぐ方法

燃え尽き症候群は超厄介。燃え尽き症候群を患う人って大抵真面目な人なので、頑張りすぎてエネルギー切れを起こした場合は再起困難となるからです。不真面目な人が怠けてやる気を出していないだけなら尻を叩かれれば「仕方がないなぁ…」と動き出せるでしょう。一方で、燃え尽きた真面目な人が蘇るには長期間何もせず休むことが必要なのです。燃え尽きたことのある経験上、やる気を出そうと思ってもそれが叶わない状況って中々もどかしく感じます。「なんで体が言うことを聞かないんだ!」と歯ぎしりするしかできないし、同期に後れを取っている焦りも募って吐き気を催してしまうのです…

そんな辛い燃え尽き症候群を防ぐ方法はズバリ、『頑張らないこと』になります。「怠けろ!」と主張したいわけではなく、70~80%ぐらいの出力で楽に研究して欲しいのです。毎日100%、時々120%の力を出していたらそりゃ燃え尽きてしまいますよ。いくら志を高く掲げ、理想に向かって突き進んでいたとしても、頑張る気力が湧き上がってくる以上に気力を使いまくっていたらエネルギーがなくなるのも時間の問題。しかし、常に20~30%程度の【余裕度】を維持して研究に挑めば、燃え尽きることなく一定スピードで研究が進んでいくんです。たとえ歩みは遅くとも、2年、3年とコンスタントに実験し続ければ、それらは大きな成果として結実します。

私が趣味でやっているランニングでも【余裕度】を大切にしています。どれだけハードに追い込めたかではなく、”どれだけ余裕を持ちながら練習できたか”を重視する。ランニングで必要な脚筋力は一朝一夕では養えず、長期間の練習でもってレースに耐えうる脚が作られます。その際、練習をケガなどで中断させず、コンスタントに継続することが本当に重要となるわけです。練習の継続性を担保しつつ能力を高めていくには腹八分目の練習ぐらいがちょうどいい。80%程度の力で練習すれば、ケガを防ぎつつ80%の出力で出せるスピードが自然と速くなっていきます。

研究も20~30%の余裕を持てば中断せずコンスタントに作業できるし、同じ労力で進められる作業量が少しずつ多くなります。燃え尽きず着実に成長を遂げるには程々に手を抜くのが肝要です

後輩のAさん

自分の100%の力が分かりません!

このようにお感じの方は、一日だけ本気で作業してみて自身の限界(キャパ)を測ってみましょう。追い込むのはすごくハードなはず。しかし、それより20~30%程度楽をして良いとなったら長続きしそうな感覚がありませんか?今後の研究室生活ではその『ほどよい塩梅』の力加減で楽に巡航して下さい。ダッシュなんて不要。ジョギング程度で学士、修士、そして博士課程修了までこぎつけていただければと思います。

研究室生活で病まないためのメンタルとは?

”研究室で病まないための”と書くと(ひょっとして強靭なメンタルが必要なんじゃないか?)と感じた方がいらっしゃるかもしれません。しかし、研究室ではメンタルが強ければ強いほど脆く砕け散る可能性が高いのです。研究室生活では流れ弾を受けて理不尽な目に多々遭いますし、論文の査読やフェローシップ獲得などで努力が実らない場面も存在します。その時々で(もっと気を強く持たねば…!)と己を奮い立たせていたら必ずメンタルがむしばまれ、いつか上に書いたような燃え尽き症候群に陥り再起困難となるでしょう[関連記事]。

研究室生活を病まずに進めるためには強さより”しなやかさ”が必要です。何を言われてもサラッと受け流し、全く意に介さないメンタルが求められます。もし辛い時はヘコんでもOK。でも翌日には気分を切り替え憂鬱を決して引きずらない。何度転んでも起き上がる。転んだ勢いそのままにガバッと起き上がるイメージです。こうしたしなやかさは研究室配属以降も訓練次第で会得できます。自分の身の回りに起こる出来事を決して深く考え過ぎず、テキトーにサラッと流す練習をやってみて下さい。私みたいな繊細な人間には『受け流す力』が不足気味。もっと気楽に行きましょう、最悪な事態なんてよっぽどのことがなきゃ起こりようがないんですから♪

本当に一番強いのは『殴られていることにも気づかないほど鈍感な心の持ち主』です。急がず焦らずどんな時もマイペースを貫き、飄々とラボ内で生き残るのです。あまりにマイペース過ぎて周りがイライラを募らせます。ただ、イライラした相手の方がメンタルを削られ勝手に自滅していくんです笑。鈍感さは訓練では会得不能。生まれ持った性分、天才なのです。鈍感さは世間ではあまり印象が良くないものの、こと研究室生活においては最高の特性として有利に作用してくれます。鈍感さをお持ちの方はご自身の性格を存分に活かして研究室生活にお役立てください^ ^

最後に

研究室生活で気を病まないためのマインドセットは以上となります。皆さんの研究室生活の質向上に少しでも役立てたら幸いです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

カテゴリー

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次