研究室に所属する学生が長期休暇中にやっておきたい3つのこと

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大工学系大学院生のかめ (D1)です。日本学術振興会特別研究員DC1として国からお給料を頂いています。

この記事では長期休暇の有用な過ごし方について記します。夏休みや冬休みの使い方にお困りの方にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

【最重要】心と体のケア:半年間の疲労を抜き切ろう。旅行へ行くのが効果的♪

まず真っ先にやってほしいのが心身を丁寧に労わること。学期中、研究室活動で体を酷使したでしょうから、時間のある長期休暇中にじっくりと休めてあげて下さい。意外と疲労がたまっているのが皆さんの心、メンタルになります。迫りくる締め切り、先生からの圧迫、将来の不安などでメンタルはヘトヘト。半年ごとに緊張の糸を緩めてあげるのが肝要です。休んで心のメンテナンスを行いフレッシュな頭を作りましょう。研究室配属された学生さんの中には”クソ”が付くほど真面目な方が。「休んでなんかいられないよ!」と休暇返上で研究へ邁進。そのお心がけ自体は大変素晴らしいもの。しかし、勤勉さが仇となって疲労に押し潰されてしまう場合も…。休むべき時に休んでおくのが継続的なハイパフォーマンスの秘訣。メリハリを付けてこそ人間は真価を発揮します。

半年間の疲労を抜き切るためには旅行へ行くのが良いですね。私のオススメは

  1. 長距離フェリー旅
  2. 青春18きっぷで日本縦断

この2つになります。

①フェリー旅に関しては、電波の通じないアナログ空間に強制的に隔離されるから良い。普段、四方からのメールへの対処に散々追い掛け回されていたとしても、洋上だとネットを使えませんからメールを受信できないんです。誰かからの連絡を気にせずとも良い時間は至福のひと時であります。フェリーなら航行中、何度でも無料で温泉に入れるので体も大いに癒される。フェリーではパソコンの画面なんて見ず、大海原や書籍をじっくり眺めて心穏やかに過ごしてください。夜、温泉に入った後、火照った体で甲板にて食べるアイスの美味しさも知って欲しい^ ^

②青春18きっぷとは、JR在来線が5日間、全線乗り放題となるチケットです。5日間・12,050円 (2,410円/day)で日本の電車を使い放題に。5日もあれば北海道・稚内から鹿児島・枕崎までの日本縦断がギリギリ可能。そこまでエクストリームな旅をせずとも、東京から大阪へ10時間程度でお安く・ゆっくりと向かえます。青春18きっぷ旅の良さは、”ノロノロとゆっくり進んで初めて感じられるものがある”と分かる点。各駅停車の鈍行旅では新幹線に何十回も抜かれますが、車窓から見える綺麗な景色、耳に入る地元民の方言など、道中では心を鷲掴みにされる様々な出来事が目白押し。目的地に着いてからようやく旅が始まるわけではありません。目的地に着くまでの道のりでさえもちょっとした旅に変えられるのです。私は過去に、札幌から広島まで3日かけて18きっぷで帰省したことが。飛行機なら2時間ちょっとで行けるのに敢えて3日間も費やしたのです。南下していくに伴い乗客の話言葉が変わっていく。関西まで来れば聴き馴染みのある言葉になり、広島へ着く直前には車内がガヤガヤと広島弁で賑わってくる。帰省中に加え帰省するまでの過程をも楽しめリフレッシュできました。おかげでその後の研究生活がより良いものとなったのです。

頭のメンテナンス:論文や教科書を読み専門知識を忘れぬように。学会へ出る方は早めにプレゼンの用意を!

休んで心身をいたわりつつも、頭のメンテナンス自体は怠らぬようにして下さい。”休みだから”と休暇中の2か月間、研究からもし完全に離れちゃったら、休み明けの頭は重たく、キレのない、休み前よりも劣化してしまった酷い状態になること請け負い。ストレスを溜めない程度に軽く知識を補充しましょう。論文や教科書など文献にサラっと触れておいたら安心ですね♪。時間のある方はそれらに加え、専門分野と近い領域の実用書を入手して読んでみましょう。研究をすると否が応でも視野が狭窄してしまいがちですが、実用書を読むと社会に目を転じますから目が見開かれて視野が広くなるのです。研究者は結局の所、社会をより良くしていくために日々頭を回転させている。その社会のことをよく知られる点で実用書の読書はオススメです[関連記事]。

何の嫌がらせか分かりませんが、全国規模の大きな学会はたいてい長期休暇中にあります。(やっと羽を伸ばせる..!!)と思ったのも束の間、学会発表の用意に追われて学期期間中のバタバタが再来。せめて休暇期間は学期中よりくつろいでゆっくりとすべきです。何のための休暇なのだか分からなくなってしまいますから。学会前に慌てないよう、なるべく早めにスライド資料等、発表の用意を整えておきましょう。学期中にスライドやアブストを完成させておき、『休暇中は発表練習だけすればOK』な状態が理想。JASSO奨学金の返済免除[関連記事]や学振DCの内定[関連記事]を目論む方は意識高く学会賞の受賞を狙っているはず。狙い通り賞を貰えるように前々から準備しておきましょう。

自分の将来についてじっくりと考える

自分の将来について思いを巡らせられるのは長期期間中ぐらいでしょう。学期中はあまりに忙しすぎて先を見据える時間が無いから。時間がたっぷりとあるお休み中、(この先どうしようかなぁ…)とゆっくりとお考えになられて下さい。B4・M1は就職か/博士進学 (D進)か、D進するM2以上の方はアカデミアか/就職か/それとも起業か…と将来の道筋を考えてみましょう。

D進するかしないか迷っている方に慎重に見定めて頂きたいことがあります。それは、ご自身が

  1. 実験 (作業)が好きか
  2. 勉強 (知識の吸収) が好きか
  3. 研究 (頭を働かせること) が好きか

このいずれの属性が最も得意で強いのか、という点です。1~3のどれが得意でも”研究が好き”という風に感じる。周りにもそう見えてしまうから非常に厄介な所です。でもよく考えてみれば (研究じゃなくて実験が好きだったんだ…)とか (研究よりも勉強の方が好きだったんだな…)とか意外な事実が浮き彫りになるケースも。私自身、D進を決断したM1・9月の時点では研究が大好きなつもりでしたが、博士課程に入りよく考えてみて (研究よりも実験や勉強の方が好きだったんじゃないか…?)と分かったのです。博士課程で一番幸せな思いをするのは③研究好きの方であります。①実験好きの方も実験量を稼げさえすれば何とか論文出版までこぎつけられる。しかし、②勉強好きの方は生みの苦しみを味わうことに。論文執筆は知識を創造するアウトプット主体の営みですから、インプットが好きでアウトプットが嫌いな方はD進が不幸となりかねません。こうした大切な自己分析を「やれ」とは誰も言ってくれない。ならば自ら必要性に気付いて実行せざるを得ませんね。

その他、就職するならどの業界へ行くのか、結婚するのか、子供は何人欲しいのか、そもそもどの国で暮らそうか…などと考えるべき議題は山ほどあります。私もあまり偉そうな口で語れるわけではありませんので、皆さんと一緒に休暇中に将来を考えてみたいと思います。

最後に

研究室に所属する学生が長期休暇中にやっておきたい3つのことは以上になります。皆さんが長期休暇を有用に過ごす一助になれば幸いです。

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