博士課程在学中の長期留学先に英国オックスフォード大学を選んだ5つの理由

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1としていただいている給与と科研費をフル活用し、D1・10月からD1・3月まで半年間、海外留学に行ってきます。行き先はイギリスのオックスフォード大学。この記事では、長期留学先にオックスフォード大学を選んだ5つの理由について書きます。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

博士課程在学中の長期留学先にオックスフォード大学を選んだ5つの理由

私がオックスフォードを選んだのは以下5つの理由からです⇩

  1. 自分の研究をより良くするヒントを得られそうな研究室があったから
  2. 衰退国・日本を何とかするヒントをイギリスで見つけられるのではないかと思ったから
  3. 自身の履歴書の学歴・職歴欄をより華やかに彩るため
  4. ハリーポッターが大好きだから
  5. 留学先を決める時点でmRNAワクチン未接種でもイギリスへ入国できたから

以下で一つずつ解説します。

その1:【研究面】自分の研究をより良くするヒントを得られそうな研究室があったから

現在、私はこれまでに集めた大量の実験のデータを基に論文を書いております。M2前期までは実験一辺倒。持ち前の体力を存分に活かして脳筋の如く手を動かし続けてきました。M2の後期、 (さすがにこのままじゃマズいな)と思い、実験データをサポートしてくれる理論計算にも少しずつ手を付け始めた。参考書に載っている複雑な数式を前に最初は途方に暮れていたものの、D1の前期に膨大な時間を投資してどうにか使いこなせるように。D1の夏休み、実験と理論計算をドッキングさせた一本の巨大な論文を書き上げました。夏休み中に投稿予定。D1・3月までになんとかアクセプトされて欲しい所。

今後、自身が構築した『実験+シミュレーション』の合わせ技でガンガン攻めて行ってもいい。博士号を取得するだけならコレでおそらく十分でしょう。しかし、何かが物足らない。博士課程があまりに簡単に終わってしまいそうで消化不良。せっかく研究をやるんだもの、より良い研究をしたいです。チャンスがあればNature MaterialやNature Energyのような超高水準な雑誌への掲載を目論みたいもの。

研究をどうにかしてもっと良いモノにできないだろうか?ヒントとなりうる論文や参考書なら幾らでも見つけられるのだけれども、紙の上で勉強するばかりじゃ味気がないし面白くもない。だったら違う研究室へ足を運んでみようじゃないか。どうせなら海外!面白い論文を書いた著者が居る研究室で研究をしたい。興味のある研究内容を扱っている研究室がオックスフォードとケンブリッジ (ともにイギリス)、それにUCバークレー (アメリカ)の3か所にありました。”その5”で述べる理由によってイギリスの大学を選ぶことに。オックスフォードに行きたいからオックスフォードの研究室の中から行き先を選んだのではない。行きたい研究室がオックスフォードにあったから行き先がオックスフォード大学になったわけです。

ケンブリッジへ行かなかった理由については”その4”で詳らかになります。

その2:【精神面】衰退国・日本を変えるヒントが誇り高き国・イギリスで見つかると思ったから

日本は現在、急速に衰えつつあります。これまでは世界の成長速度に置いていかれつつも僅かに成長していたものの、今では他国と比較するまでもなく全方面で衰えが顕著にみられる。経済面では圧倒的な円安。物価が安すぎて東南アジア諸国からも買い叩かれ始めている惨状。文化面での劣度も酷い。見るに堪えないテレビ番組や創作物が世間を蹂躙してしまっている。大阪万博の公式マスコットが今の日本を象徴しています。世界中から人をお招きする大切なイベントのシンボルに何故、あのような気持ち悪い目玉だらけのキャラを選んだのか (*気持ち悪すぎて関連リンクを貼るのも躊躇われました)。「エコ」と称し、神宮外苑の森林を切ってソーラーパネルを敷設する美意識の無さ。新しけりゃいいってモノじゃない。そもそも太陽光発電は全く「エコ」ではありませんし。

様々な方面で陰りを見せる今の日本を何とかしたい自分一人でできる事などたかが知れているのだけれども、一人の日本人として我が国の凋落を黙って見ている訳にはいかない。では何をどうすればいいのだろうか。……分からない。さっぱり分からない。問題が起きているということは分かる。しかし、その問題があまりに根深過ぎて、大元から解決する方法を何ら見出せませんでした。

