【ミソフォニア治療】音に反応しない状態を「無意識下」で作り出せたら楽になるかも

北大と国研で研究している化学系大学院生のかめです。高校二年生の頃から「ミソフォニア」の症状と戦ってきました。

ブロガーとして日々言葉を紡いていくうち、自分の症状を言葉にできるように。症状は何に由来するのか、発症メカニズムは何なのか、その場をしのぐ対処療法はあるのかなど、諸現象を言葉で表せるようになったのです。

最近、読者の方からミソフォニアに関するお問い合わせをいただきました。返答を考えるうちに、ミソフォニア症状の根絶に至る「理想状態」を言葉に表せられたのです。ただ残念ながら、自分はまだその状態に到達していません。言語化するところまでは達したものの、理想状態へ達する方法については全くの未知数。

ミソフォニア症候群と戦っている方々にとって、症状へ苦しまずに済む状態とは何か知れば希望が芽生えてくるはず。そこでこの記事では、ミソフォニア患者さん向けに、ミソフォニア症状を抑えるために取り組むべき努力の方向性を提示いたします。

  • ミソフォニアでお困りの方
  • ミソフォニアの治療法をお探しの方
  • ミソフォニアから解放されて楽になりたい方

こうした方々にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

まずは音を「素通り」させる意識を持つ

ミソフォニア症状は、脳が音をキャッチし、過剰反応してしまうことで引き起こされます。大半の音は雑音として処理可能。ごく一部の音に限って雑音処理に失敗して症状がもたらされるのです。我々の抱く苦しみの本質は、脳が音に対して異常反応してしまう所。つまり、ミソフォニアは「反応」によって引き起こされます。

ミソフォニアを和らげるにはどうしたらいいか?まずは音へ反応しない意識を持ちましょう。音が聞こえてきても決して動じない。音を無視する。音をスルーする。”自分はただ音を知覚できるだけの存在だ”と脳を錯覚させて下さい。音に感情を伴わせないで下さい。音なんて所詮、ただの音です。音が脳を素通りする限りにおいて、音は我々を決して攻撃しやしません。

苦手な音が飛び込んでこない場所で脳へ「音へ反応するな」と指示を出しましょう。音への反応さえ抑止させられたら症状が大幅に軽減されます。音をスルーできる態勢が整い次第、通常の環境に戻ってみてください。その際、反応しない状態をキープするのを忘れずに。トリガー音が聞こえてきても素通りさせるのを徹底意識。大丈夫。トリガー音の存在を気にしてはいけません。一番大事なのは、音を素通りさせることです。

音に反応したくないのに反応してしまう理由

音の素通り意識によって症状が楽になるのは間違いありません。しかし、未だ苦しみは続きます。楽になったとはいえ症状が緩和されただけ。症状の悩みから解き放たれたわけではありません。我々の望みは、音のトラブルから完全に解放されること。「音を素通りしよう」とさえ意識せず、音を気にしないで生きられたら最高ですよね。

たとえ音の素通り意識を心掛けたとしてもミソフォニア症状は続くでしょう。
「素通りさせたら楽になるって言ったよな?」
→その通りです。しかし、根本的な解決法はより深層部分にあるのです。

我々が音へ反応したくないのに音へ反応してしまう理由は、「音へ反応しないでいよう」と意識しなければ音へ反応しない状態を作れないからです。ちょっと何を言っているのか分からないでしょう。以下、補足説明をしていきます。

ミソフォニア症状は、脳が”無意識下”で補足した音への反応から引き起こされます。音の回収や雑音処理は無意識領域にて行われるのです。ミソフォニアを克服するには、我々の側も無意識領域へ降りてアプローチすることが必要です。つまり、音を無意識でスルーできる状態を、無意識で音へ反応しない状態を目指さねばなりません。

【ファスト&スロー】という書籍があります。ノーベル経済学賞を受賞した学者による行動経済学の名著です。本著によると、人間は「無意識」と「意識」のふたつを使って意思決定するそうです。無意識は直感をつかさどる部位。”速い”意思決定が特徴的です。意識は思考力をつかさどる部位。”ゆっくり遅く”、よく考えて妥当な判断を下そうとします。

本の引用から申し上げたいのは、意識(顕在意識)よりも無意識(潜在意識)の方がはるかに早いということ。両者における脳内での意思伝達速度は桁違いなのです。

仮に、音が入ってきた瞬間、「音を意識するまい!」と強く意識したとしましょう。しかし、その指示が脳へ伝わる頃には、既に脳が音へ反応して症状が出てしまっています(皆さんにも同様な経験はありませんか?)。ミソフォニアは、脳内の無意識領域で引き起こされる症状。いくら「音を意識しまい」と心掛けても効果がないのは、速さで劣る意識領域から「音へ反応するな」と指示を出しているから。超高速の無意識に対して、速さで劣る顕在意識から戦いを挑んでも勝負にならないでしょう。

我々が無意識領域から音を無視する指示を出せれば症状が沈静化するでしょう。

音に反応しない状態を「無意識下」で作り出せ

我々が取り組むべき方向性が浮かび上がってきましたね。さて、この記事の結論に入りましょう。

我々が取り組むべきは、「音に反応しない状態」「無意識下」で作り出すこと。無意識で起こる雑音処理のエラーを無意識領域内で抑え込むのです。そのためには、「音を素通りしよう」と意識せずとも”無意識”で音を素通りできれば良いでしょう。つまり、無意識を意識的に改造して音を素通りできる状態を作らねばなりません。

果たしてどのようにして「音に反応しない状態」を「無意識下」で作り出せば良いのでしょうか?力不足でごめんなさい。残念ながら、私にもそんな理想状態を作り出せる方法が見えていません。我々は無意識領域を改造する必要があります。無意識へ無意識に手を入れるのは難しい。きっと、無意識へ意識領域から何らかの形でアプローチすることが求められているのでしょう。

ヒントはスポーツの世界にあるような気が。

私は趣味でランニングをやっています。ミソフォニアでたまるストレスの発散として、週6で早朝に走っているのです。陸上競技では、同じ練習を繰り返し行って身体へ動作を定着させていく。動作が身体へ染み込むと、走行中に良いフォームを保てて速く走れるようになるのです。ミソフォニアの克服も同じかもしれません。音を素通りさせる練習を積み重ねられれば、やがて無意識で音を素通りできるようになる可能性があります。

これはあくまで仮説に過ぎません。我々自身で方法を模索して解決法を探っていきましょう。

最後に

本記事では、ミソフォニア克服への新たなアプローチを提示しました。

症状の本質は「音への反応」にあります。症状の緩和には音を「素通り」させる意識が必要です。しかし、より本質的な課題は、意識的な制御では対処しきれない点にあるでしょう。ミソフォニア症状は無意識下で生じるため、意識的に「音を無視しよう」と試みても先に脳が反応を示してしまうのです。これは、ファスト&スローの研究が示すように、無意識の処理速度が意識的な制御をはるかに上回ることに起因します。

ミソフォニアを真に解決するには、「音に反応しない状態」を「無意識下」で作り出すのが不可欠です。具体的な方法については未だ模索段階。スポーツトレーニングにおける動作の定着過程がヒントになるかもしれません。「音を素通りさせる」反復練習が無意識を変え、ミソフォニア解決に至る可能性があります。

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