学振DCの存在を知ってからDC1に内定するまでの軌跡

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M1・11~12月: 【前哨戦】JSTフェローシップへ申請、採択

不安いっぱいだった自分の気持ちを晴らすような出来事がありました。M1のクリスマスイブ、JSTの博士進学者対象フェローシップ(以下、FS)に第一期生として採用されたのです[関連記事]。

採用される前の月、指導教員が学生部屋へ慌ただしい足取りで駆け込んできました。名前を呼ばれ、(何かやらかしちゃったかな…)と気まずい気持ちで先生の部屋へ。すると先生、「3日後締め切りのFSの申請書を書いて」と急に言い出すじゃないですか!「博士進学者へ月15万円配る制度ができたから」とFS申請を猛プッシュ。これまでお金にまつわる申請書なんて一度も書いたことが無い。しかし、ココで書き上げなければ15万円を貰えず生活に困る。指導教員や共同研究者さんらが過去に作った申請書を真似して大わらわで書き始めた。”絶対間に合わない”と思っていたけど、締め切り数時間前に己の執念で申請書を書き上げられたのです。翌月のクリスマスイブは札幌駅前の献血センターへ成分献血に行っていました。その帰り道、メールにてFS採用の知らせを受け取り、小躍りしながら人込みをかき分け帰宅し祝杯を挙げました。

M1・2月:学振の申請書を書き始めた

学振DC1の申請書を書き始めたのはM1の2月。2月の時点ではたしかまだ、前年度のフォーマットしかネットで公開されておらず、年度が替わっても書式が変わらなさそうな研究計画欄から作り始めました。執筆時点で頭の中にはD進後にやりたいことがあった。それらを体系的かつ論理的に記していくのが大変だった。研究計画の執筆で手が止まった時は自己分析欄の作成へ。M1の2月は就活もしており、就活のため行っていた自己分析が申請書作成で大いに役立った形。自己分析欄作成へあまりに力を入れすぎた結果、研究計画欄の記述へ割ける力がほとんど残っていませんでした。どう考えても優先順位が思い切り間違っていましたね。それでもDC1用申請書をどうにか作り上げられたのは、FS申請時に作った研究計画をブラッシュアップするだけで良かったから。先に苦労しておいたおかげで後の自分が助かったのです。

M2・4~5月:申請書完成&友人と見せ合いこ→申請!

申請書本編と推薦書が完成したのはM2の4月のことでした。申請するのはM2の5月。1か月間の余裕を残して無事に出来上がりました。完成品を指導教員に見せて添削していただきました。それだけではどうしても不安だったので、D進する同じ専攻の同級生 (Sくん)と申請書を見せあいこしました。いくら同じ専攻とはいえ、専門分野が違えば扱う研究の方向性が全く異なる。Sくんの申請書に書かれた内容は面白そうには思えたけれども、完全に理解できたか?と聞かれたら「チョットヨクワカラナカッタな…」といった感想になります。Sくんも私の申請書を見て同じ感想を抱いたはず。(このままじゃマズいんだな)と危機感を抱き、専門分野外の人にでも内容が伝わるように申請書の修正へ取り掛かりました。

かめ

誰かと申請書を見せ合うのはすごく良いと思います。自分では”分かりやすい”と思っていても、他人には分かりづらく映って見える場合がままありますからね

ゴールデンウィークが明けてすぐ、申請書を学振に出しました。提出する直前まで”間違いはないか?”と誤字を探したり、”もっといい言い方はないか?”と表現に工夫を凝らしたりする作業。私はM2・5月までにブログ執筆を3年間やってきました。しかし、1万字越えの記事を作った経験など過去に2~3回しかありません。まして、文章に己の命運を委ねるだなんて人生を通して初めてのこと。提出ボタンをクリックする時は緊張で手が震えました。

M2・9月:採用!

申請からおよそ4か月後、M2の9月下旬に採用結果が公開されました。結果は採用。小区分44人の応募者のうち8人の採用者に選ばれたのです。採用結果はつくばの某・国研のデスクにて目に焼き付けました。採用の2文字を見つけた瞬間、超小声で「ぃよっしゃーーー!!!」と海老反りになって大喜び。申請書作成に力を貸して下さった指導教員や共同研究者さんへすぐさまメールでご報告。両者とも我が事のようにめちゃくちゃ喜んで下さりました。博士課程在学中、学振DCのお金を使って海外留学を志していました。もしDC1に落ちれば海外留学など夢と化していたのですが、幸運にも採用されたおかげで留学の夢が繋がりました。

かめ

【おまけ】
D1に入り、科研費の交付額が『140万円×3年』と決まりました。普通なら特別枠を申請しても120万円を超えるか/超えないかという所、”蓄電池材料研究”という国の指定強化分野に取り組んでいるおかげでほぼ申請額通りの交付となりました

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