最近気づいたことなのですが、日本を取り巻く閉塞感を乗り越える鍵は『誇り』にあると思います。”自分の国はすごいんだ、オレたちはそんな国の一員なんだ!”と胸を張れるかどうかに命運がかかっている。私、日本って凄いと思うんですよ。2000年以上前から連綿と受け継がれてきた王朝があり、豊かな国土、豊富な資源、高い技術に数多の発明など計り知れない強みがあります。なのに日本人は自信がない。GHQと日教組により自虐史観が植え付けられたから。誇りを取り戻すにはどうしたらいいか?誇り高く生きる人のいる国に長期間住み、その国の人民が誇りを保つ秘訣を垣間見るのが一番です。「誇り高き国はどこだ?」と自身に問い、真っ先に”イギリス”の名が挙がりました。イギリスさん、中東を中心に世界中であんな滅茶苦茶な蛮行を犯しまくったにもかかわらず、さも「オレ、紳士です」と言わんばかりに国際会議で澄ましていらっしゃる。我々もあの面の皮の厚さを見習うべきだと思うんです。ちょうど行き先の候補の一つだったので『オックスフォードへ行こう』と決断したのです。

その3:【自己投資】自身の履歴書(エントリーシート)を華やかにするため

ちょっといやらしい理由でもオックスフォード大学を選びました。自身の履歴書の学歴欄に『オックスフォード大学への長期留学経験あり』と記載したかったからです。『北大』と書いても (ふ~ん、そう)と軽く受け流されてしまうでしょう。ところが『オックスフォード』と書かれてあったら (何かすごそうなヤツが来たな)とお感じになる方が多いはず。

自分は大した人間ではありません。京大にはA判定から大逆転不合格を喫したし、合格率3割越えの国家資格・国内旅行業務取扱管理者試験にも落ちて一浪したぐらい。そんな頭の出来の悪い自分だからこそ『オックスフォード』という飾りが必要オックスフォードのブランドを使って自分を少しでも良く見せなきゃいけない。こうした錯覚資産を有していれば、成長する機会を同世代の人間よりもより多く恵んでもらえるでしょう。 (やってくれそうだから任せてみるか)と周りからより多くの仕事を任せてもらえるように。チャンスで力を発揮しようともがく過程でおのずと実力が高まっていく。そしていつしか、己の頭の出来の悪さを努力でカバーできているはず。最後に高みへと至るにあたり、最初の助走の勢いをつけるために『オックスフォード』という飾りを得に行くのです。承認欲求のためじゃない。将来の自分への自己投資として、狡猾な計算のうえオックスフォード留学を決断しました。

その4:【文化面】ハリーポッターが大好きだから

私が一番好きな映画は邦画だと『ハナミズキ』、洋画なら『ハリーポッター』。どちらが好きか?と言われましても甲乙つけがたいですね。幸いなことに、ハナミズキの舞台の一部は我らが北海道・釧路市にあります。簡単に聖地巡りへと繰り出せますので安心、全く問題はありません。すごくどうでも良い事ですが、10代の私はガッキーこと新垣結衣さんの大ファンでした。ご結婚なさったと伺った時は「もう終わりだよこの国は…」と嘆き悲しんだものであります。

ハリーポッターの舞台はイギリス。ユニバにも大きなパチモンがありますが、わざわざ偽物を観るためだけにお金や時間を割きたくはない。これまで私、 (何とかしてハリーポッターの世界を味わえないだろうか) と長年思い続けてきました。小学校低学年では鉛筆を魔法の杖に見立てて教師に「アバタケタブラ!」と唱えたり (註:2時間ぐらい廊下に立たされました)、中学生の頃は箒にまたがり階段からバッと飛び降りていたものです (註:飛翔できず、地面に墜落し捻挫しました)。どうしてもハリーポッターにはなれなかった。 (魔法を使えていいなぁ、楽しそうだなぁ…)と憧憬の存在だったわけです。

海外留学の予算を手に入れ、”ハリーポッターを味わう最高のチャンスじゃないか!”と脳へビビッと来ちゃいました。コレを逃すと二度とは訪れぬ千載一遇の絶好機。ハリーポッターの舞台を調べ、イギリスのオックスフォード大学でも撮影が行われたことを知りました。「ならオックスフォードや。オックスフォードへ行くしかないぞ」と心が固く定まりました。ケンブリッジ大学を選ばなかったのは、”ハリーとは無関係だから”という理由です。研究するだけの修行僧生活はイヤだったからケンブリッジを選びませんでした。

ハリーポッターのハーマイオニー役を演じた女優・エマ・ワトソンさんが、2023年9月よりオックスフォードの修士課程に入るそうです。運が良ければキャンパス内でエマ・ワトソンさんに会えるかもしれません。

その5:【大人の事情】留学先を決める2022年12月時点でイギリスがmRNAワクチンを打たずに入国可能な国だったから

留学先を絞り込んだのが2022年 (M2)の12月。その当時、アメリカを始め、海外の多くの国ではmRNAワクチンの複数回接種が入国要件として挙げられていました。私、今も昔もワクチンを射つのが怖いです。自分の体内へ得体のしれない透明な液体を直接射ち込む勇気がない。そもそも効果があるか否かさえよく分からないじゃないですか。クスリで健康を得るのではなく、適度な運動や健全な食生活で健康を保った方がいい。まして、mRNAワクチンは開発からまだほとんど時間が経っていない新しい技術。副作用で何が起こるか分からぬ劇物を何発も接種するなど狂気の沙汰。実際、mRNAワクチンでお亡くなりになった方が日本で二千人以上いらっしゃいますね。生きるのが辛いほどの副作用に苦しむ方も居り、(打たなくて本当に良かった…)と胸を撫で下ろしている次第。

海外留学をするにあたって、mRNAワクチン非接種者でも入れる国を選ばねばならない。するとアメリカは即座にOUT。一番選択肢の多そうな国へ赴く可能性が真っ先に絶たれた。 (ではどうしようか)と考えてみて、ヨーロッパへ行くことに決まりました。流石にChinaは考えなかった。行ったら帰って来られなくなる可能性があるから。”ヨーロッパのどこにしようか”と悩む過程で、上記その1~その4で述べた様々な事項が脳内で浮かび上がってきたのです。最終的にはオックスフォードに。もしワクチン接種者だったらアメリカへ行っていたかもしれませんね。

最後に

長期留学先にオックスフォード大学を選んだ5つの理由はコレで以上。オックスフォードの教授や学生に武士道を叩き込んでから日本に帰ってくるつもりです。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • はじめまして。
    蓄電池の知識もなく、年齢的にも(親世代です)隔たりありすぎ、
    なのにすっかりかめさんブログにはまっています。
    ぼちぼち読んでいるのでまだ筑波あたりで時差ありですが笑、
    今「イギリス留学」というカテゴリーを発見しました。(゚Д゚)ノ
    知らない分野や難しい研究などは余程興味、共通点や必要性がなければつまらないものですが、かめさんのブログ記事は臨場感や時に滑稽さ(失礼な意味ではありません)があり、とても面白く、対象外のわたしでも読みやすくひき込まれました。

    まだ過去ブログを読み終わっていませんが、渡英記事も並行して読み進めたいと思います。どうか、健康で充実した半年が過ごせますように♪

    共通キーワードとしては「広島」(昔、住んだことがある)、「札幌」(育ち)、「乗馬経験者」(乗るより世話好き)、「マラソン」(今やジョガー)、「筑波大学」(行こうとしたが、諸事情で断念)くらいです。「札幌」以外は掠る程度です。

    • manataさん、コメントありがとうございます (*≧∀≦*)
      もう一つ頂戴したコメントと併せて返信します。

      面白いと言っていただけてすごく嬉しいです。もともとこのブログは”研究室生活で悩みを抱える学生の助けになれば”と思って始めたのですが、守備範囲外の方にもウケてもらえるとは思ってもみない僥倖でした。
      記事をご覧のように、ドロドロとした日々の生活についてありのままを綴っています。当方、音に関して苦しんでいるので、他の人以上に生々しい感情を抱くことが多いです。辛いですが致し方ない。少数派の為に社会を変えるとおかしなことになりかねませんから。負の感情を抱く自分をも受け入れ、飾り立てることなく等身大の自分を書きます。読みづらかったらごめんなさい。私にはこのやり方ででしか記事を書くことができません。
      今後、イギリスでの滞在中はイギリスでの生活について、帰国後は日本での研究室生活について色々と記事を投稿していきます。お時間のある際に過去記事も併せてご覧いただければ幸いです。ちなみに、10/8に投稿した海外渡航体験記は当サイト記事の中でも屈指の面白さです。

      *共通項が沢山ありますね。しかも乗馬経験者だなんて!
      私の運営しているもう一つのブログ『マラソンソラマ』に乗馬体験記を載せてあります。こちらは競技動画付き。”何もやることがない”という時の暇つぶしに是非ご利用ください^ ^
      https://gogorunner.site/entry/2023/09/01/000034/%e3%80%90%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%80%91%e4%b9%97%e9%a6%ac%e4%bd%93%e9%a8%93%e8%a8%98%e3%83%bb%e9%9d%92%e6%98%a5%e9%a7%86%e3%81%91%e3%82%8b%ef%bd%9c%e8%a8%98%e4%ba%8b/

      もし上記リンクが使えない場合、”乗馬体験記・青春駆ける”と検索いただければご覧になれます。

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